白羽大地に告ぐ(羽学生の抱えるはば学コンプについて)
ど? アンタ、GS、楽しんでる? そ。
頑なに”う”を言わない七ツ森実が猛暑の夏をお知らせします。
というわけで羽ヶ崎学園のはばたき学園に対するコンプレックスについて、ぷらいべったーに載せた文章をほんのちょっとだけ手直して掲載します。
以前「(羽学生の)はば学コンプレックスについてどう捉えているか」といった旨のメッセージを頂いたことがあり(その節はありがとうございます)こちらをきっかけに急遽シリーズ中のコンプ片鱗シーンを再チェックし、興奮し、文字をしたためた次第です。
シリーズ歴代を通してやっている方にとってはいちいち文字にしなくてもいい情報かもしれませんが、シリーズ3作目でいったん落ち着いたはずの羽学→はば学のコンプレックスが、4の白羽大地なる男で大爆発してしまっているのは何故か、という私なりの雑感をここに記そうと思います。
羽学生によるはば学生へのコンプレックス
そもそもの話ですが、ときメモGSシリーズにおいて舞台となる高校が現在二つあります。それがはばたき学園(以下はば学)と羽ヶ崎学園(以下羽学)です。ゲーム中は余多門工業高校やきらめき高校といった他校もあるにはあるのですが、メインははば学と羽学になります。基本的にプレイヤーは同じ学校の男の子たちや女の子たち、はたまた先生といった多くのキャラクターと三年間ミッチリ青春を繰り広げていくわけですが、同じ高校にたんまりといる素敵な男の子たちをさておいて、”他校生との恋愛”といううまみも味わうことが出来るのです。例外もありますが、はば学時のプレイヤーが出会う他校生は羽学生だし、羽学時に出会う他校生ははば学生、という構造がシリーズ4作目まで一貫しています。
同じはばたき市にあるこれらの高校ですが、進学校・羽学に対し、なんとはば学には”名門”という肩書が1の時点から存在します。なんてことだ。しかも、羽学生がはば学生に「名門」「金持ちで優等生」と突っかかること多数。なんてことだ。
学歴コンプレックスなんて愚の骨頂。差のあるような表現はやめていただきたい、と思うも束の間、この羽学sageはば学ageは基本的に羽学生しかやっていないんですよ。なんでだよ自信持てよ!!
……という憤りそのままにシリーズをもう一度再プレイした結果、なんとなく両校について掴んだ手触りが以下です。長くなったので先に結論を提示するスタイル。
結論
はば学と羽学は、ほぼ同じ進学率(≒偏差値)だがわずかにはば学が上
羽学ははば学に比べ入試ハードルが低い
羽学はスポーツにも力を入れているほか、校風がはば学より自由
はば学は入学費用等々が羽学より高い
同じ市内にある進学校ゆえに周りから比較・揶揄されがちで、歴史のあるはば学の方が格式が高いと認識されている→羽学のはば学コンプの土台
このような感じです。シリーズを通しでやってる方にとってはンなモン当たり前だろうがよォ~案件かもしれませんが、文字にして明示するのって大事だと思うんですよ。ねぇ聞いてる? 大地くん!
