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私の人生を変えた作品 #1│fhána-わたしの調律に必要不可欠なハーモニクス-

こんにちは。Amelie(アメリー)です。

わたしがnoteを始めた理由の一つでもある、「私の人生を変えた作品」シリーズを始めたいと思います。

このシリーズでは、わたしの人生の中で気づきを与えてくれた作品、大きな影響を与えてくれた作品、わたしという人間の核を構成する要素になっている作品について、紹介していきます。

最初に紹介する作品は決めていて、どういう内容にしようかなぁと、ずっと頭の中で考えていました。

最初に紹介する作品は、アーティストの『fhána(ファナ)』さんです。



わたしが思う、fhánaとは


『fhána』は、わたしにとって、この世界から隔離してくれるシェルターのような存在であり、この世界との架け橋にもなってくれる存在。

空気や水のように、わたしには無くてはならない存在。

あの日、『fhána』という箱庭を見つけた瞬間から、今も、昔も、これからも、わたしの調律に必要不可欠なハーモニクス。

『fhána』の音楽は、わたしを純粋な存在に戻してくれる。

『fhána』の音楽を構成する要素のすべて、
佐藤さんが紡ぐ音も、wagaさんが鳴らす音も、kevinさんが奏でる音も、towanaさんの透き通った声も、林さんが綴る歌詞も、すべてが心地良い。

『fhána』の音楽は、この世界に確かに存在しているけど、この世界から独立しているような、同じ時間軸にあるようで、連続した時間軸の先に存在しているような不思議な存在感で、正しくそれは「箱庭」なんです。

ひと目、ひと聴きすると、『fhána』の音楽の特異性を感じ取れるかと思います。

メンバー
towana(トワナ)

ボーカル、鍵盤ハーモニカ

佐藤純一(さとう じゅんいち)
サウンドプロデュースキーボードコーラスボーカルギター

kevin mitsunaga(ケビン ミツナガ)
サウンドプロデュース、サンプラー鉄琴シンセサイザーマニピュレーターラップ

元メンバー
yuxuki waga(ユウキ ワガ)
サウンドプロデュース、ギター

https://ja.wikipedia.org/wiki/Fh%C3%A1na

fhánaとの出会い


わたしが、本格的に『fhána』の音楽に触れたのは、2017年でした。
その少し前から、タイアップ作品などで、fhána の曲は耳にしていたのですが、「ムーンリバー」という作品で、一気に fhána の世界観に引き込まれることになりました。

「ムーンリバー」は、森見登美彦さんの小説『有頂天家族』が原作になっているアニメ『有頂天家族2』のEDに起用されており、脱退されたメンバーのwagaさんが作曲した曲です。


「ムーンリバー」という曲に流れる雰囲気、組み込まれている要素が、どれも、わたしの感覚に的確にピンを打つ。

わたしは「たゆたう」という日本語が好きなのですが、歌詞に「たゆたう」という言葉が入っているのも惹かれたポイントの一つです。

MVもぜひ、観ていただきたいです。
「ムーンリバー」という曲の世界観がよく表れています。

弁天様を思う矢三郎の気持ち、2期のお話の要素、1期ED曲の「ケセラセラ」とリンクする要素が散りばめられています。

色味、構図、構成。本当に秀逸ですよね。
切り取られた映像、各カットの目線の高さ、シーンの移り変わり。

小説やアニメの内容を知らなくても、想像力が搔き立てられる映像だと思います。

誰が、どこから、どの位置で、どういう想いで眺めているのか。
ただ彷徨うように歩いているのか、誰かを探しているのか。
見慣れた街並みを歩いているだけなのか。
どこかへ旅立とうとしているのか。


