選ばれなかった未来にいるアナタへ
選ばれなかった未来にいるアナタへ
ワタシがあの時、選ばれなかった未来の方にいるアナタ、お元気ですか?
ワタシは、というわけで、選ばれた方の未来を向かっているのですが、選ばれなかったアナタのことを時々憶い出します。
季節は秋めいてきて、こちらは夜が長くなってきました。いかがお過ごしですか?
あるいは選ばれなかったわけですから、同じ季節を過ごしてないのかな?
それともアナタはそもそも存在していないのかな。
でも同様に、アナタが、その時、選ばれなかった未来の方にいるワタシ、そんなワタシですけど、今少なくとも存在はしていて、うまく行ってるかはともかく、ぼちぼちやってはいます。
きっと選ばれなかった未来の方にいるアナタも、きっとそんな彼方で、ぼちぼちやっているのでしょう。
分岐点はその瞬間無数にあるとはいえ、「あの時こうしていれば」的なこうなってなかった未来を時たま想像したりします。
でも今と違う方を選んでいたとして、そしてやってる行動は今と違っていたとしても、結局それでも選ばれなかった未来の方を時たまやっぱり想像してるんだろうなあ、とは想像できたりもします。
アナタが選ばなかった方のワタシと、ワタシが選ばなかった方のアナタは、そんな想像をしながら、別々に交わらない二人として、きっとこの秋めいてきた夜のしじまに、その夜の深さの中で、そんなふうに相手のことをふと憶い出してしまうのでしょうね。
そんなアナタとの未来に、ふと懐かしさを感じたりもします。
不思議ですね、未来なのに、懐かしいだなんて。
やってこなかった未来なのに。
選ばれなかった方のアナタなのに。