大空の戦士たち(2)撃墜王同志リエーナカチューシャvs永田万作【小説】
⭐︎登場人物⭐︎
⭐︎リエーナカチューシャ 女性パイロット ソビエト空軍小隊長 階級中尉
⭐︎セルゲイトクタロウ 若手パイロット 階級准尉
⭐︎永田万作 日本海軍MMT特別攻撃隊エースパイロット 階級飛曹長
極東の空、リエーナカチューシャ操る愛機「ポリカルポフi16」はいつものように獲物を探していた。その時、微かに光る物体が視界に入る。それは永田万作が操縦するゼロ戦だった。
万作は、日本海軍MMT特別攻撃隊のエースパイロットであり、戦闘中に「税は財源ではない!」と叫びながら特攻することで知られている。彼の特攻を目の当たりにした者は皆、恐怖に慄くという。
「これは隼とは違う…」リエーナカチューシャは直感的に察し、即座に右旋回を開始した。すると、万作がすかさず彼女にくらいつく。激しいドッグファイトが始まった。
万作は巧みにリエーナカチューシャの後ろを取る。「頂きだ…」万作は機銃掃射の準備をするが、7.7ミリと12.7ミリと20ミリのどれを使うべきか一瞬迷ってしまう。
迷うほうも迷うほうだが、3種類の機銃を乗せてしまう日本海軍も日本海軍である。
しかし、その迷いが致命的な遅れを生じさせ、リエーナカチューシャはその瞬間を見逃さずに急旋回で避けた。
「迷いは死を意味する…」リエーナカチューシャは迷わず7.7ミリの機銃を大量に撃ち込む。
火を吹くゼロ戦、万作の機体は制御を失いながらも、リエーナの機体に特攻を試みる。
「税は財源ではない!」と絶叫する万作。
間一髪、リエーナは攻撃を躱し、再度7.7ミリを撃ち込んだ。
万作の操縦するゼロ戦は炎に包まれながら落下していった。
基地に戻ったリエーナカチューシャを出迎えたのは、セルゲイトクタロウだった。「あの万作をどうやって撃墜したの?」セルゲイトクタロウは興奮を抑えきれない様子で尋ねた。
「奴は上げるべきか下げるべきか迷った。一瞬の迷いが空の戦場では命取りよ」とリエーナカチューシャは冷静に答える。
セルゲイトクタロウはその言葉に深く頷き、「なるほど…」とつぶやいた。リエーナカチューシャの信念と決断力が再び証明された瞬間だった。
終わり
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