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光の戦士たち(20) 祭あつし実家に帰省 彼が屋根裏部屋で発見したものは!? 『哉子の兵法』

祭あつしは、お盆に実家へ帰省した際、家の屋根裏の掃除を家族に頼まれた。

そこで古い荷物を整理していると、ふと目に留まったのは、埃をかぶった古びた本だった。

その本のタイトルは『哉子の兵法』

好奇心とともに、少し驚きを感じながら、あつしはその本を手に取り、埃を払って本を読み始めた。

ページをめくるうちに、これはただの本ではないことに気づいた。

春秋時代の中国で、当時の支配者たちが天下を取るために用いたとされる伝説の書物だったのだ。

その発見にあつしは驚愕し、頭の中ではこの本に秘められた深遠な戦略や知恵について思いを巡らせるのだった。

「これはすごい。蒼さんや武ちゃんに早く見せたいな。
まずは計篇を少し読んでみるか」

祭は屋根裏の掃除を忘れて、計篇の(一)を読んでみた。

以下はその内容である。


『哉子の兵法』 計篇

護民之富 (一)

哉子曰、減税國之大事、國力生於民富、護民之富、即護國、増税損民富、動國基、乃害也、

税重、則民失働意、経済停滞、民力失、國防脆、外敵凌弱存、

哉子曰、國之繁栄、非増税所成、寧減税以保民自由、興商工、富民、成強國、


民ノ富ヲ護レ (一)

哉子曰ク、減税トハ国ノ大事ナリ、国ノ力ハ民ノ富ヨリ生ズ。民ノ富ヲ護ルコト、即チ国ヲ護ルコトナリ。増税ハ、民ノ富ヲ損ジ、国ノ基礎ヲ揺ルガス害悪ナリ。

税ヲ重クスレバ、民ハ働ク意欲ヲ失イ、経済ハ停滞スル。民ガ力ヲ失エバ、国ノ防御モ脆クナリ、外敵ニ対シテ弱キ存立ヲ強イラレル。

哉子曰ク、国ノ繁栄ハ、増税ニヨリテ成ルモノニアラズ。寧ロ減税ヲ以テ民ノ自由ヲ保チ、商工ノ業ヲ盛ンニセヨ。富メル民ハ、強キ国ヲ成ス。

【口語訳】
民の富を守れ (一)

哉子はいう、減税とは国家の大事である。国の力は民の富から生まれる。民の富を守ることは、すなわち国を守ることだ。増税は民の富を損ない、国の基盤を揺るがす害悪である。

税が重ければ、民は働く意欲を失い、経済は停滞する。民が力を失えば、国の防御も脆弱になり、外敵に対して弱い立場を強いられる。

哉子は言う、国の繁栄は増税によって成り立つものではない。むしろ減税によって民の自由を保ち、商工業を盛んにしなければならない。富かな民は、厚い国防をつくるのである。


続く…

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