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常識を疑ってみる、って案外難しいよね。
人は見たいものを見て、
信じたいものを信じる。
もちろん私も。
それでも時々、世界が変わって見えるほどに自分の意識が変わることがある。
その時は苦しいかもしれないけど、後から思うとギフトだったりする。
9年前の私は子供に予防接種のお知らせが来る度に、何の疑問も持たず次々と接種を受けさせていた。
もちろん説明書的な紙には目を通していたけど。
あぁ、ごくたまに副作用が出る子がいるんだねと。
どこか他人事で。
それがある時、我が子が急に熱を出した。
熱が下がっても様子がおかしい。
顔色が悪くて、元気がなくて、生気が失せたような、見ているのが怖いような。
今までの風邪とは何かが違う。
危機を感じてかかりつけ医に診てもらったらすぐに大病院を紹介された。
診断は溶血性貧血。
原因はわからない。
鉄欠乏性貧血とは違って、治療法は特になくただ様子を見るとのこと。
何をするわけでもなく、ただ様子を見るだけ。
日ごとに、少しずつ少しずつだけど、回復していった。
でも、あの時は本当に恐かった。
息子が死んでしまうのではないかと。
後で思い出したんだよね。
そういえば、、、
3週間前に日本脳炎の予防接種を受けたこと。
3週間も経っているから、思い付きもしなかった。(副作用は2週間以内に出ると書いてあるし)
それから私は本を読んだ。
何かがおかしいと。
そして、自身の不勉強を激しく後悔した。
ちょうどあの頃、息子と同じ10歳前後の子が日本脳炎の予防接種で体調崩した事例が頻繁に新聞に載っていた。
もちろん証拠はない。
思い過ごしかもしれない。
でも、あんなに元気だった子が突然の溶血性貧血で弱々しい姿になってる。
直感は告げている。
あれだと。
訴えたいとかではなく、何が起こったのかを知りたくて、かかりつけ医に尋ねてみた。
もしかして、予防接種の副作用では?と。
先生は「そんなことはありえない」と。
紹介先大病院の小児科の先生にも同じように尋ねてみた。
「その可能性がないとは言えないが、証明することはできない。」と先生。
正直なお返事に少し安堵する。
結局のところ、因果関係はわからないのだ。
ただ、我が子がある日突然溶血性貧血になり、大好きなサッカーも出来ず、歩くのもやっとで、土気色の顔で夏休みのほとんどを静養したという事実だけが残った。
当事者になるまで人は真剣に疑わない。
その予防接種が本当に必要かどうなのかを。
今思い出しても我が子を失うかもという恐怖は忘れられない。
それでも、あのことがあったから、
私は初めて予防接種を疑うことができた。
誰にでも当てはまることではないし、誰にもそんな思いはしてほしくない。
でも、目に見えているもの、当然常識として良いと思われているものを疑うことを教えてくれたあの日に感謝している。
ありがとう。
幸いなことに、現在彼は健康を取り戻し人生を楽しんでいる。
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#常識を疑ってみる