ソフトマターと人の世の共通点 ~ 混沌の中の可能性と秩序 ~
こんにちは。Amelie(アメリー)です。
今回は、「ソフトマターと人の世の共通点 ~ 混沌の中の可能性と秩序 ~」について書いていきます。
同日深夜に、「マヤ暦占いから得る人生のヒント」という記事を更新しておりますが、占いの後に化学の話をする、この振れ幅の大きさも私の特長の1つかなと思っています。
私は学生時代にソフトマターについて研究していました。この記事を書くにあたり、研究室時代を振り返ってみましたが、色々と懐かしかったですね。特に、液晶化合物の研究は楽しかったです。
研究室生活で論文を沢山読んでいましたが、中でもド・ジャン教授の論文が好きで、よく読んでいましたね。ド・ジャン教授が執筆する論文を読むのが楽しくて楽しくて、めちゃくちゃ敬愛していました。
ソフトマターとは
ソフトマター(soft matter)とは、液晶や高分子、ゲル、コロイドや界面活性剤といった柔らかい物質の総称で、固体でも液体でもない、もしくはその中間に位置するような特性を持ちます。ソフトマターには、以下のような物質が含まれます。
ソフトマターは、外部からの刺激(温度、圧力、電場、磁場など)に対して敏感に応答しやすく、その応答性を利用して様々な技術が開発されており、日常生活や工業製品にも広く応用されています。
ソフトマターの魅力
私は、「ソフトマターの曖昧さを含むが故の面白さ」が好きでした。
例えば、高分子の場合、重合反応したすべての分子が同じ構造をしているわけではありません。
重合反応が進みすぎて、アルキル鎖が通常よりも長くなってしまったものや、逆に重合反応があまり進まずに、アルキル鎖が通常よりも短くなってしまったものも含まれます。
温度や電場などの外部刺激に敏感に反応する分子もあれば、反応が鈍い分子もいます。
色々な特徴を持った分子が存在する点が、
何か、人に似てるなぁって思いました。
背が高い人や低い人、運動神経が良い人や鈍い人など。人も、それぞれが様々な特徴を持っていますが、人と総称されます。
ソフトマターの研究は、その複雑な物質の構造と動的挙動を理解するため、理論と実験の両面から進めていきます。分子は個々に特徴の差があり、また理路整然と整列しているわけでもない。
ソフトマターの研究では、混沌の中の可能性と秩序を探していくのですが、それって、今の時代を生きる人の世や、この混沌とした世界の進む方向性を模索することに似ているなぁと思いました。
人の世の混沌の中の可能性と秩序
最近は、時代の変化点が増え、変化しているスピード感が先の時代よりも増しているなと感じています。
集団をコントロールするためには、基準や規格が必要で、基準や規格を定めるために集合分布を見て、より多くの人をコントロールできる数値やルールを標準として定めていきます。
そうすると、標準からはみ出る個体もあって当然ですよね。また、各分野やコミュニティで標準が異なるので、Aという分野では標準だけど、Bという分野では標準から外れてしまう。
ソフトマターのように、人の世もさまざまな特徴を持った人がいるし、さまざまな特徴を持った人がいていい。さまざまな特徴を持った人が存在するのが社会であり、人の世だと。
人の世も、曖昧さを認識し、曖昧さを理解して、曖昧さを認めて、曖昧さを含んだ状態のままで、お互いに可能性と秩序を模索して、共存していけたらいいのになぁと思います。
あとがき
今回は、「ソフトマターと人の世の共通点 ~ 混沌の中の可能性と秩序 ~」について書いてみました。
冒頭でも書いておりますが、ソフトマターの中でも、液晶化合物の研究は楽しかったです。
液晶化合物は、固体と液体の間に液晶状態という固体と液体の両方の性質を持った状態が存在します。当時は、偏光顕微鏡で合成した液晶化合物を観察するのが好きでしたね。
キラキラしていて綺麗で。
偏光顕微鏡で徐々に加熱していって、固体から溶け出して液晶状態になり、その模様を観察していく。やがて、化合物の融点を超え、ずろろ~っと溶けて液晶状態から液体になり、フレームアウトしていく瞬間がたまりません。
今回のサムネ画像の背景は、当時、偏光顕微鏡で見ていた映像を思い出して、AI画像生成で作成してみました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も良い一日をお過ごしくださいませ。