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ライトを一つだけ使ってバラバラに撮影してみるとライティングの意味が少しだけ見えてくる。
仕事で同じお客さんから商品撮影などを受けていると、どうしても似たような照明のセッティングの単調な撮影になってしまいます。
場数を踏むのにはいいんですが、やはり飽きてくるし、たまには視点を変えないと撮影の腕も上がらないと思い、試してみたい撮り方を自分のブログに時々上げることにしています。
今日は過去にあげた記事の中から、自分でもやってみて良かったな、意外と楽しめたな、と思うものを紹介してみます。
真っ暗な中でLEDライトや懐中電灯一本使って撮影する。
![](https://assets.st-note.com/img/1699506690255-Vb8vDYbWZG.jpg?width=1200)
ライト1本と言っても、ただ1灯だけで照らして、それを撮影するというわけではないです。
今回はワイングラスを黒っぽい背景で撮ろうと思っていますが。これを普通に商品撮影として撮る時は少なくともライトを3つ以上使ってライティングすることになります。
照明の当て方のポイントはこんな感じです…。
1.グラス全体を照らす、メインのライト
2.背景やワインの色を出すためのライト
3.グラスのエッジを光らせて、クリスタル感やグラスの硬い感じを出すライト
部屋を真っ暗にして、1本のライトを使って、この1.2.3.のライティングで別々に撮っていきます。(このときは部屋には環境光が漏れていて真っ暗ではなかったんですが絞り込んで影響が出ないようにしてます。)
必ず三脚を使いシャッタースピードは3秒前後にします。ライトはシャッターが開いている間にグラスに塗り絵するような感じで動かして構いません。セルフタイマーかレリーズを使うと、やりやすいです。
3カットから4カットほど黒バックの個別の写真が出来ました。
![](https://assets.st-note.com/img/1699506892964-QlPHMBAG56.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1699506937001-xu2bYdEeaS.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1699507131210-4QKhX4718l.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1699507279020-ANwc65TZSP.jpg?width=1200)
PhotoshopまたはGIMP(無料ソフト)で比較(明)合成して出来上がり
個別に撮った複数の写真をPhotoshopで開き、各レイヤーを通常から比較(明)に変更します。
すると個別の写真が1枚の写真にまとまって見えるようになります。細かい説明を省けばこれで完成です。
Photoshopはサブスクの有料ソフトなのでちょっと手が出しにくいですが、フリーソフトのGIMP(無料)を使っても同じことが出来るようです(ネット検索したらこの機能を使ってる方がいました)。
![](https://assets.st-note.com/img/1699507509710-KkR2ih17ZK.jpg?width=1200)
複数のライトを使って撮るのも、個別に撮って合成するのも本質的には同じことだと思います。
前段の説明で、なかなかのくどい記事になってしまいました。
結局なにが言いたいかというと、スタジオで複数のライトやストロボを使ってライティングするときも基本的には外光の入らない真っ暗な状態で地明かりのライト、モデルや商品に当てるメインのライト、その他の演出用の照明でライティングすることになります。
編集ソフトで合成するという違いはありますが、このワイングラスをバラバラに撮った写真も、4つの照明を使った多灯ライティングも、結果的にほぼ同じものになると言っていいんじゃない?ということです。
1灯での合成写真はライティングの仕組みを知るのには良い教材だと思う。
よくライトを使った撮影の解説で部屋をできるだけ暗くしましょうとか。漏れたライトをカットしましょうとか、聞いたことがあると思います。
複数のストロボを使った人物撮影の説明では、ストロボを1灯ずつ、キーライト、フィルライト、ヘアーライトなどに、撮りわけたカットが載った解説本とかも、時々みかけます。
今回のワイングラスのような撮影をすると、何となくその意味がすんなり納得できるんじゃないかと思います。
環境光で写真の色を濁さないとか、個別のライトがどういう意味を持っているとかです。
またこの撮影にはもう一つ面白いところがあって、光量が足りないときには同じ写真をコピーして2枚のレイヤーにすることで明るくしたりできます。
また、例えばエッジライトが明るすぎるときにはレイヤーの透明度を下げて、ねらった部分だけ光量を抑えるなどの調整も簡単にできてしまいます。
各ライトのレイヤーの明るさを変えてみると、写真の印象がだいぶ変わるので、一発撮りのライトの強弱の勘をつかむのにもいいと思う。
多分実戦でも使える。
上で書いたような意外なメリットもあるので、クライアントから受注した実際の商品撮影にも十分使えると思います。
だいぶ昔の話ですが、カエルの東京でのデザイナー時代、いろんなカメラマンの撮影立ち会いをしていた頃は、あからさまに個別に撮る人は見かけませんでしたが、今はPhotoshopなどのグラフィックソフトでの後処理が、あたりまえになったので、プロの現場でも普通に、こういう撮り方をやってそうな気がします。
モデル撮影も通常のシャッタースピードくらいの高速連写でストロボを個別に撮りわけできれば、後処理は格段に楽になるかもしれません。そんな機能があればの話ですけどね…あるのかな?
ネットでLight Paintingと検索すると面白い写真がたくさん出てくる。
このような撮影方法はライトペインティングとか黒抜き撮影と呼ばれているようで、YoutubeなどでLight Paintingと検索すると、真夜中の風景や建物をライトアップしたような幻想的な感じの写真を紹介した動画(ほとんど海外の動画)がいくつも出てきます。
ペンライトで文字や絵を描いたようなのもたくさん出てきますが、そっちじゃないので注意してください。
また黒抜き撮影と検索すると車やバイクをこのやり方で撮影したものが出てきます。巷では車系は黒抜き撮影と言ってる方が多いみたいです。興味のある方は検索してみてくださいね。
撮影も、使う照明は安いLEDライト1本だけなので、気軽に試せます。
同じ方法でバイクを撮ったものもアップしてます。よかったら見てください。