電網戦線異常なし
塹壕戦
「電網戦線に異常なし。吾君もエケリウニ兵になり給え、勲章は将校が頂き、プレジデントは英雄に成るさ。――は勲章の為でなくイデオロギーの為に戦うのだから、無問題だろう」
「何を偉そうに、貴方は安全な住居でぬくぬくとスマホとにらめっこをし、私を煽ることしかできないミニミな存在ではないか。貴方は闘えない人だ」
「ナンセンスだね、吾君は大きな勘違いをしている。政治は戦争の継続なんだよ! 有名な誰かが云った『戦争は政治の継続』なんて言葉は忘れろ」
「何を云いたいのかさっぱりだ。医者にでも診てもらった方が良いのでは? それに、私はただ微笑む子供の未来を護りのですから、邪魔をしないでほしい」
「独房に私を押し込めたとしても、戦争は君を逃さない。人生の欺瞞を塹壕で嘆きたいか? いいか、君は戦線の主体ではないし、成ろうともしていないナイーブな存在だ。交差する体制内で走り回る駒なんだよ」
「私はただ侵略者から人々を護りたい、その一心で戦いにゆく。貴方には愛がないのか」
「愛なんて無いさとでも言うと思ったか! 吾君、それは余りにも思慮が足りない。愛がある故の発言なんだ、英雄を望む社会は不幸なんだよ。戦争は手段だ、大いなる革命の手段なんだ。反戦もできない奴に最終戦争は訪れない! 我々は人だ、コンテナには収まらない!」
「狂人、貴方の意見を聴くよりも、大学生活動家の意見を聴いている方が有意義だ。貴方の様な愚かな存在と話すことは、今後ないでしょう。それでは」
「スマホの文字で踊る私には、過ぎた事なのかもしれない。一体全体どうすれば良いのだろうか。今もこうして、私は4次元闘争に敗れたのだから」