極夜行

是非誰かに勧めたいと思わされる一冊に久々に出会った。いつかブルータスの取材で語りたい。

地理的な未知が失われた現代における冒険とは脱システムであると語る著者が、太陽の登らない北極圏を近代的な技術に頼ることなく旅した実話。システムから離れ暗闇の中を旅する著者が再び太陽に出会った時の感動や、暗闇の中で死と隣り合わせになって気づく信仰の原初的な形態は、著者の実体験を伴って凄まじい説得力で読者に届けられる。

ところどころ交えられたユーモアも、あとがきも読後感も素晴らしかった。

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