海と、自律分散と、サインコサイン。
皆さん、お疲れ様です!サインコサインの加来です。
私ごとではありますが、2022年7月13日で39歳になりました。
歳をひとつ重ねただけといえばそれはそうなのですが、(最も楽しいと噂される)40代を目前にした30代ラストの1年、そして、これまでいただいてきた数々の資本に対する「39(サンキュー)」をしていく1年。
またサインコサインもいよいよ6期目に向かっていくタイミングでもあります。
ならばここでひとつ、これまでとこれからを整理して自他ともに共有できればと思い、このnoteを書いております。
主にサインコサインの大切にしている価値観と世界観のこれからについて。少々?ONE PIECEの喩えも交えながら。
自由を求めて、自由を毒味した
言わずも知れたモンキー・D・ルフィのパンチラインに衝撃を受けたのは何年前かわかりませんが、サインコサインの設立当時から「自由」が大切なキーワードだったのは間違いありません。
セプテーニグループ経営陣への会社設立プレゼンを見返してみても「自由」というフレーズを多用していましたし、会社設立時の記事の冒頭でもこのセリフに触れています。そして、当時そのままagenda noteで連載させていただいていたシリーズのタイトルも「自由の毒味」でした。
クライアントワークはじめプロジェクトの進め方、そしてチームや組織の作り方から、オフィスの使い方などに至るまで、それまでの常識にとらわれず覚悟を持ってありとあらゆる選択肢にチャレンジし成功も失敗も糧にしていこうという気持ちの表れだったと思います。
設立4年後の、チームの現在地
2018年4月2日に株式会社サインコサインを設立し、それまで請求書の一つもろくに作ったことのなかった人間の経営者ライフ(またの名を自由の毒味)がスタートしました。
自分で何でもできるという自由の可能性を時に楽しみ、何もかも自分でやるしかないという自由の残酷さにも時に翻弄されながら、たくさんの仕事や機会に恵まれてきたなと、39歳にしてあらためてサンキューの気持ちです。本当にありがとうございます。
一方で「来るもの拒まず、去るもの追わず」という僕の個人理念の中の行動指針の一つを体現しているからか、サインコサイン(SIGNCOSIGN)が「SIGN INもSIGN OUTも自由なチーム」を目指しているからか。新たに芽生えて深まる縁もあれば、同時に、距離が離れて薄まる縁もどちらもあり、結果として正社員は一人も増えることはありませんでした。(2022年7月現在)
独りだけど、孤独じゃない
「いつまで独りでやるの?」とか「独りで寂しくないの?」みたいなことを聞かれるのも日常茶飯事なのですが、どんどん社員を増やす会社に対して凄いなあと思うことはあっても、自分が孤独だと感じることはまったくありませんでした。
運良く恵まれた沢山の仕事やプロジェクトの一つ一つどれをとっても、自分だけの力で実現できたものはありません。
高い専門性で相乗効果を発揮してくれるパートナーさん、理念や価値観に共感して仕事を発注してくれるクライアントさん、そして自分の理念の実現のために様々な場所や場面で良い意味で前向きにステークホールドし合ってくれる多種多様なマイメンさん。
(これを読みながら、自分のことかな?と思ったあなたのことですよ!いつもありがとうございます!)
その関わり方や関わりの深さも、そして交換する価値や資源の種類も様々ながら、本当に本当に沢山の人とその時々でワンチームとなり同じゴールに向けたタッグを組めている賜物だと実感する毎日です。
これは、自律分散型組織なのか?
確かにフルコミットしている人材は設立時も今も僕一人だけかもしれませんが、多様な人材が多様な関わり方をすることを通じて少なからず新しい価値を創造しているチームであると考えるならば、いま注目を集める「自律分散型組織」に通じるものもあるのかなと感じます。
自律分散型組織とは何か?
こちらのサイトの解説を引用すると、以下のようなものです。
まさにサインコサインの掲げ続けている理念「自分の言葉で語るとき、人はいい声で話す。」にも通じるものであり、心から実現したいと思える理想的な変革なのは間違いありません。
では今サインコサインは、これを実現できているのか?
