クラウドファンディングを開始
日付は変わってしまいましたが、6/30の11時にクラウドファンディングを始めました。本当に初動から多くのご支援者に恵まれ「自分がカレーを続ける意味」という理由がどんどん増えていくような思いです。
お店に来ていた「もしかしたらあのお客さんかな…?!」という想像をしながら書くお礼のメッセージは、なんともあのときを彷彿とさせ、懐かしみのようなものがわいてきました。
いろいろな迷いや葛藤、そもそもクラウドファンディングで資金を集めるということについても何かを考えさせられますが、まずは作るという目標を決めた以上は覚悟の上です。
確かに神保町から遠く長岡市にいくというのは、あの28年間の営業において自分さえも想像できない部分があります。続けるためには何をしてもいいのか、と問われれば確かになと思うかもしれません。
しかし、身近に起こるあらゆることが、自分にできることがあるならやれという方向に向かわせているのだと思います。
明日は久しぶりに地元のかかりつけ医に行きます。
夏風邪がしつこくこのタイミングでこれ以上の自然治癒する時間は割けないと思いました。
そこの主治医さんは自分が幼少期の頃から代々家族まるごと診てもらっているザ・街の診療所です。看板は古く建物も平屋で、今風の華美な様相が一切ありません。まるで時間が止まった孤島にあるような診療所ですが、腕は確かです。
身体的な特徴をすべて知りつくしているそこの主治医さんは、カーマのチキンカレーが大好きなので、たまに持っていったり通販でもお世話になっていました。ですが、昨年、僕と同い年の一人息子さんを亡くしました。親と同じく医者を志して総合医院と親の診療所で働いておりましたが、ある日、突然…
本当にショックを受けました。
生きていればそれこそこれから何千人という方の病気を診る名医になっていたからです。息子さんとは終ぞお会いする機会はありませんでしたが、お話を聞く限り院長さんと一緒で実直で聡明な方だと想像しています。
そこには家族、新しい命もあり残された人のことを思うととてもいられません。
そして僕は父の死を迎え、そのときに自分が本当に情けなくなりました。
人生最大の自己嫌悪です。
だから、いつ終わるかわからない人生、やがて尽きる命、その2つの出来事に真正面から向き合うことにしました。愚か者がもっと早くに気づくべきだった。
そんなエピソードこそ書いてはいませんが、今回の移転開業、ひいてはカレーの存続に大きく関係しています。できることをひたむきにやる姿勢、それが今の自分に求められていることだと思います。
人命を救うことなどはとてもできませんが、カレーを作ることはできます。
じゃあカレーを頑張りなさい。それが答えです。
明日、どんな顔で伺えばいいか、素直に息子さんのご冥福と父の感謝を伝えます。