BUMP OF CHICKENと迷子の自分
なんだか気持ちがモヤモヤとして晴れない日が続いている。
最近はYoutubeで誰かの配信を見たり、最近話題の曲を聴きながら他の作業をしたりすることが多くなった。だんだんと減る自分の時間を何とか取り戻したいがため、タイムパフォーマンスなんてものを気にしていた。
実際のところそんなことをしても配信内容も、音楽の歌詞もちゃんと脳にも心にもインプットされていない。
だけどそうしないと何だか落ち着かないようになってしまっていた。
心ここにあらず。
創作物を真面目に受け取れない状態が続いていたんだと思う。
最近、好きな音楽を思い直す機会があった。
それは自分の好きなアーティストをただ紹介するというもの。
もしも自分が紹介するとしたら一体誰になるだろう？
そう考えた時にBUMP OF CHICKENが浮かんできた。
そもそもの出会いはインターネット黎明期、FLASH動画で溢れた時代に「ラフメイカー」や「K」を見つけたのが始まり。
宝物を見つけたような気分だった。
非常にわかりやすく"物語"であり、自分の中では聴く絵本といったような感覚で聴いていたのを覚えている。
どうしても気になり、初めて買ったアルバムは『THE LIVING DEAD』だった。このアルバムは複数の物語を弾き語る構成となっていて、子守歌のように寝る前によく聴いていた。
そんな人生と共にあったBUMP OF CHICKENだったけれど、アルバム『RAY』の購入を最後に、環境の変化や周りに共有できる人がいなくなり、聴くことが少なくなっていった。
その後もタイアップ曲などで日常の中で耳にすることはあったけれど、咀嚼することなく心からこぼれ落ちていった。
そんな中、新アルバム『Iris』が発売されるということで、Youtube公式チャンネルでLive映像等が色々と公開されているのを見つけた。
ホームシック衛星2024の映像だ。
あの時ずっと聞いていた『orbital period』の感動がふつふつと蘇る。
一歩前へ踏み出すために、一旦頭を整理しよう。
個人的に思い入れの深い曲をいくつか書いてみようと思う。
ハルジオン
虹を作ってた 一度 触れてみたかった
大人になったら 鼻で笑い飛ばす 夢と希望
ところが 僕らは 気付かずに 繰り返してる
大人になっても 虹を作っては 手を伸ばす
ずっと一人で聴いていたBUMP OF CHICKEN。
ある日友達に「何でも良いんだけどおススメの曲ある？」と問いかけた時に返ってきた答え。
グループ名も指定していない中、「天体観測」でもないこの曲が飛び出してきたので、この上なく興奮したのを覚えている。
他愛のない話だけども、自分にとっては初めて好きを分かち合えた記念の曲。
オンリー ロンリー グローリー
歩き出した迷子 足跡の始まり
ここには命がある
選ばれなかったなら 選びにいけ
ただひとつの栄光
部活動で水泳を頑張っていたころ、この曲をよく聴いていた。
下から数えた方が早いレベルの選手ではあったけども、大会でベストを尽くせたのはこの曲の力があったからだと思う。
平凡でもいいじゃないかと、いつだって奮い立たせてくれた。
カルマ
必ず僕らは出会うだろう 同じ鼓動の音を目印にして
ここに居るよ いつだって呼んでるから
くたびれた理由が重なって揺れる時
生まれた意味を知る
初めて聞いた時にとんでもなく惹かれた。
その勢いはやったこともないゲームシリーズのテイルズ オブ ジ アビスを躊躇なく手に取るほどの強烈な衝撃だった。
歌詞もストーリーも全部噛み合っていて、とてもとても印象深い。
好きから好きが繋がった瞬間。
余談だけれども、カルマが収録された【orbital period】は個人的名盤。
「星の鳥」から「メーデー」の流れ…「voyager」の対になる「flyby」…
シャッフル再生なんてとんでもない！
初回限定版に付属していた絵本も今では公開されている。
宝物が何でも欲しくなる王様の物語。
ある時上空に浮かぶ珍しい鳥を見つけ、どうしてもそれを欲しがるが…
「Ever lasting lie」もそうだけど、こういう話にとことん弱い。
涙腺が緩み切った今では少し泣いちゃう。
You were here
まだ消えない 消えないよ
まだ輝いたままだよ
でもいつか消えちゃう 消えちゃうよ
こんなに
今こんなに愛おしいのに
初めてライブを見に行きたいと心から思った一曲。
だけれども結局行かず仕舞いのまま。
ライブへ行くような"熱"が自分には足りていない、とかいうそんな安っぽい言い訳を並べながら。
あとがき
思い出したかのように、古いアルバムを聴きながらこの記事を書いている。聴いていなかった期間の曲も、これからゆっくり、ゆっくりと聴いていこうと思う。
当時は漠然と聴いていたけど、自分と語り合うような歌詞多くが今の自分にとてもよく突き刺さる。
好きの始まりだって自分のフィーリングだったんだから、誰かと分かち合うとか、ブランクが長すぎるだとか、全てを知らねばファンに非ずだとか、そんなくだらないこと考えなくてもいいだろ。
単純に好きなら好きで、また始めればいいだけ！
なぁ、そうだろ？ ロストマン。
5年ぶりの新アルバム『Iris』2024.9.3発売！
迷子の俺を見つけてくれてありがとう。