「ムーンリバー」をきっかけに、fhánaが、わたしの人生に新たな感性と彩りを与えてくれました。

あの日、わたしの世界に、fhánaの世界へとつながる扉ができました。


fhánaに惹かれる理由


わたしが『fhána』に惹かれる理由、
わたしが思う『fhána』の魅力について、書いていきます。

①楽曲

fhána の曲は、佐藤さんが作曲した曲が多いのですが、わたしの中で、佐藤さんの曲は、佐藤さんというジャンルになっています。

もう、佐藤さんでしかない。

もちろん、どの曲も同じという意味ではなくて、毎回、色々な要素や新しい要素があって、それぞれの曲で表現されているものが違います。

ただ、佐藤さんの曲は圧倒的なまでに、ジャンル=佐藤さん、なんです。
借り物感がない。あぁ、佐藤さんだってなる。

fhánaの曲を聴いていくと、分かると思います。
佐藤さんは楽曲提供もしています。

佐藤さんというジャンルが確立していてブレないからこそ、佐藤さんの曲と並んだ時に、wagaさんやkevinさんの曲の良さが際立つんだと。

fhánaの曲はクレジットを見なくても、これは佐藤さん、wagaさん、kevinさんだと大体分かります。

kevinさんが作曲した曲は、音の粒が丸くて、コロンとした可愛らしい曲が多い印象です。最新EPの「Turing」は、kevinさんの曲です。「Appl(E)ication」、「Forest Map」、「reaching for the cities」も、kevinさんらしさを感じる曲です。

fhánaの曲は、シングルカットされている曲はもちろん、アルバムの曲も魅力的な曲がたくさんあります。どのアルバムも好きですが、2nd Albumは、一番聴きこんだアルバムです。

1stも、3rdも、4thも、どれも好きなんですが。
2nd Albumを聴いたタイミングが、その楽曲たちが、そのときの自分に一番合っていたからだと思います。

この記事を書くにあたり、どの曲を紹介しようかなぁと悩みましたが、fhánaを象徴する曲や好きな曲を紹介していこうと思います。

まずは、こちらの5曲。
fhánaの中でも、特に好きな曲です。


・Cipher.
Cipher.は初期に制作された曲で、これぞ、fhánaという曲です。

澄んだ世界。fhánaという箱庭。
ぜひ、歌詞を見ながら、MVを見てほしいです。

そう哲学はもう消える


・僕を見つけて
この曲は、すべての尊き魂へのレクイエム。
佐藤さんの愛猫へのレクイエムでもあります。

ブルーアワーの中で撮影されたMVは、空へと旅立った魂を偲び、静かに祈りを捧げる、人の本質的な願いを感じます。

ラストの転調してからの静と動の対比が、大切なものを失ったときの感情を、中と外で見えるものの違いを、静かに流れ抜け落ちていくもの、激しく渦巻きすべてを押し流していくものを表しているようで。

わたしの感覚に深く刺さっているピンの一つです。
疲れたときに、もう少し頑張ろうと思わせてくれる曲でもありますね。


・What a Wonderful World Line

この曲はわたしの中では思考が開けて、世界と繋がれる曲。
朝に聴きたくなるアップテンポで爽やかな曲です。

佐藤さんがアルバムについてのインタビューで、アルバムのコンセプトや、WWWLを制作した経緯について話していましたね。

わたしは先に曲を聴いてから、インタビューを読んだのですが、WWWLは、わたしに大きな影響を与えてくれた一曲でもあります。

この世界や現実と向き合ってきて、虚無感を感じるほどに頑張ってきたけど、報われることもなくて、もういいやって諦めようとしたけど、それでも希望を伝えたいと思ってしまう。

この世界が存在することに意味なんて無いからこそ、
誰でもこの世界に意味を持たせることができるのだと。


・Outside of Melancholy〜憂鬱の向こう側〜

1st Albumの中で、一番好きな曲です。
どこか懐かしさを感じる、タイムカプセルを掘りおこすような、小さい頃の思い出を見つけたような、嬉しさが込み上げてくる曲です。

明るい曲調の曲ですが、タイトルにもあるように、世界には裏と表がある。
憂鬱を感じている世界の裏側へ。こちら側からあちら側へ。
憂鬱な世界から抜け出して、君に会いに行こうと。

