例えば次のような経験をお持ちの方へ
英語コミュニケーションの場面。おしゃべり、仕事の会議、大学の授業かもしれません。
言いたいこと、相手に伝えたいことはたくさんある。
けれども、英語でどのように表現すればよいか、わからない。
出だしの言葉がどうしても浮かばず、フリーズしてしまう。
気まずい沈黙。
欧米人は日本より沈黙を嫌うって、誰か言ってたな・・・
とりあえずYou knowって言っておこう。
その間に、きっと言葉が浮かんでくる・・・はずがない。やばい。汗をかいてきた。
しゃべりたい。書きたい。伝えたい。思考と思いが、ものすごい勢いで空回りする。
今日もまた、何も言えなかった。
どうしてだろう?どうして何も言えないんだ?英語の勉強はしてきたのに。
くやしい。いらだちと情けなさで怒りが込み上げる。
ずっと勉強しているはずなのに、いつまでたってもできる気がしない。
どうしてでしょう?
コミュニケーション能力がないからでしょうか?
いいえ。たいていの方の問題は、そこではありません。
問題は、もちろん、語学力です。
読む技術、(ヘッドフォンをかけて目をつぶって)聴きとる技術があっても、自分が伝えたいことを外国語に置き換え、それを表現する技術がないのです。
ではなぜ表現する技術が身に付かないのか?
その答えもはっきりしています。
表現のための訓練を、していないからです。
英文を読むだけ、聴くだけでは、表現する技術は決して身に付きません。
優れた音楽家の演奏を聴くだけでは、優れた楽器奏者にはなれないのです。
ホロビッツの演奏を聴くだけで、シューマンを弾けるようにはなれません。
ビルエバンスにうっとりするだけで、ジャズピアノの達人にはなれません。
チャーリー・パーカーに興奮しても、モダンジャズに革命を起こせはしないのです。
(すみません。ちょっと興奮しました。)
言葉を認知し、理解する能力と、それを運用して自分の意見を表現する能力は、質的に違います。
表現力を身に付けるには、そのための訓練が必要なのです。
そんなこと言っても、じゃあどうすればよいのか?表現せよと言われても、何も出てこないんだから表現しようがないじゃないか。結局、最初のフリーズに戻ってしまう。
これから、その方法論や勉強方法について、お話をしていきたいと思います。
オーキッド外語学院代表。株式会社オデッセイ・グローバル代表取締役社長。トフルゼミナール、アテネフランセ等で教鞭をとる。高校生、大学受験生、社会人を対象に大学入試対策、TOEIC対策を担当。テキスト執筆、ビジネス翻訳も手がける。https://orchid-gaigo.com