逆毛

分かりやすい方が　受ける

分かりやすい方が　売れる

「ねぇ　それ　面白い？？」

「ねぇ　それ　楽しい？？」

そうね　分かりやすい方が　届きやすい

分かりやすい方が　届くでしょう

資本主義社会ってそういうところ　そういう場所

「ねぇ　それ　本当に面白い？」

「ねぇ　それ　本当に楽しい？」

面白くなくても　楽しくなくても

ただ　消費できるものが欲しいんだ
ただ　紛らわせるものが欲しいんだ

きっと　それでいいのでしょう　それで問題ないのでしょう

こっちはもう　飽きてるのにね
それが求められる　それを欲しがる

何が面白いとか　何が楽しいとか
そんなの求められていない

資本主義社会ってそういうところ　そういう場所

だから　逆立つ毛をたしなめて　遊ぶ

この世界で　遊ぶ

それも　また　一興

分かりそうで　分からない範囲で遊ぶ

気づいた人がクスっと微笑える程度の隠し味を仕込む

でも　それにも　飽きたらどうする？

また　ど真ん中をやる？

振り切ってみる？

突き抜けてみる？

全部　飽きちゃったら　どうしようか

いっそ　私も　そっちに回ってみるか

いっそ　知ってしまえ

喰らってみろ

召しませ　残響

召しませ　彷徨

そこは　転変の地ぞ

彼の地は　かくも儚い