そうよ、私はイヤな女
就労移行支援事業所による定着支援が終わった。
今年の4月から就労移行支援を卒業して、無事に就職した私。
上司は稀有な方で、私を障害者として色眼鏡でみること無く、毎日真摯に向き合って育てようとしてくれている。
「人より少しできないことは多いだろうけど、初めからできないと決めつけずにまずはやってみてほしい」
「路頭に迷わせたくはない。お互いに頑張ってあなたの自立を目指そう」
それはとても有難いことだし、自分もその思いに応えて行かなければならない。
だけど、それを言われた私は。
心のどこかでがっかりしていた。
どうして?なんでがっかりするの?
こんな素晴らしい人には、後にも先にも出会えないよ。
だって私、本当はずっと発達障害(とくべつ)でいたいんだもの。
特別でかわいそうな女の子。特別でかわいそうだから、何もしなくていいよって言って欲しかったのに。
どうやらそれが、私の本音だったらしい。
なんて醜い心だろう。まるで世界名作劇場とかに出てきそうな、わがままで世間知らずな金持ちの子供みたい。
なんとしてでも自分の足で立たせようとする、意地悪な主人公は嫌い。
「何もしなくていいんだよ」と甘やかしてくれる、パパとママの言葉は気持ちが良い。
みんなも同じところで躓くよ、あなただけじゃないから安心してですって?
冗談じゃない。
この苦しみは私だけのものじゃなきゃイヤ。
私だけがかわいそうじゃなきゃ、ちやほやしてもらえないじゃない。
私は世界で一番かわいそうなお姫様なの。だからもてなしなさいよ。
スプーンより重たいものなんか持たせないで!
・・・・・・そんなふうに思ってたんだ、私。
そんなことばかり考えて、今日まで生きてきたんだ。
なんて、恥ずかしい。なんて、愚か。
だけど覚えている。
診断が降りたとき。手帳が交付されたとき。ヘルプマークをもらったとき。
私、普通の人なんかじゃない。
そう、高揚したのを覚えている。
今までの悩みは嘘じゃない。痛みも苦しみも、ずっとこの胸にある。
だけど、発達障害であるという事実を、私は金色のチケットか何かだと勘違いしていたんだ。
知っていた。知っていて、気づかないふりをして、その免罪符を振り翳した。
この気持ちを書かなきゃいけないと思い、こうしてnoteに記しているけれど、あまりに醜悪な言葉の数々に、今更打ちのめされている。
だけどきっと、もう向き合わなきゃいられないのだと思う。
こんな自分に負けたくない。
そうだ。やっと私は、戦うべき相手の姿が見えたんだ。
何もしなくていいわけない。だって上司の言う通り、いつか路頭に迷ってしまう。
差し伸べてくれた手を、払い除けちゃいけない。
いい加減、戦わなければ。己に打ち克たなければ。
少しずつでいいから、毎日踏ん張ろう。
歩いていては間に合わない青信号を、走って渡りきるくらいの力でいいから。
上司と支援スタッフのおかげで、そんな気づきを得られた今日でした。
なので早速、体調不良でできなかった掃除と靴磨き、そしてnoteを書くことを踏ん張ってやりましたよ。