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漫画『ケーキの切れない非行少年たち』
この漫画の1巻を読んだ時には、まさか2巻目が出るとは思ってませんでした。いや、最初に言いますが面白いですよ、かなり。
前にも精神科医が主人公の漫画『リエゾン-こどものこころ診療所-』について書きましたが、
また別の角度から人ってものが知れる、そんな作品でした。
あらすじ
某県の少年院で精神医療業務を勤める医師の主人公は、問題を起こした非行少年たちにある法則があることを発見する。それは例えば「ケーキを3等分する」ことができないこと…。非行や異常行動の後ろに見える問題を明らかにする空前の新書の漫画化、ここにスタート!!!
(くらげバンチより引用)
原作を読んだことありませんが、新書を漫画にすることで、こんなにも伝わりやすくなるのかと驚かされました。非行少年たちの表情、身振り手振りが描かれることで、より切実に感じましたね。
以前、鈴木マサカズさんの『マトリズム 』という作品を取り上げましたが、前作と同様に犯罪への切り込み方が見事です。
まず1番印象的だったのは、タイトルにもなっているこのシーン。
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こんな感じで、非行少年たち1人1人にスポットを当てながらストーリーは進んでいきますが、「ケーキを3等分する」ことができないという背景には、ある共通点が見えてきます。
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そもそも少年院にも種類があると。そして本作で登場する非行少年は、知的障害またはその疑いのある者。
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この「疑いのある者」というのが、またポイントなんです。
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つまり35人のクラスだとその中の約5人は境界知能……
社会にはそれだけしんどい人や苦しい思いをしている子供達がいる可能性があるってことなんだ
こうやって具体的なデータも交えながら、少年院のリアルを、精神科医の目線を通して描かれていきます。
表現に悩んでしまいますが、ニュースで見たことあるような事件も出てくるんです。その後、少年院をきっかけに更生していく話もあれば、再犯に至ってしまう話も出てきます。
しかもプライバシーに配慮しながら、実例をもとに作られているというのだから、余計に考えさせられてしまいました。
この漫画だけに言えることではないですが、いろんな誤解を与えながら、受けながら、そんな社会の中で生きてるんだなって強く思いました。
1巻の終わりにある原作者のコラムには、こう書かれています。
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本書の目的は3つある。
1つ目は、世間にこういった少年たちの存在を知ってもらい、犯罪に至った人たちに対して憎しみ以外の観点でも見てほしいこと。
大切なことは、この社会の中で自分だけではなくて、第三者の意見をうまく聞きながら、取り入れながらが1番の平行感覚を持つというか、自分というものを客観的に見ていくことなのかもしれませんね。
この漫画にはなんとなく「あなたは誰に支えられてますか?」って聞かれた気がしました。
冒頭にも書きましたが、オススメですよ。
それではまた明日!
最後に。
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