二つの学園について
前述した結論に至るまでの、ゲームをプレイして見ることのできる両校についての情報を記載していきます。
はばたき学園
はばたき市にて1951年創立(卒業式立て看板より)
主人公が入学式にて「名門・はばたき学園」と表現する
以下、羽学生によるはばたき学園評
GS1 天童壬(対GS1主人公)
「はば学のお嬢さんってワケか」
「お高くとまってるし」
「金持ちで優等生のはば学のお嬢さんじゃ、寄り道なんてできないか」
GS2 主人公(対赤城一雪)
「やっぱり頭もいいんだろうな」
「はばたき学園の生徒だもんね?(はば学の制服を)自慢したくてしょうがないんだ」
「お金持ちが多くて頭もよくて、ちょっと気が引けちゃうかも」
GS3 蓮見達也(対GS3主人公)
「名門はばたき学園だろう?」
GS4 白羽大地(対GS4主人公)
「名門、はばたき学園やろ?カッコえぇわァ」
「なんで君みたいな名門高校の女の子がスタンドでバイトしてるん?」
「はね学でならトップやけど。けど、はば学の君とは月とスッポンや」
「(羽学で基本テスト順1位の成績で)オレな、これから必死に追いつかなあかんのや/君に追いつく。君を追いこす」
「君ははばたき学園の優等生。オレは羽ヶ崎学園の優等生。……わかるかなァ、言いたいこと?」
羽ヶ崎学園
はばたき市にて1986年創立
主人公が入学式にて名門と表現しない
最初のHR選択シートで
「進学校で有名だったから」「スポーツで有名だったから」と記載
生徒会入部時、氷上が「我が校の自由な校風を好き勝手にやってもいいと勘違いしてる生徒が多いと思わないか?」と表現
以下、はば学生による羽ヶ崎学園評
GS1 モブ女子(対天童壬)
「あれはね学じゃない?」
「ホントだぁ! うわっ、目つき悪う。なんか怖いねぇ」
「ガラ悪いよねぇ」
「またはね学の人が来てる/誰か付き合ってる子でもいるのかな、迷惑ぅ」
※この場合見た目がバチバチのヤンキー・天童に原因があるのでこの評をイコール羽学とするには不適切だが、モブの口調から羽学に対し良い感情を抱いてるとは受け取りにくい(GS1当時)
羽学生落ち着いてくれ
おいおいおい羽学~~!!はば学コンプがエグすぎるよ。なんでそうなっちゃったんだよ。GS2の主人公キレッキレにもほどがあるだろ。
……とはいえ同じ市内に進学校を謳った学校が二つあるのです。しかも一つは歴史ある名門であり、羽学生の発言からふまえて授業料などはお高いのでしょう。裕福な家庭の子が進学するイメージがGS2までの時代では蔓延っているようです。学校が創立されるのも30年ほど差があります。新しめの学校が羽学。同じ市内に構えるには名門・はば学はかなり強い存在でしょう。
ただし、羽学から見てはば学は雲の上の存在ではない。羽学はいわゆる”自称”進学校ではありません。進学するメンバーを見ても進学率・進学先に圧倒的差はなく、どちらも一流大学および二流大学に同じくらいの生徒数を輩出しているのがわかります。つまり偏差値の差はほんのわずかなことが推察できる。
とはいえ何故こんなに羽学生の間にはば学コンプがあるのか。やはり比べられ揶揄されてきた故に生じたものだと思います。それに、GS2までよく登場する「金持ち」のワード。これが肝じゃないでしょうか。
つまり、以下のようなことが考えられます。
とても勉強のできる中学生・Aが居るとします。
Aがどの高校に進学するか悩んだ際まず浮かぶのが【はば学か羽学か】という選択肢。親もきっと「どっちに行きたいの?」なんて言うのでしょう。
しかしAの家の経済状況が若干芳しくなく、かといって特待生で授業料免除を狙うには厳しい場合、きっと親にこう言われるのです。
「ごめんねA、ウチだとはば学は厳しくて……」
そんなこと言われたらAもわかってるよと言わざるを得ない。「大丈夫、ウチの中学から羽学に行く人多いからさ。気にしないでよ」……そんな親子の会話が見えます。私には見えました。アンタは、ど?
