#カリフォルニアに来て思うこと(2)

すっかり投稿が途絶えました
わたしが初めてカリフォルニアを訪れたのは1972年の3月です😐
とある団体の研修旅行みたいのに参加しました

わずか2週間の滞在でしたが、その印象、経験は強烈でした

その時のおぼろげな記憶をたよりに、この経験が後々わたしの人生にどんな影響を及ぼしたかについて、書いてみます😐

全行程は2週間,今思うと超短期間ですが,なにしろ高度経済成長の真っただ中から後半,オイルショックは経験していましたけど,まだまだ海外旅行は一般的ではありません.なにしろ私は田舎育ち.小学校6年生から中学入学の春休みの出来事でしたが,周囲からもすごいね,とかうらやましいとか言われたのを覚えています.費用は確か交通費宿泊費込みで22万円,360円換算では79万円ですからかなりですね.前年家を新築した両親にとっても大決断だったと思います.申し訳ないのは,この旅行の恩恵にあずかったのは4人兄弟で私だけ,ということです.妹,弟にはいまでも申し訳なく思っています.

行程ですが,まずはチャーター機でサンフランシスコへ.2,3日観光したのち,1泊ホームステイをしました.それからバスでサンルイスオビスポという小さな町へ移動.そこのキャンプ場で約1週間英語の勉強.その後またバスでロスアンジェルスに移動してディズニーランドやハリウッドを見学して帰る.旅行中は見るもの聴くものすべてが新鮮でそれはそれは楽しい2週間でした.

しかし,帰国後の私は言い知れぬ喪失感に襲われました.今思い返すと当然です.青森県の田舎育ちがいきなり,サンフランシスコだロサンジェルスだのきらびやかな世界,大きな世界を見てしまったのですから.今でも鮮明に覚えているのは,やることもなく漫然と過ごした日曜日の午後誰もいない祖父母の家に一人たたずんで,『あーつまんない,なんでこんなところにいるんだろ?』って考えながら時間がつーっと過ぎていったことです.部活のバスケに打ち込んでリハビリができるまで1年はかかったと思います.

その後中学,高校と進むにつれなぜかアメリカが嫌いになりました.当時はアメリカといってもカリフォルニアしか知らないのに,アメリカが嫌いでした.BEATLESがイギリス出身ということもあったかと思います.アメリカの現実主義(プラグマティズム)がとてもいやでした.

時代は過ぎ,大学院を終え,就職,結婚し子どもを二人授かったのち1998年,UCBに客員研究員として滞在する機会がありました.そこで目の当たりにしたのは,25年前に見た眩いばかりのカリフォルニアでした.なによりその懐の深さ,いい意味でも悪い意味でも,おおらかさ,いいかげんさに呆れつつも,笑いつつも,居心地の良さを覚えました.『ここでずっとすごせたらな』という淡い願望も浮かんでは消え,浮かんでは消えました.

会社の立場も変わりそろそろ定年も視野に入れる年になってひょんなことからカリフォルニアに駐在することになりました.とても,とても不思議な気分でしたし,その不思議な気分はいまだに続いています.イノベーションの泉とでもいうべきベイエリアで働き,生活してまだまだいろんなことを学んでいます.時々56年前に誰もいない祖父母の家で感じた,『あーつまんない,なんでこんなところにいるんだろ?』という現実を思い知らされつつ,同時に『ずっと過ごせたら良いところで働いているんだ!』というわくわく感がこみあげてきます.

インターネットのおかげでいろんな学びができるようになりました.会社のみに縛られず,カリフォルニアを起点に明日からの人生を新たに踏み出したいと思います.

長文読んでいただきありがとうございます!


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