エーテル
「ねぇ 先生 エーテルって翼みたいだね」
化学も 物理も 哲学も 音楽も ITも
エーテルがあるんだね
医者も分からないんだから
自分で何とかするしかないよね
医者は何かおかしい
でも 何でかが分からないと言う
私を普通に合わせようとする
私を平均におさめようとする
でも それだと この身体は上手く動かない
「何でこの数値で、何ともないの?」
「何でこの数値で、こっちは普通なの?」
「何でこっちはむしろ低いの?」
「何で平気なの?」
さぁね 私も分からない
お医者さんが 何で私に聞くの?
医者にも分からないんだから治しようがない
治す必要はないのかな
どちらか選ぶしかない
というか 私の場合
選べないじゃん
だから 身体が動けばいい
ちゃんと 動くようにしてよ
誰にも 何にも期待していない
救われたいとも思ったことない
薬?
ちゃんと 飲んでますよ
(飲むわけないじゃん)
必要なものだけ
必要なものだけでいい
動かなくなったときに
身体を動かすために
(見つからなければいいと思ってたけど)
もういいか
自分という存在の証を捨てて 普通になるか
自分という存在の証を抱えて 生きるか
長く生きたいなら 薬を飲めばいい
辛くて苦しいなら 薬を飲んでいい
でも 私は飲まないよ
自分で調整して調律する
エーテルで流転し 回り出す世界
何事も 最初が大変
でも パーツが揃えば 錆が落ちれば
歯車がはまって 回り出せば
あとは あっという間に回っていく
それが エーテル
やっときたね
やっぱり 2じゃなくて
3だったね
だから エーテル