バーチャル背景の裏側に広がる生活感

私の部屋の壁は、煉瓦で出来ています。
いや正確には、煉瓦のような壁紙です。
その壁に、母親が10年程前に拘って選んだ、木で出来た味わい深い机があって。
(これは本当に木で出来ています。)

今年の8月から、ある旅をテーマにしたオンラインプログラムに参加しており、色々な場面でzoomミーティングを利用しています。
私はいつも、画質の良いiPadで、煉瓦風の壁紙と木で出来た机を背景に、zoomミーティングに参加しています。
初めてオンラインでお話する方から、よく言われる事。
「それってバーチャル背景?」

これは別に褒められてる訳でも貶されている訳でもない、ただの質問なのですが。

そう言われて、結構嬉しい自分がいます。

「あぁ私、お洒落な自分を演出出来てる」って。

本当は、オンラインの画面には映っていない部分に、化粧品がガチャガチャと置いてあって、生乾きの洗濯物が干してある事も多々。洗っていない食器が控えている事も偶にあり。

そんな我が家の数々の生活感は、オンライン上では見事にひた隠しにし、「バーチャル背景」のようなお洒落な雰囲気だけをクローズアップする。
オンラインでは意外と、「自分をこんな風に見て欲しい」と言う演出が、リアルに人と会う時よりやりやすかったりします。

そんなこんなで8月からオンラインで綿々と続く交流の中、最初はオンラインでしか会っていなかった仲間と、全国から集まって1カ所に集まってちょっとした小旅行、なんて機会も出てきました。
オンライン活動に余り縁の無い方からすれば不可解かもしれませんが、毎回とても楽しく気付きの多い時間です。

そして、そうやってオンラインでの出会いから、リアルに会って交流をする度に思う事。

「いや私、もっとクールでスマートな雰囲気で皆に接しようとか思ってたのに」
「いや私今日は、こんなに沢山発言するつもりじゃなかったのに」
「いや私、今日はこんな疲れた感じじゃなくて、エネルギーに満ち満ちた状態で会いたかったのに」 
仕事のハードスケジュールの後会う為、ちょっと無愛想な自分になったり。
お酒が入ったからか、思った以上に自分の事をベラベラと喋ったり。
リアルで会った相手に次から次へと映る、不完全な自分(笑)

リアルで会うと、普段の、「演出をしない自分」が知らず知らずのうちに垂れ流し。
あんなに気を張ってオンライン上の四角の画面に満たした「こう見られたい自分」は、リアルで会うという、より自分の全体が晒される行為により、根性を失くして消え去っていきます。

でもきっと、これこそが「人間関係」というもの。

自分にも相手にも、良い所も悪い所も両方あって、それと上手く付き合いながら、お互いに楽しい時間を過ごしたり、成長し合う時間を持ったりする。

私が、このnoteにご本人の許可も無く幾度となく登場頂く、私の行きつけの83歳のスナックのママは、「最近の人は、"人と人が繋がる"事が余り出来ていない」と言っていました。

確かに大変。人間関係って。
弱い自分を晒け出すのも嫌だし、相手の悪い所も見えてきちゃう。
でもそれを乗り越えた、いや乗り越えられはしなくても、それも含めて自分自身や相手と向き合う事に、人と人が共に生きていく事の本質があるのかもしれない。
だから特に結婚生活は、困難がつきものなのだ。笑
こんな話すると、なんか人間関係って考えれば考えるほど煮詰まり過ぎちゃうので、最後に大女優・樹木希林さんが仰ってた言葉で、とても好きな言葉があるので、それで締めくくり。

「あんまり頑張らないで。でもへこたれないで。」

おまけ…
他に樹木希林さんの仰ってた言葉として、「結婚なんてね、若い時にしとかなきゃダメなの。物事の分別がついたら、あんなことできないんだから」
どうか私の脳はまだまだ、物事の分別がついていませんよーに。笑

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