結婚当夜
初夜というエロスな響きではなく
前夜はもう終わってしまい
当日の始まりを迎えた頃に書き始めたので
そんなタイトルにしてみました。
明日、正確には本日、入籍します。
結婚式はまだだいぶ先ですが、取り急ぎ籍をということで。
26年親しんだ日本の一大勢力とも言うべきこの苗字を捨てて、また新しい私になる。
ただ、今の私には新しい私を迎え入れることよりも、今までの私を懐かしみ、愛おしく思うということに忙しい。
実家の天井を見ながら、この家に引っ越してきた4歳の頃
買ってもらった赤いランドセルを背負って、薫風の中お母さんと写真を撮った家の前
3年生のころ、お父さんとふたりで行ったプラネタリウム、そこで食べたミートソースのスパゲティー
汗も涙もすべてをかけた中学の部活動、一段と高く上がった水飛沫
何もかも中途半端だった高校、自由の意味を知り苦悩
飲むことと遊ぶことに全てを捧げたモラトリアム
毎日泣きながら遅くに帰ってくる社会人2年目の私を迎えてくれたあったかいご飯
どれも私だし、これからも私だ、と言い聞かせるほかない
悲しいことでないはずなのに涙が出てくるのはなぜだろうか。
新しい私を迎え入れる前に、きっと必要な儀式なんだと思う。
明日からもどうぞよろしく。
普段と変わりなく。
一つ後悔をしていることは、入籍と挙式を別の日取りにしたことでこの気持ちを9ヶ月後にまた味わうことになるんだってこと。