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楽曲振り返り⑧|MEGALOVANIA (KaLPuxa. "HELLFLAME" Remix)



この記事は『Undertale』のネタバレを含みます。
This article contains spoilers for "Undertale."


目次



楽曲振り返り

こんにちは!かるぷぁです。

今回は
"MEGALOVANIA (KaLPuxa. "HELLFLAME" Remix)"
について振り返っていきます!

ついにこの曲を解説する日が来たか。

現在私のチャンネルで最も視聴回数の多い楽曲です。

正直こんなに伸びるとは思っていなかったです。
Undertaleの影響力の凄まじさを実感しています。

Speedcoreという万人受けはしなさそうなジャンルでありながら
ここまで動画を伸ばすことができたのは、
視聴者の皆様のご支援のおかげでございます。

視聴者の皆様に心よりお礼申し上げます。
本当にありがとうございます!

曲が長いので記事も長くなるとは思いますが、
何卒お付き合いください…!


構想

まず最初にお伝えしなければならないのですが、
この曲は2023年に既に完成していた楽曲です。

なので当時何を思って製作に取り掛かったのか、説明します。


2022年、UndertaleのBGMのリミックスにハマりました。

最初は『フィナーレ』をリミックスし、
続けて『アズゴア』、『夢と希望』の
リミックスを制作しました。

もしかしたらこれらの作品も
リメイクして皆様にお届けできるかもしれませんね。


そして2023年に入り、遂に対峙の時が訪れます。

Undertale内で屈指の知名度と人気を誇るBGM、
"MEGALOVANIA"。

これまで数々のアンテのBGMのリミックスを制作してきた身として

「やっぱりMEGALOVANIAは外せないでしょ!」

と思ってはいたものの、どんなリミックスにするかは
なかなか決まりませんでした。

というのも私の楽曲の主軸はHardcoreなのですが、
それだとかめりあ様のリミックスと傾向が被ってしまう気がして。

どうせリミックスを作るならばこれまでにない傾向
これまで見たことのない"MEGALOVANIA"の側面を押し出したくて、
どんなリミックスにするか悩んでいました。


そうして悩んでいたある日、とある楽曲と出会います。

スマホ音ゲー"Phigros"に収録された、

Normal1zer vs. Broken Nerdz - DESTRUCTION 3,2,1

そのあまりに暴力的な音圧に圧倒され、
この時から私の中でスピードコア熱が高まっていました。

そうしてふと、思いつきました。

『MEGALOVANIA × スピードコア』

「これだ!!!!!!!!!」と思いました。

もう本当にこの構想が浮かんだ時の脳汁は半端なかった。

GarageBandで設定できるBPMの最高値は240なので、
BPM150に設定して倍取りして制作を開始しました。


制作過程

①イントロ(0:00~0:38)

初手からモールス信号とノイズで怪しげなスタート。

なんてモールス信号だったかは忘れました。すみません。
なにせ作ったの1年前なので…
確かHELLFLAMEだった…かな?

ストリングスやピアノなどの生楽器を使った
Drumstep的な雰囲気に仕立て上げました。


②ドロップ(0:38~1:05)

最初からクライマックスです。

やっぱりスピードコアといえば
ストリングスのスタッカートとピチカートですよね!(???)

こだわったポイントとしてはドロップ直前と、後半のキックです。

ドロップ前のフィンガースナップとピアノポロン♪は
まじでよくやったと思ってます。
でかした、私。

後半のキックはこの速さでも聴きやすいように仕上げました。


③Handz Up(1:05~1:18)

ハーフテンポになって
Chiptuneの楽曲を使ったHandz Upに入ります。
さんばいあいすくりーむ。

この時は8-bit Legends配布前だったので、
Airy Synth Leadをそれっぽく加工しています。

YouTubeで加工の方法を見つけたので使わせていただきました。
Bitcrushをかけてジャリっとさせています。

こんな感じに適当にいじってます。

今は8-bit Legendsが配布されているので
こういった音も簡単に作れるようになりました。


④Dubstep ~ Speedcore(1:18~1:43)

Wobbleベースはサンプルを組み合わせて作りました。

その後のスピードコアはとにかく凶暴性を押し出しました。
やりたい放題やりました。


⑤Symphonic Chipstep ~ Speedcore(1:43~2:09)

ハーフテンポに落ちてイントロと同じ
Drumstep的展開にしました。

ここのスピードコアは一言でいうと『工事現場』です。

一回こういうのやってみたかった。
というかDESTRUCTION 3,2,1に影響を受けすぎている。

この硬いキックはUnwelcome School Remixでも
使用したキックです。


⑥ブレイク(2:09~2:35)

やっとのことで落ち着きます。

後半の音がこもるパートでは
メインはMEGALOVANIAのまま、
ベースでBonetrousleを組み合わせています。

製作を開始した段階で
「中盤にBonetrousleを入れる」という展開は
思いついていたので、
この先の展開にスムーズに繋げられるようにしてみました。


事件発生

1つのプロジェクトで曲を作り続けていると
どんどん動作が重くなっていっちゃう
ので、

私はある程度まで制作が進んだら
その時点でプロジェクトを複製して、
複製したプロジェクトの前半を削除して続きを作り、
完成次第元のプロジェクトと合体させる

という手法を使っています。

例えばこんな感じです
↓↓↓

A、B、C、D、Eの5つのパートからなる曲
→Cを作り終えた段階で動作が重くなってきた
→プロジェクトを複製
→複製したプロジェクトのA、Bパートを削除
→ある程度軽くなった状態でD、Eパートを制作
→完成したら複製元のプロジェクトにドッキング
→曲が完成

