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【後編】Life Quest~釜石で〇〇する人たちの多様な生き方~第7歩目「ホースセラピー」×黍原 豊

本記事は、岩手県釜石市で人生を探求し生き方を自分でつくることに挑戦し、様々な活動に取り組むゲストの生き方に迫っていくイベント型オンライン番組『Life Quest』の内容のアーカイブ記事になります。       
今回は、2020年8月24日に実施された第7歩目「ホースセラピー」に取り組む黍原 豊さんをご紹介します。実際の放送については、こちらよりご覧ください。

わたしのLIFEQUEST

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岩手の自然山村を満喫

黍原)岩手で自然とともにある暮らしに触れて、衝撃を受けました。学生時代、旧山形村というところによく行っていました。そこでは地域にある資源自然を生かして暮らし、創作物を作ったりもしていて、本当に地域の中で豊かに暮らすことができるんだと感じたことが岩手に惹かれた最初のきっかけでした。

戸塚)大学時代に環境教育に出会ったんですか?

黍原)はい。自然保護にもともと関心があって、その中で子どもたちのキャンプや環境教育に触れました。学生の時に子どもたちと4泊5日で山の中で暮らす体験をしたのが、初めて子どもたちとどっぷり関わった経験でした。

馬との出会い

黍原)卒業後に、森と風の学校という環境教育をやっているN P Oや県立の児童館に携わっていました。東日本大震災が起き、妻が釜石市出身だったこともあり何かできないかなと思い釜石に来ました。最初は沿岸部で子どもたちを受け入れてキャンプをしたりしていましたが、被害も大きく、復興に時間がかかるということも分かっていたので長期的に関わりたいと思っていました。


黍原)緊急を要する部分が終わって、これからまちづくりが始まるぞというタイミングで釜石に来ました。最初は「釜援隊」にいて、「三陸ひとつなぎ自然学校」というところと一緒に子どもたちの居場所づくりをしたり、学生ボランティアの受け入れをしたりしていました。その中で、先ほども話した仮設の子どもたちの状況があり、何かできないかなというモヤモヤを抱えていました。

戸塚)釜石に来たときは馬で何かをしようとは思ってなかったということですが、馬と出会ってピンとくるものはあったんですか?

黍原)最初、馬の話だけ聞いたときは、「もしかしたらここで出会った子どもたちにいいかもしれないな」ぐらいにしか思っていませんでしたが、実際に馬と子どもたちが関わる様子を見たら「馬しかない」と思いました。

拠点が見つからない

黍原)すごくいいなと思った中で、実は壁もありました。2014年の5月にテストプログラムを始めました。馬と暮らす拠点を作ろうと空き家を探したのですが、空いていても借りられないような状況があり、半年経っても拠点は見つかりませんでした。その年の年末になって、本格的に動き始めようと、釜援隊を辞めて馬のプロジェクトに専念しようと決めました。

黍原)年明けに辞めることを伝えた一週間後に現在の活動場所が見つかりました。そこで「決めないと前には進まない」ということを感じました
10年近く使われていない空き家だったので、環境整備が大変でした。しかし、800名以上のボランティアの方が来てくださり、今のような形で活動できるようになりました。

戸塚)どのくらいの期間をかけて改修したんですか?

黍原)改修は半年ぐらいかかりました!

戸塚)やろうと決めても動けないという人は多いと思うのですが、どうしてそこまで決断力があって動けたんですか?

黍原)「馬がいてくれた」というのが理由として大きいです。あと、応援してくれる妻の存在もありました。

戸塚)拠点が見つかってから今につながっていること、未来につながっていって考えていらっしゃることはありますか?

黍原)今おかげさまで毎月約200人の子どもたちに来てもらうことができています。今は主に障がいを持っている子どもたちが多いのですが、その子たちが大人になってからも継続的に関わることができればいいなと思います。例えば、今セラピーだけでなく山の整備を一緒にやっていたり、馬の糞で作った堆肥で農作物を育てたり、仕事づくりというのもやっていきたいと思っています

あなたとって釜石とは? 

人生の伴侶と出会った地

黍原)伴侶とは妻のことであり、馬たちのことでもあります。妻が釜石出身で「やってみたらいいんじゃない」と後押しをしてくれました。馬たちも、これから僕の人生後半の素敵なパートナーになってくれていると思っています。

戸塚)まさにその通りって感じがしますね。私自身もその言葉の意味を黍原さんから、改めて教わりました。

あなたにとって人生の道しるべとは?

馬と子ども

黍原)本当に馬と子どもが人生の進むべき方向を指し示してくれました。馬はもちろん、子どもたちに地域の未来を託したいです

戸塚)改めて納得という感じがします。馬といるからこそ、感じられることだと思います。今日の取り組みの話、人生の話を締めくくって頂きありがとうございました!

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