同じ市内、ほぼ同じレベルの学校を選ぶ際、経済状況が重要になるのなら、どちらも行けたがはば学には行けなった場合、入学前から劣等感をほんのり抱いてしまうんじゃないかな。
羽学の特徴や強み
羽学を語るうえで重要なのが、入試ハードルの低さにあります。
GS2の氷上格という真面目・堅物の看板を持たされた学力枠の男の子がいます。とても勉強が好きで努力を惜しまない男です。明確に夢が決まっていて、実際に一流大学に進学する。また、親戚である氷室零一を慕っています。ところが彼、羽学にいるんですよね。普通ならはば学を志望しそうなものですが。
……実はその通り、彼ははば学志望でした。ところが入試の日、運悪く風邪をひいて受けることが出来なかったのです。そこであえなく、羽学の試験を受け入学する運びとなりました。ということは、羽学ははば学の入試スケジュールよりあとにも猶予があることになります。昨今の受験状況もろもろの状況がわからないので申し訳ないのですが、セオリーで言えば受験難易度が低いほど、受け皿を大きく広げている印象があります(現在は違ったら申し訳ない)。この理論の場合、先述したように羽学は少なくともはば学よりは入試ハードルが低かったのではないか。私はそう思っています。
さらに、氷上くんは羽学についてこのような表現もしてくれます。「自由な校風」。おそらく、はば学より自由な校風を誇るのが羽学なのでしょう。
羽学は、進学校で、スポーツも有名という自負があります。
それにくわえて、GS2の入学式後のHRにて書く自己紹介シートのテキストも見逃せません。趣味や入学理由を問うてくる自己紹介シートはパラメーター振り分けのためのものなのですが、その中で【高校生になって、やってみたいことは?】という設問があります。そこの回答候補に【アルバイトをしてみたい】というものが存在するのです。
つまり、学校が配布するシートに(この場合若王子先生が個人的に作ったシートでは、という可能性は捨てます)に、アルバイト? シャカリキにやって良いよ~~!!むしろOK!!頑張れ~~!!的な提示があるのです。【もちろん、恋がしたい♡】のトンチキ選択肢もあることは触れないで欲しい。
はば学もアルバイトはOKですが、学校側から積極的な提示が出たことはありません。禁止はしてないからお好きにどうぞ、ぐらいなスタンスに感じます。おそらく成績が芳しくなかったら指導される……そんなニュアンスを感じています。
話を戻します。
おそらく、はばたき市で市内の高校に進学したいと考える勉強が出来る・大学進学をなんとなく考えている中学生が居たとして
経済的にお家に余裕があって、勉強が出来るor好き→はば学
勉強は出来るor好きだけど、部活とかアルバイト楽しみたいな→羽学
という進路の選び方ではないでしょうか。
そして家庭の経済・金銭的差については、GS2までは明確・強烈に存在していたけれど3以降は和らいでいる……そんな気がしています。
だって1と2での羽学→はば学の感情が卑屈すぎる。お高くとまったお嬢様・お坊ちゃま学校ですってよ。おい今すぐ鈴鹿のテスト成績を見せて差し上げろ!!大地、目をかっぴろげてとくと見ろ!!これがはば学のお坊ちゃまの点数だぞ!!わかったらもう二度と連絡先ブロックするなよ!!!
これらを踏まえ、先述した結論を改めて再提示します。
はば学と羽学は、ほぼ同じ進学率(≒偏差値)だがわずかにはば学が上
羽学ははば学に比べ入試ハードルが低い
羽学はスポーツにも力を入れているほか、校風がはば学より自由
はば学は入学費用等々が羽学より高い
同じ市内にある進学校ゆえに周りから比較・揶揄されがちで、歴史のあるはば学の方が格式が高いと認識されている→羽学のはば学コンプの土台
これらについて、ゲームで描かれたテキストではなく別の視点から補足していきます。
はば学に通う”記号的”金持ち
はば学に通うのはお金持ち……これはGS2の主人公も声を大にして言っています。名門かつちょっと敷居が高いのがこの言葉だけでわかる。
そしてそれは通っている者たちを見てもわかるのです。
◆実家が激太かつそれを周囲も知っている”記号的”金持ち
三原・須藤・設楽・花椿一族
◆実家が由緒ある/太であるがギリギリ”記号的”金持ちではない
葉月・守村・姫条・桜井兄弟・風真
◆実家が単純にデカすぎる!(個人的見解)
本多・七ツ森
潤いすぎでしょ。
私の中の記号的金持ちのキャラクター像はちびまる子ちゃんでいう花輪君なのですが、そのレベルの人間がいすぎる。日本の経済はお前たちが明るくしてくれ。はばたき市潤いすぎではないか。
とまぁボヤキはさておき、このような”記号的”金持ちキャラクター、GS2には居ないのです。正確に言えば居るんですけど(※太郎や姫子/姫子はホラー的存在なので省きます)運転手や執事が居るような家に住む男は居ないのです。
余談ですが、GS4ではそういう”記号的”金持ちキャラクターが居なくなったなと思っていますが、その代わり男の子たち全員の家がめちゃくちゃ太くなりました。信じられない。一人暮らしをしている七ツ森、住んでる家見てください。めちゃくちゃいいマンション。モデル活動でそこまで忙しそうにしてない(忙しくてしんどいという描写が薄いので)ところから、全部自分で出してるわけが無いと思っているので、さすが実家がビル持ちの激太族と思いを馳せてしまいます(というか持ち物件の可能性がある)。
あと本多の家がエッグい太い。一体なんなんだ……何をしているんだ……?