この世界には希望があるんだよ。
一人の世界に閉じこもっていないで、
一歩、踏み出してみよう。

そう感じさせてくれた曲です。


・光舞う冬の日に
こちらも初期の曲で公開された当時は、VocaloidのIAの歌声でした。

「光舞う冬の日」は、ライブで聴いていて好きな曲だったので、最新EPでtowanaさんの歌でリリースされて、とても嬉しかったです。

ベストアルバム「STORIES」には、ライブバージョンが収録されています。
サビの振り付けをするtowanaさんが可愛いんですよね。



あと、個人的に好きなポイントを紹介させていただきます。

fhánaのメンバーには、ベーシストはいないのですが、わぁ~たまらないっていうようなベースラインやフレーズの曲があったり、この曲の良さはこのベースがあってこそだよねという、何とも変態的な要素もあるとこも魅力のひとつ。

ベースラインやフレーズが好きな楽曲だと、
1st Albumの「Paradise Chronicle」、2nd Albumの「Critique & Curation」、シングル曲の「虹を編めたら」や「わたしのための物語~My Uncompleted Story~」とか。他にも。


fhánaの曲はスタジオミュージシャンの方以外にも、他のバンドのベーシストの方が弾いてたりします。

「Critique & Curation」はクラムボンのミトさんが、
「光舞う冬の日」は、andropの前田恭介さんが弾いています。

fhánaの世界観や、佐藤さんの感性や考えていることを知りたくなったら、ぜひ、インタビューを読んでみてください。

こういうことを考えて、こういう思いが込められて制作されているのだと、さらに理解を深めていくことができます。

インストアイベントにも参加したことがありますが、インタビューのように第三者を介さずに、佐藤さんの口から、佐藤さんの言葉で楽曲についてのお話を聞けたのはとても貴重な経験で、大切な思い出になっています。

その際にやっぱり、佐藤さんが制作された作品は、ジャンル=佐藤さんだと改めて思いました。



②歌詞

fhánaの歌詞は、作詞家の林英樹さんが作詞しています。fhánaの世界観を作り上げているのは、林さんの歌詞による要素も大きく、オリジナル作品でもタイアップ作品でも、どれもfhánaらしさを感じます。

一部の楽曲は、vocalのtowanaさんが作詞していて、towanaさんが作詞した歌詞も、towanaさんならではの魅力が詰まっています。
towanaさんの歌詞の魅力は、次の項目で書いていきます。

fhánaの歌詞は、佐藤さんと林さんが連携しながら、制作されているとのことですが、お二人の感覚や感性が織りなす物語は、この世界の真理というか、どこまでも本質を追い求め、突き詰めていく人の性(さが)や意志の強さを感じます。

林さんの綴る歌詞は形が無くて、この目で捉えることができない理想郷のような世界を写し取っているような、切り取っているような、そんな感覚がします。

この世界とリンクさせるために、この世界の人々に理解される形式に落とし込んでいるようにも感じます。

メンバーと林さんが作り上げてきたfhánaの楽曲は、この世界の概念や理から解放してくれる。まさに、Relief。

fhánaの歌詞には、常に希望が宿っています。

悲しみ、苦しみ、孤独、寂しさ。
不条理な世界に打ちひしがれ、無常感を感じても、
この世界で生きていくことを諦めていない。

自分自身を、自分の世界を信じ続けている。
一貫した思想や理想を感じます。

どこか現実味がないストーリーのようで、現実とリンクしている。
歌詞に描かれている登場人物の心情や情景、どういう世界を生きている人なのか、ストーリーを頭の中で明確に映像化できるんです。

現実から思考を切り離して、fhánaの世界に引き込んでくれる導入剤のような役割でもあり、思念体となって、思考や感覚を活性化させてくれる。

感性や感覚を刺激する言葉や表現や、それぞれの楽曲で描かれるストーリーが、とかくわたしを刺激し、fhánaの世界へと誘う。

悲しいことがたくさん起こるこの世界。
fhánaの歌詞に、世界観に救われる人がたくさんいると思っています。


③歌

永遠の罠と書いて、エターナルトラップこと、
fhánaのヴォーカル、towanaさん。

この自己紹介のセリフは、鷲崎健さんのラジオ「ヨルナイト×ヨルナイト」で、鷲崎さんが考案したものなのですが、towanaさんの魅力に嵌まったら、もう抜け出せません。