まずは上半分のブロックについて・・・
マイクロマネジメントを行うことなく(もちろんある程度の進行管理はしますが…)それぞれの理念(目的)に基づく自律性を前提とした行動の集積で仕事やプロジェクトに取り組んでいるという意味では(まだまだ発展途上ながらも)このような組織であると言ってもバチは当たらないのかなと感じます。
では一方で、下半分のブロックはどうか・・・
この部分に関しては、やはりどうしてもサインコサインが起点になるプロジェクトにおいては、というか基本的にプロジェクトを実行するという視点においては特定の個人や企業がラストマンの役割を担う必要があるため、一定の「計画統制・中央集権」からは避けられないのでは?とも感じます。
多くの企業やチームが真に「自律分散型組織」への変貌を遂げられない主因もおそらくここにあるのではないでしょうか。
ただし、それはあくまでも(サインコサインなど)一つの会社に閉じた世界においては、とも言えるのではないか?というのが今の僕の中にある大きな問いなのです。
海賊団よりも、海
ONE PIECEで言うなれば、会社設立当時に僕が志したのは「麦わらの一味」のような会社(海賊団)をつくり、広い海を自由に冒険することだったような気がします。
しかし、自分なりに自由を毒味しながらそれなりに多くの失敗も少しの成功も経験する中で、ONE PIECEにも登場する(そして現実世界にも存在する)最も自律分散型組織を体現しているものは他にあるのではないかと感じるようになりました。
そう。それが「海」です。
先ほどの解説の中にも「環境変化に対応するスピードや柔軟性を高めるために、一人ひとりが自律性を持って活動し、命令がなくても俊敏に目的に向けて対応していく生命体のような組織」とありましたが、まさに海こそがこれを超長期的に(時に人間の支配によって阻害されながらも…?)実践し続けている組織のような生命体と言えるのではないでしょうか。
多種多様な生物がそれぞれの理念や秩序を大切にして進化と伝承を繰り返しながら、共通の目的のもとで関わり合ったり、存続をかけてぶつかりあったりしながらも、その結果として海という全体の豊かさを分かち合い続ける。
ここには自由だからこその残酷さはあっても、中央集権による支配はありません。
そういえば冒頭で触れた「この海で一番自由な奴が海賊王だ」というルフィの台詞も実は、かつての海賊王の右腕だったレイリーから「(海賊王を目指すと言うなら)君に、この強固な海が支配できるか?」と問われたことに対して「支配なんてしねェよ。この海で一番自由な奴が海賊王だ。」という文脈で語られたものでした。
支配よりも、自由と自律分散
この資本主義の世の中では、サインコサインの売上規模も社員数もきっと大したことはなく、いつまでひとりでやるんだ?これからどうするんだ?と興味を持ったり心配してくれたりする方もありがたいことに少なくはありません。
もちろんそのような焦燥感がまったくないかと言えば嘘になってしまうのですが、それでも僕の関心は少なくともこの会社としての「支配力」を高めることではありません。
この理念を掲げ、掲げ続ける身としては、やはりより自由で自律分散的な世界、本来の海のような美しさと豊かさのある世界の実現に貢献したいと思うのです。
そのために、サインコサインそのものの自律分散性を高め影響力や実行力を高めていくことにはもちろんコミットしていくのですが、同時に、
サインコサインという全体性も自律分散的な世界の一部であるとあらためて捉え直し、世界というより大きな全体性ならびに共存する多種多様の会社やチームや個人と共に関わり合いながら俊敏に目的に向けて対応していけるようになりたいです。
そして、そのような新しいつながりをつくっていくカギになるのが、サインコサインが向き合い続けてきた「理念やパーパス」なのではないか。
理念で " ひとつなぎ " になる世界へ
自律分散の前提となるのは、言うまでもひとりひとりが自律できていること。
つまり、それぞれに自身を律する羅針盤としてのそれぞれの理念があり、自身の属するより大きな目的としての理念とのつながり、またその中で共存する対象ともその違いも認め合いながらもそのつながりを見出し協力し合っている状態こそ、自律分散している状態と呼べるのではないでしょうか。
今回たくさん例に出しているONE PIECEにおいては「”ひとつなぎの大秘宝”(ワンピース)」が大海賊時代における目指すべきゴールになっているわけですが、
こうやって「理念で"ひとつなぎ"になる世界」というのも、みんなで全力で探求するに値するお宝なのではないでしょうか。
(まだ何とも言えないものの、ONE PIECEの”ひとつなぎの大秘宝”の正体もおそらくそういったものなのではないかと個人的にはちょっと期待?してたりもします…笑)
大"航海"時代ならぬ、大"理念"時代の中で
どこまでONE PIECEで押すのかというツッコミはさておき、
ここまできたらということで…
いよいよ企業やブランドはもちろん、ひとりひとりの個人も理念やパーパスを掲げることが当たり前になりつつあります。これは言わば「大航海時代」ならぬ「大理念時代」とも呼んでみるのはどうでしょうか。
そして、そんな時代の中で、それぞれの理念が適度につながり、それぞれが自由に関わり合い、自律分散的に共通の大きな目的を成し遂げる…つまり、
「理念で"ひとつなぎ"になる世界」を目指して、企業や個人はもちろん、世界や社会といった様々なレイヤーの理念をつくって、つなげて、その実現に向けて様々なことをおこなっていく…!
そのような覚悟を胸に30代ラストを駆け抜けてみたいという決意表明でした。
繰り返しですが、言うまでもなく、当たり前にひとりで実現できることではなく、みんなの勇気を有機的につなげることでしか成し遂げられません。
これは僕の宣言でもあり、必ず皆で一緒にやるんだという、勝手な巻き込み宣言でもあります。
みなさん!どうか!39歳の加来幸樹ならびに、新たなステージを目指す株式会社サインコサインのことを引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます!!!
株式会社サインコサイン
代表取締役 CEO
加来 幸樹 Koki Kaku