対して羽学はどうか?
では、羽ヶ崎学園に通う男の実家が太くないか、というとけしてそうではありません。あくまで一般的以上・あるいは平均的なものと言えると思います。というかGSに出てくる男たちの家が大概デカすぎるだけ。
何故ならGS2・羽学には実家が日本舞踊家本の針谷がいます。大きな会社の社長を親に持つクリスがいます。なんだかしゃらくさいけど公式で「金持ちで、高級マンションに住んでいる」と言われた真嶋がいます。
ところが、あからさまに家が暗く、小さめに描かれる転校生が居るのも事実です。
その男の名前は古森拓。
GS攻略キャラクターに関西弁以外の方言という風を持ち込んだだけでなく、内気で、名前の通り不登校という乙女ゲームの登場人物としてかなり挑戦的な男の子でした。
そんな彼の家、集合住宅のにおいがプンプンするんですよ。表現はこれでいいのだろうか。別に現代社会では当たり前のことなのに、実家の外観が激太ぞろいのGSシリーズにおいては悲しいかな浮いてしまう。なんというか、アニメ版エヴァの綾波の住んでる家みたいなんですよ。廊下暗い暗い。
おそらく古森家、ほかのGSの男子と比較しても経済的に超裕福、とは言えない感触があります(急な引っ越しのため仮住まい的な家ではないか、という疑問もあるかと思いますが三年間こうなのでそうではなさそうです)それに、はば学より転入の際のハードルも低かったんじゃ無いかな。
そしてもうひとつ外せないのは、白羽兄弟と言う存在です。
彼らの生家ははばたき市から遠く京都で、兄弟そろってはばたき市で働く姉のマンションに居候しています。実家から兄弟全員が出て、どうしてもと希望したのではなく正直高校はどこでもよかった、というあまりにも不安を煽るバックボーンが彼らにあるのですが、話が脱線するのでそれはさておき。
白羽兄弟の経緯は以下です。
姉がはばたき市に居るから、自分もそこに行くとまず兄の空也が転がり込む。そして羽学に通う。その一年後、兄が居るから別に同じでいいか、という理由で弟の大地もマンションに転がり込む。いや実家に何かしらの問題が無いとそんなことないでしょ、一体彼らに何があったんだよ!という思いを捨てられないのですが、今はそうじゃない。
とにかく、実家から遠く離れた場所で姉が弟二人の面倒を見ている状況になります。おそらく(これは希望的観測であり全く違うことも考えられる)入学や授業料に関するものは親かそれに類する人が払っているのでしょうけれど、仕送り的なものもするとなるとかなりの負担です。
何せ兄弟二人。同時に「金持ちが通う」と言われる名門はば学に通うことは出来たでしょうか。
ここからは私の幻覚1000%の話として聞いて欲しいのですが、空也がはばたき市に行くとなった際、高校はどこにしようかな、どこでもいいな、とあのふんわりな頭で考えていたはずです。
そこを姉のマヨが「通うならヤンキーの多いとこじゃなくて進学校にしてよ(何故なら空也はぼんやりして話に流されるしなんなら騙されそうなので(※正解))」と助言した。
「あ、じゃあはば学ってのがあるみたい」と言った瞬間
「アホ! そこははばたき市のお坊ちゃんが通う所や!」と言われ、
「じゃあその次の進学校……うん、羽学にする」と決まったんじゃないかな。この会話、私見た気がする。怖いよ、オタクが見る幻覚が(幻覚・終わり)
少々脱線しましたが、古森拓・白羽兄弟の事例を見ると、やっぱり古森も白羽兄弟もはば学ではなく羽学で最適解だなって思うんですよね。
この子たちがはば学に居るともはや不自然に思えてしまう。
なんというか、偏差値的な差・学力の違いによるコンプレックスでは無くて、あくまで【金持ちが通う】【歴史がある】名門学園だから、羽学から見たはば学が格上的な存在に見えるんじゃないかなって思えてきました。
とはいえ、GS3・4ともなると羽学生からはば学生のことを語る際”名門”だけが目立ち”金持ち””お高くとまってる”というニュアンスが消えています。3に至っては描写がかなりアッサリしている。
時代が新しくなるにつれて、二学園間の認識、とくに羽学→はば学の感覚がフラットになりつつあるんだろうな。
そう思っていました。
ところがシリーズ最大のはば学コンプ男がGS4に登場します。
出番だよ大ちゃん!! バイトを辞めるな!!
