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第5章~モチベーションアップ策とは?②

□会社経営上最も難しい「社員教育」について


「社員教育」に一番効果的なのは、社員に自ら経営の一端に参加させ、参画意識を持たせることです。


 そのために、例えばいくつかのプロジェクトを意図的に立ち上げ、その責任者を社員の中から任命する、といったことを行います。


 例にあげると、部門別の損益管理資料作り、在庫削減プロジェクト、商品開発プロジェクト、その他、トイレ掃除当番等、大きいものから小さいものまで、あえて社員全員がどれかに参加できるようなものを立ち上げ、教育に利用していきます。

 まさしく、On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブ・トレーニングつまり現任訓練(げんにんくんれん)で、自ら責任を持って考え、知恵を出し合い、行動し、成功することによって、自信を深め、やりがいを持ち、自ら行動する、考えるといった姿勢を育てます。


 やがて、社員の意識は少しずつ変わっていきます。


 自分のために働く、努力するということを理解できるようになります。


 そして頑張った分、自分に返ってくる、やりがいも仕事の中に見出せるようになります。



 なぜなら、会社から任せられ、自ら考え、計画し、実行し、結果を検討するという、非常に充実したサイクルの中で、仕事をできるようになるからです。

 ここに述べたことは、何も理想的なきれいごとではありません。


 実際に多くの中小企業、人材が不足している会社でも効果を発揮している方法です。どこの会社でもできる、あるいはしなければいけない事柄であると考えます。


 人事考課制度の見直しや部門別損益の把握、事業計画など…多岐に渡る事柄につき、すべて社員を引っ張り込んで参加させます。


 これらはすべて、「やる気」を喚起するための単なる手段として位置づけています。


 今日、非常に厳しい経済環境の中で、新商品を開発したり、新しい分野に積極的に展開していく原動力となるのは、社員の「やる気」以外にはありません。


 社員の熱意 の有無によって、物が売れもすれば、売れなかったりもし、そしてそれが会社の将来の明暗を分け、「勝ち組・負け組」の峻別につながることになります。


 経営の要は、突き詰めれば、社員の「モチベーション」に極まると考えます。

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Chihiro HAYASHI
分かりやすく経営に対する思いを伝えたい