言葉について考える。10 一人でないと文章は書けない
さて、今日も言葉について考えてみます。前回の記事では、言葉を書くということは一人ですることだと述べました。〈言葉を書く〉と〈一人〉であることは、どういう関係なのでしょうか。
子どもの頃、宿題を友人にやってもらって、でも何だか自分の文章ではなくてこっそり書き直して提出したという記憶はありませんか。そんなことをするのはわたしだけかもしれませんが、実は大人になってからも誰かの文章を自分のものに組み込むということが苦手です。
それは人の文章が嫌なのではなく、うまくマッチしないという理由のためです。人からもらったアドバイスを取り入れて書いたとしても、なぜかその文章だけが浮いてしまって、結局そこを指摘されたりします。
このnoteも新機能としてAIによる文章アシスト機能が付いたようですが、多分わたしはどんな状況でも使えないと思います。どれだけ読みやすく間違いのない文章になっていても、組み込むというそのこと自体が難しく感じます。
文章を書く時はリズムがあります。それは8ビート、4拍子などの共通のリズムではなく、自分の中の書くリズムです。それを大事にしなければ、自分の文章は書けません。わたしが言葉を書くことが〈一人〉である理由の一つに、このリズムという体感があります。