今回はこのブレイクの辺りで動作が重くなっちゃったので、
複製してその先を作りました。

しかし、
複製したプロジェクトのデータをコピーして
複製元にペーストした際、
一部のサンプルのデータが正常に読み込まれませんでした。

そこで気づけば良かったのですが、
気づかずにプロジェクトを閉じてしまいました。

そして再度開こうとした際、

データが破損している(見つからない)ため
プロジェクトが開けません
(意訳)

との表示。

もうほんっっっとうに冷や汗が止まらなかった。

え?
ここまで作ってきた努力が一瞬で水の泡に?
もう2分半は作ってきたんやぞ?はぁ?

しばし茫然自失。

しかし
「でもせっかく作ってきたんだし…ここで諦める訳にはいかない!」
と思ったかるぷぁさん。

1から作り直すことを決意しました。
そしてせっかくならパワーアップさせてやると決意。

復元作業自体はスムーズに進んだものの、
「なんでこんなことになってんだ…」という
自責の念が凄かったです。

もしこの時ブルアカを知っていたら
恐らくずっと『ばにたす』って口ずさんでた。虚しい。

ということでなんとか復元作業も完了し、
続きの制作に取り掛かりました。


⑦パピルステクノ(2:35~3:26)

Bonetrousleはどうアレンジしようかと考えた結果、
素直にテクノにしようと決定。

前後の緩急をつけるために
パピルステクノは比較的大人しめに。
というかそもそもテクノは大人しいジャンルだと思ってます。

メロディーには細かい音符を入れて、
原曲のような動きを付けてみました。


⑧間奏(3:26~4:20)

クライマックスに向けての長い溜めです。
もしくはトイレ休憩

ここは「とにかくシンプルに」をコンセプトに作りました。

後半のドラムンベースパートでは
Bitcrushをかけたブレイクビーツがいい仕事してます。
というかまぁここ以外にもいるんだけど。

…あと実際に文字に起こして気づきましたが
間奏1分近くあったんですね。
思っていたより長かったです。


⑨ラストドロップ(4:20~5:02)

いよいよラストスパートです。
とりあえず転調しとけばエm(以下略)

とにかくやれるだけ凶暴性を押し出しました。

ちょっとメロディーを勝手に変えてみたりもしています。

こんなにキックを詰めたのは初めてかもしれないです。おそろしあ。

実はこれでも詰め足りないとか思ってます。おそろしあ。


⑩アウトロ(5:02~)&曲名

シンフォニック的楽器で綺麗な締めに。
(とはいえノイズとか鳴ってますけど)

曲名も変に捻らずに、HELLFLAME。
後付けですがこの曲にピッタリなタイトルだと思ってます。


動画のおはなし

小ネタ的な

恐らくこの動画をご覧になった方の99%は
お気づきになられていることだと思いますが、
動画内にちょくちょくUndertale、またサンズ戦にまつわる
文言が現れます。
↓↓↓

  • 2:34

Do you wanna have a bad time?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…おまえ サイアクな めに あわされたいか?」
サンズ戦前のセリフです。

  • 2:59

[Deleted]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここはパピルステクノなので、そういうことです。

  • 3:52

Determination.(ジャンル名)

  • 4:49

One monster left. 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これを思っているのはサンズか、はたまた主人公か。
みたいな想像を膨らませて入れてみました。

  • 4:52

It's a beautiful day outside.
Birds are singing, flowers are blooming…
On days like these, kids like you…
Should be burning in hell.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
サンズの例のセリフです。
曲名のHELLFLAMEもこれが由来です。

  • 5:15

The GENOCIDE has completed without any troubles.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
視聴者へ向けたメッセージです。


[ ]で囲まれたジャンル

[ ]で囲まれた言葉は曲のジャンルではなく、
音楽で用いられる標語を使っています。

この曲はサンズの視点で描いた楽曲なので、
最後の聖戦でサンズは何を思っていたのかを想像して
チョイスしました。

・[Overture]:序曲
[Intermezzo]:間奏曲
[maestoso]:荘厳に
[con dolore]:嘆き悲しんで
・[Finale]:終曲

Overture→Intermezzo→Finaleで
オーケストラの公演を聴いているかのように演出しました。

もちろん音楽の知識なんて皆無なので音楽の教科書に頼りました。


1つの『物語』を1曲に

5分近くの楽曲の中にストーリーを込めて、制作しました。

ただ凶暴なだけの曲ではなく、
ハーフテンポに落としたり、他の原曲を挿入したりと
最後まで飽きさせない展開を意識し、

Undertaleの物語を視聴者の皆様に想起させるような、
ストーリーに寄り添った楽曲にしてみました。

がんばりました。ほめてください ほめて

最初にも書いた通り
スピードコアは万人受けしないジャンルだとは思いますが、
少しでも楽しんで頂けたら幸いです!

また重ねて、
これまで動画を視聴してくださった視聴者の皆様に
心からお礼申し上げます。

本当にありがとうございました!!!


次回の楽曲振り返りでは
"After School Dessert (KaLPuxa. "CORE" Remix)"
について語っていきます!

…ってかこれもわりかし凶暴な曲じゃねえか。

それではまたお会いしましょう!


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