光の戦士たち(19)玉山代表来たる!教育国債と生活減税【小説】
【登場人物】
武田徳太郎:減税に熱心な学生
風谷蒼:大学院生で公共政策を学ぶ
玉山代表:国家民主党の党首
武田徳太郎と風谷蒼は駅前広場に向かって歩いていた。
チラシを見た武田が、国家民主党の玉山代表が駅前広場に来るという情報を蒼に伝え、一緒に行くことになったのだ。
「祭さんは仕事で来れないのが残念だな。」
「そうね。でも、せっかくだから私たちで頑張りましょう。」
駅前広場に着くと、玉山代表が熱心に演説をしているのが見えた。武田はその熱気に負けじと、玉山に近づいた。
「玉山代表、減税してください!」
武田が大声で話しかけた。
玉山は一瞬驚いたようだが、すぐに教育国債の話に熱中した。
「教育国債は未来への投資です。これにより、日本の教育環境は飛躍的に向上します。」
玉山は情熱を込めて語った。
しかし、武田も負けてはいなかった。
「それは分かります。でも、減税が必要です!」
玉山と武田の議論は平行線を辿った。どちらも一歩も譲らない。
すると、蒼が冷静に口を開いた。
「玉山代表、教育国債のアイディアには賛成しかねます。でもどうしても教育国債を発行したいなら、ドーマー条件を考慮しなければなりません。」
玉山は蒼の発言に注意を向けた。
「ドーマー条件ですか?」
「はい、名目成長率が名目金利を上回れば、教育国債を発行することは理論的には可能です。
ただ、私たちは全ての増税に反対しています。
そうなると、返済が厳しくなった場合には国債価格が下がって、金利が上昇するでしょう。
そうなったら、財務省出身の玉山さんにとっても、かなり困った状況になりますよね?」
蒼はにっこりと微笑みながら、やや挑戦的な視線を送った。
玉山は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐにその洞察力に感銘を受けたように蒼と握手をした。
「これは一本取られましたね。」
武田と蒼は声を合わせて言った。
「生活減税、よろしくお願いします!」
玉木は微笑みながら、
「投票、よろしくお願いします。」
と言い、去って行った。
玉山が去ったあと、武田は不満気に言った。
「減税するって約束してないから投票できないよね。」
蒼は穏やかに答えた。
「対決より解決だよ、たけちゃん。」
「蒼さんは大人だなー。」
武田は感心した様子で言った。
「大学の課題やテストは解決策を提案しないと留年しちゃうから。たけちゃんも気をつけてね。」
蒼は微笑んだ。
武田は苦笑しながら、
「玉山さんと同じく、一本取られたよ。」
蒼は笑いながら、
「さて、カフェに行って何か飲みましょうか。」
武田は明るい表情で答えた。
「やったー、蒼さんとデートだー。」
蒼は微笑みながら、「はいはい。」と苦笑した。
光の戦士たちの戦いは続くのだった…