towanaさんと目が合ったら最後。覚悟しておいてください。
もうエターナルトラップからは抜け出すことは不可能です。

ヨルナイトでtowanaさんを見て、エターナルトラップに嵌まり、towanaさんの魅力に囚われてしまった方も多いのではないでしょうか。

towanaさんは、fhánaの世界観を伝える表現者であり、ヒーラー。
孤高のヴォーカリスト。

表面的に感じ取れる魅力だけでなく、目には見えない部分の魅力もとても大きいんです。towanaさんには、一言では表せない複合的な魅力があります。


towanaさんの歌声は、傷ついた心と精神を癒してくれる。
fhánaの曲を歌うtowanaさんの歌声は、この世界から隔離してくれるベールのようで、傷ついた心や精神をやさしく包み込んでくれるようで。

fhánaの曲が薬となり、fhánaという箱庭に滞在しているうちに、自然と傷が癒されるような、そんな不思議な感覚があります。

「ユーレカ」で、towanaさんが初めて作詞をしているのですが、歌詞を読んで、やはり感性や感覚が鋭い方だなと再認識しました。

「Pathos」で、「季節がコートを脱ぎ捨てた」と、季節の移り変わりを表現するところがたまりませんね。新型コロナウイルスの流行で、変わってしまった社会、揺れ動く感情、移り変わる季節。
この時ならではの感情や感性が詰まっている曲です。


towanaさんが作詞した歌詞の魅力をもう一つ紹介します。
「where you are」は、towanaさんの人としての深い魅力が、特に色濃く出ている作品だと思っています。愁いを帯びた感情の表現がとにかく鋭くて。

「where you are」を初めてライブで聴いたとき、towanaさんの表情や声音とか、五感に刺さりすぎて、胸が痛くて、思わず、涙してしまいました。

「where you are」のベースも好きなんですよね。

そして、towanaさんと言えばダンス。踊っているtowanaさんも可愛い。
振り付けは、towanaさん考案。衣装もご自身でデザインされていて、とても似合っていて素敵です。


「愛のシュプリーム!」では、kevinさんも歌っていますが、kevinさんはラップ担当で「Unplugged」など、他の楽曲でも歌っています。

他にも、サンプラーで色々な音を出したり、木琴を奏でたり。ライブでは、ラップやダンスで盛り上げてくれたり。初めてライブに行く方でノリが分からないよって方は、kevinさんを見て真似したら大丈夫です。

towanaさんは、ソロ活動もされています。
ソロでは、fhánaの時は違った魅力があります。


towanaさんのカバー曲も魅力が詰まっているので、こちらもぜひ。
今後も、towanaさんのカバー曲を聴きたいです。

ヨルナイトでは、椎名林檎さんの「丸の内サディスティック」を歌っていらっしゃいましたが、これもまた素敵で。towanaさんと言えば、透き通ったハイトーンが特徴的ですが、中音域も心地良いんですよね。

恒例のコードをくるくるするtowanaさん。
「そばかす」は、ヨルナイトでも好評でしたよね。



④+α


楽曲・歌詞・歌と、インターネットで得られる情報以外にも紹介したいなと思いまして。+αとして、ライブグッズを少し紹介させていただきます。

fhánaのライブグッズと言えば、やっぱり、漫画マフラータオルです。
下の写真は2018年と2019年の漫画マフラータオルと、World AtrasツアーのTシャツです。

わたしは肌が弱くて、ライブTシャツは生地が固かったり、タグがチクチクしたりして肌が荒れたりすることもあるのですが、World AtrasツアーのTシャツは、生地が柔らかくて着心地が良くて、プライベートでもよく着ていましたね。


すっかり定番となったフラッグや缶バッチも、毎回、購入してしまいます。

次回のライブは、2024/03/12(火)に渋谷CLUB QUATTROで、
「Sound of Scene #02 curated by fhána」というタイトルで、
『culenasm(クレナズム)』さんと、2マンライブが開催されます。

ご興味が湧いた方がいらっしゃいましたら、ぜひ、ライブに足を運んでみてください。fhánaの世界観を生で堪能してください。

わたしも体調が落ち着いたら、また、fhánaのライブを観に行きたいですね。



あとがき


今日は、「私の人生を変えた作品」シリーズの第一回目をお送りしました。

まだ、fhánaのことを知らない方へ、fhánaの魅力が少しでも伝わっていると良いなぁと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございます。
またお会いしましょう。


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