「治療の影響などで“食べれない”」伝え方?聞き方?共通言語?
がん患者さん・ご家族の家庭の食事に役立つレシピサービス「カマエイド」を運営している門間です。カマエイドでは、「味を感じにくいとき」「便秘」「下痢」の悩みを抱えているときなど、悩み解決につながる「食事の工夫(レシピ・コラム)」を掲載しています。
今回は、手術や抗がん剤治療等の影響で“食べれない”状況となってしまった時の「伝え方・聞き方・共通言語」について書きたいと思います。
先日カマエイド内コンテンツのオンライン取材に立ち会い、医師の先生より大腸がんについていろいろと教えていただきました。そのなかで、がん患者さん・ご家族の食事の悩みについてもいろいろとお話を伺いましたが、様々な理由(気持ちの面や治療の影響)により、“食べれない”患者さんも多いとの事でした。
治療を続けていくうえで、食事(栄養)を摂ることも大事な事のひとつですので、どのように患者さんの状況を把握しているかと聞いたところ、「体重」を共通言語としているとの事でした。「体重」を共通言語にすると、数値化されていて具体的であるため聞き手(医療関係者)も理解しやすく、患者さん・ご家族にとっても馴染みのある指標でもあるため、お互いにとって意思疎通しやすいとの事です。
医療関係者目線では、抗がん剤治療ガイドラインに「嘔吐」など他の“食べれない”に関する指標もあるとの事ですが、回数はもちろん「量」もその時々で違うので、把握しているようで把握できていない部分もあるとの事でした。(下痢も同様ですね。)また、患者さん・ご家族からは「食欲がない」「下痢をしている」としっかり状況を伝えてくれる方もいるようですが、どこか感覚的な部分もあり、把握できていない部分もあるとの事でした。これらの把握できていない部分を少しでも解消し、お互いの意思疎通をよくするため、患者さん・ご家族と話すとき「体重」を共通言語として使用しているとの事です。
このような背景から、医療関係者(今回お話を伺った医師)と患者さん・ご家族の意思疎通を手助けする共通言語として「体重」が使用されているとの事ですが、体重の減少幅(減少率)としての想定範囲もガイドラインに記載があるとのことです。治療の影響で、どうしても“食べれない”状況の方もいると思いますが、“食べれない”を負担に感じている患者さんや、食べることを押し付けてしまうご家族のお話もお聞きします。毎日“食べれない”ことでお互い苦しむのではなく「体重の減少幅(減少率)も踏まえて、体重減少に対してどう備えておくか」という意思疎通となると「補完としてこの栄養補助食品を活用してみよう」などなど、患者さん・ご家族の食に対する向き合い方も変わってきそうとも感じました。(そんなことないでしょうか…^^;)
カマエイドの取材なので食・栄養に関する内容がメインでしたが、日常生活のQOLを高めていくためには、アピアランスなど様々なケアが必要であると思います。様々な課題・悩みに対し、患者さん・ご家族と医療関係者の間での共通言語が増えていき、もっと意思疎通しやすくなったり、もっと必要とされているケアが行き届いてほしいです。
※取材内容は後日カマエイド(特集>メディカルオンコロジー枠)へ掲載予定です※