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冒険の終わりから始まる漫画『葬送のフリーレン』
ちょっと前に誰かから聞いていて、読み始めていたらちょうど「マンガ大賞2021」に選ばれていた作品。
正直タイムリーだな、色んな人が紹介しているのでもう取り上げなくていいかって思いながらも、結局書いています。
なんとなく嫌々書いている?ように見えるかもしれませんが、それほど良い作品ということでしょうか。
あらすじ
魔王を倒した勇者一行の魔法使い・フリーレン。彼女はエルフで長生き。勇者・ヒンメルの死に何故自分がこんなにも悲しむのかわからず、人を“知る”旅に出る。僧侶・ハイターの葬送を機に、ハイターが育てていた少女・フェルンと魔法使いの二人旅へ。途中、戦士アイゼンの弟子・シュタルク、若き僧侶・ザインの二人も加わり、四人それぞれの目的をはたすべく、長い旅は続く…本格“後日譚(アフター)”ファンタジー!!
(WEBサンデーより引用)
まず最初に、この絵のタッチを見て転生系かな?と微妙に踏み出せなかったのですが、設定を聞いた瞬間にKindleでポチっておりました。
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『葬送のフリーレン』(山田鐘人/アベツカサ/小学館)1巻より引用
こんな感じで、そもそもよくあるのが主人公はパーティーでいうところのかっこいいキャラ、すなわち勇者ですが、本作は魔法使いが主人公です。
そして最大の特徴は、みんなで魔王を倒しにいく道中ではなくて、倒し終わったところから始まります。
だから、冒険の終わりなんです。
そして、魔法使いのエルフ、フリーレンの寿命は人よりも遙かに長いので、10年間の冒険も一瞬の出来事でした。
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『葬送のフリーレン』(山田鐘人/アベツカサ/小学館)1巻より引用
こんな感じで会話が全然噛み合いません。
だから、次も50年後に会うわけです。
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『葬送のフリーレン』(山田鐘人/アベツカサ/小学館)1巻より引用
このシーン、あとあとぼくの中ではすごく思い出すシーンになります。なぜなら1話目以降、この4人が生きて揃うことはないわけです。
誰もが栄光の時がある、そして誰もが歳を重ねる、それはエルフもですが。
寿命の違いがこれほどまでに悲しく描写された漫画を、ぼくは今まで見たことありませんでした。
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『葬送のフリーレン』(山田鐘人/アベツカサ/小学館)1巻より引用
フリーレンの気持ちは決してぼくにはわからないけど、長寿は幸せなのか?ということについては、以前読んだ『きみを死なせないための物語』でも感じましたが、
そうではないことの方が多い気がします。
孤独という言葉が近いのですかね。
ただ、それすらもこの漫画は、良い形で払拭してくれます。すでに終わった冒険をなぞるように、思い出を巡るようにして、フリーレンは旅をします。
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『葬送のフリーレン』(山田鐘人/アベツカサ/小学館)1巻より引用
なので、年号という表記ではなくて、勇者ヒンメルの死から◯年後という表現をするんですよね。
個人的には、過去に亡くなった人について回想しても、その物語が進んでいくにあたって生まれ変わるなんてことはなくて、どこまで努力しても、でも過去の人なんだよな、と思うことが多いです。
これを、現在進行形で生きている長寿のフリーレンが回想するのはすごく上手い描写だなと。さらに思い出も温かく、そして無限にこのフォーマット描けるじゃんって思っちゃいましたね。笑
逆にここまでの設定だと、どうやって終わるのかなって読みながら思っているところです。
今までにない設定であり、そこに優しさを感じる作品でおすすめです。
それではまた明日!
最後に。
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