空腹な雨の日、金春湯の番台から

梅雨に入ったばかりの月曜日。
週末からつづく雨が降っては止み、降っては止み。


どんよりとした空模様で週明けを迎えるのはそれだけで憂鬱なのに、今日の本業のスケジュールは午後からびっしり埋まっていた。

午後は外部ミーティング、企画会議、また外部ミーティング…とスキマなく埋まっているので、細かいタスク処理は午前中のうちにある程度片付けないとシフトまでに退社できない。

これをゲームのRTA(リアルタイムアタック)だと思って取り組むのは結構好きなのだが、夢中になるあまり昼食をサラダと小さなパンで済ませてしまった。


19時、予定どおり番台に座る。
雨のせいか客足が少ない。珍しくサウナ利用がほとんどない。
忙しないオフィスから一転、銭湯にはゆっくりした時間が流れていて気持ちが落ち着く。

ひと息ついた頃、軽く済ませた昼食のツケが回ってきた。気づきたくなかったがめちゃくちゃお腹すいた。

仕事終わりに番台のシフトに入る日の夕飯はどうしても後回しになる。
23時までのシフトで、終わったらひとっ風呂浴びて終電ぎりぎりで帰る。家に着く時間はだいたい日付変わって0時半ごろだ。そこから夕飯を食べている。

つまり19時からお腹を空かせていてもあと6時間弱は耐える必要がある。
(耐えるもなにも、会社を出る前に軽く食べたらいい話なのだ)

特に今日はいつもより客足が少なめなので、ゆっくり過ぎていく。このじれったさが空腹感を増幅させる。
しかも基本的に食いしんぼうなのでこういうときはだいたい食べ物のことを考えてしまうのだった。

ふとInstagramに目をやっても、おすすめ欄は料理のレシピだらけ。
番台の正面には近所の美味しそうなカレー屋さんのリーフレットが目に入る。
そして最近気になっているガパオが絶品らしいタイ料理屋に思いを馳せる。こういうときうっかり食べログを見るのは本当にやめたほうがいい。

極めつけに、20時ごろにカップルが焼肉の匂いを漂わせてやってきた。あんまりこういうことは多くないのに、今日にかぎってだ。ああ、うらやましい。

カレー、タイ料理、焼肉、その他たくさん。
いま食べたいものはひと通り思いついた。
でもどれも夜中に食べるには重いので、この楽しみは週末にでも。

シフト終わりまであと30分、
食事にありつけるまであと2時間。

夜中だから軽めに、されど満たされる夕飯はなにかと考え続けていてもまだ答えは出ないけど、
お風呂に浸かっている間に思いつきそうな予感。


空腹の時間を長く過ごした日の夕飯は格別だ。
その時間をたのしみに、もう少しだけ番台に座るのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?