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ジュリー・デューティ S1EP1の感想

無事にVIVANTを視聴し終えたまではいいものの、今度は週に一度のドラマ視聴という習慣が抜けないのは困り処。

「ドラマ…面白いドラマが見たい…」と久方ぶりにアマプラをお散歩。
なんと、大好きなジェームズ・マースデンが出演する連続ドラマ「ジュリー・デューティ(Juror duty)」が配信されているではないですか!

飛びつくようにして早速視聴しました。

リアリティショー、ただし一人だけ。

裁判物は、国内外問わずドラマでよく見ます。特に陪審員制度については海外ドラマが充実している印象。特に好きなものはブルですが。
ただ、一陪審員の立場から裁判の裏側(法廷の外)を見たものはなかなかなかったこともあり、面白い着眼点だな…と思っていました。
はて、どうやって撮影したんだろう、と。

主人公をのぞき、全ての登場人物が役者(仕込み)。

「陪審員制度を密着取材する」ため、カメラが回っている。ただしそう思い込んでいるのは主人公の男性・ロナルドだけ。

驚くべきは、彼を除く全ての登場人物が、完全なる仕込みの役者だということ。当然本人たちが名乗る職業も名前も、役柄でしかない。
他の陪審員候補者はもちろんのこと、廷吏、判事…全ての登場人物が役者。事件も架空のものであり、行われるのは当然模擬裁判。

ロナルドただ一人だけが「これは本当の事件であり裁判であり、自分は(集められた人々同様)陪審員候補として選ばれ密着取材に応じている」と認識している、作り上げられたリアリティショー(風のコメディドラマ)

恐ろしすぎる! 良く考え付きましたね、この設定!
なんとも壮大なドッキリです。もはやドッキリのレベルを越えている。

影をひそめる私の心のオアシス

そしてその陪審員候補(役)のうちの一人として登場するのが、愛するジェームズ・マースデン。あまりにも有名すぎるためか、本人役で登場するのがなんともまた真実味を増しています。

「役者として売れているか売れていないか微妙だけどやたら自意識が高く鼻につく役者」風情を見事に演じるジェームズ・マースデン…(本人役)
「えっこんな人だったのか…うわぁ…」と思わせるほどに達者です。

あの笑顔はどこへ

本作で彼を初めて知った人は「うわぁ…感じ悪いなこの俳優…」と思うこと間違いなし。「幸せになるための27のドレス」の新婦入場シーンでヒロインに見惚れるヒーロー役や、はたまたミュージカル「ヘアスプレー」ので全てがばっちり決まっている司会者役のジェームズと同一人物とは思えない。

誰をも魅了する、はじけるような笑顔が彼の魅力の一つだとずっと思っていましたが…こんなにも性格が悪そうな顔もできたのか。
なんという贅沢な俳優の使い方。

本人役という意味ではTver初のオリジナルドラマ「潜入捜査官 松下洸平」に通じるところもあるけれど、俳優本人への印象操作が真逆。

なんていうか…本当に感じが悪い(誉め言葉)

陪審員候補からなんとかして外れたい人々。

そんなこんなで裁判(繰り返しになりますが模擬)のために集められた陪審員候補(くどいようですが主人公ロナルド以外は全員が役者)。

肝心の事件内容に関しては全く触れられていないにもかかわらず、皆さん「私は陪審員として不適合です」と候補から外れようとします。
大企業ならさもしらず、仕事によっては生活がかかってきますものね。

気になって調べてみたところ、召喚状は免許保持者などのリストの中からランダムに選出され送付される仕組みのようです。
陪審員に選出された場合(薄給ではあるものの)日給と交通費は支給される一方、召喚状の無視は罰金刑に値するとのこと。なるほど。

多様性の時代ってこういうことか

ああでもないこうでもないと自説を述べる、実に個性的な人々。

一人一人の考え方を露骨に示していて、実に面白い。
健康面に不安のある人や「そんな理由で免除されるの?」という人、はたまた「僕は差別主義者です」と自ら公言してみる人まで。

周囲の人同様、ジェームズ・マースデン(本人役)もなんとかして免除されようともがく。「みんなにランチをおごるぜ!」とひと騒ぎして大物ぶってみたり、(本人が呼び寄せた)パパラッチを動員してみたり。
「芸能人であるがゆえに候補から外してもらおう」と画策するものの、「私はあなたを知りませんね」と判事にも一蹴され、見事に失敗。
ぶーたれた表情がまたなんとも言えない。

他にも、陪審員になることは最早どうでもよく、異性を口説いたりちょっと別次元から物を見ている人もいたりする。何のためにこの人々が集められたのか、一瞬忘れてしまいそうになるほど。

戦いの果てに

最終的に陪審員12名、補欠2名が選出され、第一話は終わりを迎える。主人公ロナルドは陪審員に、ジェームズは補欠に選出された。更にパパラッチ突入を受け、裁判が無効になることを恐れた判事の独断により、全陪審員は翌日から隔離されると突然告げられる。

選出された方々にカメラが向けられ「一言」「一単語で」と密着インタビュー風をてらうシーンがあるのだが、これまた曲者。この30秒前後のシーンを見るだけでも、個々人の性格が如実にあぶりだされているように思う。

どこまでが台本なのか

それにしても、ロナルドは「本人」として自由に思考して、自由に行動して発言しているはずで…
ロナルドが他の登場人物から影響を受けて言動が変わるのは理解できるが、彼の言動に影響を受けている登場人物も多々見受けられる。

これはどこまでが台本で、どこからが自由演技なのか。
「役柄としてなりきって演技してください、セリフなどは自由演技の一環として全てお任せします」ということなんだろうか? ある程度の流れだけは全役者が共有しているのだろうか?

陪審員が個性的なメンバーで「これはまとめるのも一苦労だな」と思う反面、肝心の事件の概要どころか片鱗にも触れていないことが気になって仕方がない…

次話に続く。

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