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春はまだか

春が近づくにつれ少しずつ機運が回復する、気がしている。去年も、その前の年も1年のスタートダッシュは割ともたつく。寒いから心も身体も恐縮している。

今週の水曜日、信頼している脚本のセンセイの映画を観に行った。数か月ぶりにセンセイやクラスの同級生に会い手を振った(しかし遅刻していた為、はやくはやくと劇場に押し込められた)。

センセイは生徒の脚本を何度も何度も読み込み、作品を必ず褒め(褒める事は彼の信条だった)、構成を一緒に悩み、改善策を伝え、最後には背中をうんと押してくれる温かい先生だった(口は悪いが)。文字通り全身全霊でのめり込むから、クラスの後半には随分と痩せていた。1年前、脚本の”き”の字も知らなかった私が、Twitterで彼に”きちんと”辿り着き、迷いながらも申し込み、恐る恐る扉を開けたあの日はやっぱり奇跡でハイライトだと思う。センセイが私の親鳥になってくれて良かった。もう何度も思っている。

映画は繊細で弱くて優しかった。

ベットに入って眠りについて。朝起きるその瞬間もまだ心は温かく幸福だった。

今更だが本気の香水を探している(目途はついている)。今までは香水の真似事のようなもので十分だったし、香水香水し過ぎる事に抵抗があったが(どこか媚びているようで)、むしろ自分の為に欲しいと思った。香り一つで私は高揚する。

候補のソレはバニラのように甘たるい。私はそれをまとい春を待ちわびる予定だ。





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