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琴平日記① 心をひらく旅。

一昨年から何かと関わりのある、株式会TABIPPOの主催で、香川県仲多度郡にある琴平町(ことひらちょう)に行って参りました。

「こんぴらさん」と呼ばれる金刀比羅宮(ことひらぐう)が観光名所で、コロナ禍前は、参拝客が何十万人と訪れていたような町です。

わたしは恥ずかしながら「こんぴらさん」すら知らなかったのですが、TABIPPO主催のモニターツアーという事で、「これは面白い旅になるに違いない」と予感して、すぐに応募を決めました。

モニターツアーと言っても、観光名所を目まぐるしく回るだけのツアーとは全く違うのが、株式会社TABIPPOの凄いところ。
「こんぴらさん」だけじゃない琴平町の魅力を発掘し、旅する若者が、新しい観光地・地方への関わり方を考える事が出来るような、そんなツアー。

九州から琴平町に移住してきてスパイスカレーを作っている人、その近くのお店で、鎌倉から琴平町に移住してきてスパイスカレーを作っている人、ビーズ愛が高じてビーズ専門店を営んでいる人等々、、、。

3日間の間に、必死に自分の「好き」を追いかけている素敵な人々に、たくさん出会いました。

そう、このツアーのテーマは、「好きがコトひらく町」。

単なる語呂合わせだと思っていたこのキャッチフレーズが、琴平町での一瞬一瞬を重ねるごとに、心にしっかりと、刻まれていました。

実は、わたしには、このツアーにおける「裏テーマ」がありました。

それは、「心をひらく」こと。

これは、主催者の意思とは全く関係なく、わたしが勝手に、決めたテーマです。

このツアーに参加することが決まったのは、昨年末。その少し前、12月半ば頃、わたしは、26年間慣れ親しんだ故郷を離れ、転職し、東京で暮らすことを決めました。
年末から、物件を探したり、現在の職場に状況を話したり、大忙しの毎日。

特に頭を悩ませたのが、物件探し。予算が少なすぎる訳ではないのに、コロナ禍で引っ越しが減っているのか、条件に全て見合う物件がなく、いくつか内見に行ったにも関わらず、しっくりこなくて決められませんでした。(今もまだ、決まってません。笑)

東京で暮らすには、もっと、寛容にならなきゃダメなのかもしれない。
あれも、これもと拘っていては、ちっとも物事が進まない。
自分にとって大切ないくつかの事だけ大事に抱えて、あとは、自分の背中から降ろしてしまわなければならない。

何にでも自分の基準を持ち、物事の細部にまで拘るのが東京での強い生き方だと思っていたけれど、どうやらそれは、私の思い違いだったようだ。

東京で行くまでの間に、人や物事に寛容になろう。

そう思っていた時、ちょうどよく、琴平へのツアーが控えていたので、わたしの旅のテーマは、「心をひらく」に決まりました。

自分の心をオープンにし、どんな人や物事も、一旦は受け入れよう。否定する前に、壁を作る前に、自分から心を開こう。
そして、笑顔でいよう。集団行動は昔から苦手だから、疲れるかもしれない。でも、せめて、笑顔でいよう。楽しむ心だけは、持ち続けよう。

そんな気持ちで、琴平へ向かいました。

琴平で関わった方々に、一緒にツアーに参加したメンバーに、どれだけわたしの心が伝わっているか分かりませんが、3日間を終えた今、充実した気持ちでいることは確かです。

ツアーの中で、たくさんの素敵な人に出会ったのですが、全ては紹介しきれないので、1つだけ、お店を紹介します。

「栞と本とカレーのお店『栞や』」さん。

岡山から移住してきたご夫婦が古民家をDIYしたお店に、これまた九州から移住してきたスパイス狂な男性がカレーを作っている、何とも面白いお店。
https://shioriya.net/


店内には、ずらりと、栞や絵が飾られています。個々の作品の横には、小さなメッセージが。

わたしが気に入った絵に添えられたメッセージが、今のわたしにピッタリだったので、紹介します。

タイトルは、「夢路の果て」。

「長い夢の終わりを告げる祝福の光が"わたし"を照らした。目覚めのとき。"わたし"の物語を信じて」。

keywordは、「存在、目覚め、はじまり」。


絵と言葉に浸りながら、今回は、名物「マサラチャイ」を頂きました。
濃厚で、ジンジャーが効いて、とても美味しい。
「決まった量より、ちょっと多めにジンジャーを入れると美味しい」と、作り手さん。
そうなのよね、お料理って。
原価を気にしてケチケチしてると、あんまり美味しくならない。相手の為に、一番美味しいと思うものを、ふるまってあげようとする精神が、料理を美味しくさせる。

畳の上で、美味しいチャイで温まりながら、2階の古本コーナーをくまなく観察。
本好きって、この30冊程度のコーナーを、10分以上眺めていられるから恐ろしい(笑)



厳選した2冊の本に加え、1枚、栞を買って帰りました。
直感で選んだこの栞、今度のメッセージはこちらでした。



タイトル:はじまりのためのエピローグ

「ひとつの物語は終わりを迎える。切なさとぬくもりが残る余韻のなか、いまの音に耳を澄ませて。」

keyword:区切り・内省・次への予感

栞やさん、わたしの人生のこと、知ってるの?(笑)
タロットカードを引くかの如く、次々とわたしに必要な言葉が降って来る。

帰ってから、栞やさんのHPを見ていたら、「人生という”ひとり旅”を彩る場所」と説明書きがありました。

なるほど。

自分の心と向き合い、自分を励ますために、このお店があるんだ。
きっと、そうかもしれない。

地元に帰って来てから、ふと、琴平で見た朝日を思い出しました。

琴平町は、人口8,000人の小さな町なので、遮るものがなく、気持ちの良い朝日が見えます。

何か、自分自身に対する変化の兆しを感じた時、きっとまた、この街の事を思い出すような気がします。

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