2020年の釜石の人流をデータで見る
街から人の流れが消える時間の多かった2020年。
データで振り返ってみようと思います。
参考にしたのは、内閣府地方創生推進室と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が提供しているV-RESAS。
こういうデータまで無料で見れてしまうというのは驚きですね。
滞在人口の動向
さて、まずは推定居住地ごとの2019年同週比の滞在人口推移。
これを見ると、市内滞在人口は2019年比で横ばいのようで、県外居住者の滞在人口は減少。ただ、県内居住者の滞在人口が大幅に増加していたようです。特に、12月第1週と第4週は2019年比で350%以上も増加しています。2019年に比べて大勢が一気に帰省したんですかね?何があったのか気になります。
県を跨いだ移動
お次は、都道府県を跨いだ移動について。
こちらのデータでは、2019年のデータ平均が1のようですから、そもそも県外からの移動が相当減ったことが明白ですね。特に5月から7月にかけてはほとんど人の往来がなかったことが窺えます。岩手県に感染者が出ていなかったため、県外からの往来にかなりのプレッシャーがかかった時期でしたね。
そして、このデータからハッキリわかることは、釜石に県外からやってきている人の半分前後が宮城県からの来訪者であるということ。そのうちの1人が自分でもあるので、何となく嬉しいです(笑)
釜石は、㈱日本製鉄の企業城下町という側面の強い町なので、歴史的に東京との往来がとても多い地方都市でした。その影響から今でも観光関連のイベントに参加すると、「東京近郊の人をいかに呼び込むか?」という意識を持っている参加者が多いなと感じるのですが、もう少し仙台近郊の人たちに目を向けても良いのではないかなと思います。まぁ仙台には、観光する「三陸」とは松島のことだという感覚の人が多い気がするので、仙台の人を観光で呼び込むのは難しいかもしれませんがね。
宿泊者数
V-RESASには様々なデータが掲載されていますが、次に見るのは宿泊データです。
これを見て驚きました。
男女グループの宿泊者が前年比で10月は174%増、11月にいたっては867%で見切れてしまっています。メジャーイベントがなかったのに、どういうことだ?っと考えましたが、修学旅行生が増えたのかもしれません。2019年のラグビーワールドカップの会場となった釜石鵜住居復興スタジアムを目的にした修学旅行がかなり集まったと聞いていましたので。
そして、宿泊者が増えている10月11月に飲食店情報の閲覧数が有意に増えていなかったことからも、同時期に釜石を多く訪れた人たちは修学旅行の学生だった可能性が高いのかなと思います。
小括
ザックリとではありますが、2020年の人流をデータで振り返ってみました。
暗い話題の多かった2020年でしたが、修学旅行の目的地として人気を集めたこと等明るい話題の兆しもあったようです。
2021年、どんな世相になるか見通しが立てられませんが、見えてきた兆しを本格化させたり、他の兆しを見つけたりとポジティブな姿勢で釜石に関わっていこうと思います。