ムットーニの正体
観てきました。
ムットーニワールド からくりシアターⅤ
ムットーニを存じ上げず「からくり人形かあ、子どもが好きそう」くらいのノリで参戦。
結論から言います。
後日ひとりで絶対おかわりする…!
まず、全く子ども向けではなかった。
たくさんのからくりが時間差で作動し、それを観てまわるというもの。広くはない薄暗闇のなか、年齢性別さまざまな少人数のコロニーが少しずつ止まっては進み、また止まっては進む。
観客すらからくり仕掛けのようで、この空間の動きは何もかもムットーニの操るがままであった。
不気味なもの、神秘的なもの、エネルギッシュなもの… 作品によって様々な味わいがあったが、持つ印象は総じて「夢」。
希望とセットで語られる方ではなく、眠っているときに見る方の夢だ。
ウイスキーを傾けながら大音量で音楽を聴いて、耳だけ起きているけど意識はもう眠っているときのそれ。音楽が「観える」のだ。
目が痛くなるほどの光、楽しそうに音楽を奏でる人や骨。ステージに擬態した怪物は眼を光らせ、喰らいつくタイミングを見計らっている。
からくり箱はゆっくりと拡がり、光は箱から飛び出して世界と作品の境界は曖昧に
なによりも惹き込まれるのはからくりの終わり。
大音量の音楽は止み、寂しげな音と共に少しずつステージが閉じてゆく。
ああ、醒めてしまう。まだ夢の中にいたいのに、まだ観客でいたいのに、あの退屈な世界に戻ってしまう。
余韻の静寂まで心地良く、動かぬ箱と化した作品の前でしばらく立ち尽くしたあと、観客は次の夢を求めてまたフラフラと動き出す。
本当に文字では語り尽くせない魅力があり、子どものタイムリミットさえなければあと5時間はあの空間にいたかった。
そうそう、帰宅後にびっくりしたことがあって、ムットーニ、めちゃくちゃ日本人だった。
武藤だからムットーニ…
騙された…笑
素晴らしいので是非。3/24までやっています。
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