白羽大地のはば学コンプについて
白羽大地の言動を見てみると、やたらはば学と羽学を比較します。
「月とスッポン」なんて表現もします。あまりに卑屈。母校やぞこちとら。
しかも、特に理由なくただ兄が居るからと言うそれだけで通った羽学、ではなく、きみと同じはば学に通っていたらというたらればを何度も話します。何なんだオマエは。GS3の蓮見達也を見習ってくれ。アイツ全ッッッッ然気にしてないぞ。
GS3でいったん落ち着いた羽学→はば学の感覚をもう一度掘り起こし、グチャグチャにして劣等感をむき出しにした大地、一体どうしちゃったんだよ。
多分ですけど(というかここまで長々と書いた文は全部捏造ですけど)
GS4の時間軸において、大地以外の羽学の子たちって1や2のときと違ってはば学に対してもう少しフラットなんじゃないかな。とはいえネタ的に「はば学行きたかったな~」「天下のはば学様」とかそういう自虐揶揄いムーブメントは残っていて、地域の人やちょっと年上の人は「名門・はば学はこの辺りで一番の進学校で歴史のあるお高い学校」という印象がまだある段階。
にもかかわらず、大地がここまではば学コンプを拗らせたのって、京都から引っ越してきたはばたき市新参者っていうのが大きいと思います。
はば学コンプが出来るまで
おそらく、はばたき市に越してきた兄・空也に対し、それより前から越してきてはいたけどまだ市の歴史や現状、ノリがわかってない姉・マヨが経済状況から羽学を進める。姉から聞いてる超名門とかそういう単語がまず白羽家で独り歩きするわけですね。
そのあと無事入学した大地も、ことあるごとに羽学に蔓延るはば学様ジョークを耳にする。進学率も偏差値もそこまで変わらない学校のことを「あそこは名門で金持ちで優等生ぞろいの学校でなぁ!(まぁ今は色んなやつがいるみたいだし昔の話なんだけど)」と教えてくれるクラスメイトの言葉ですが、大地は括弧の中の言葉はまるで耳に入ってない。今ではあまり思われてない、はば学=”金持ち””優等生”の単語がまず大地にインプットされる。
そんなとき、彼ははば学の女性とアルバイト先のガソスタで出会う。すると彼はどうなるか。
こんな力仕事で汚れるし大変なバイトを、まさか名門・はば学の可愛らしい子ぉがやるなんて意外や♡♡♡♡♡
こんなにわかりやすい前フリがありますか。ギャップでメロメロフォーリンLOVEですよこんなの。もしGS4主人公(=マリィ)がそのまま羽学に居たら大地は一目惚れをしたかどうか問題は、私は否と思っています(恋をするかどうかは別問題です)。あのはば学の女の子ぉが……というファースト・ギャップが一目惚れを生んだと思います。
そして大地は、マリィとアルバイトで親睦を深めていくわけです。
そんな彼のテキストを見ていくと(イベント進行順で致し方ないのですが)意外にも、最初の方ははば学の神格化・むき出しのコンプレックスを抱いていません。
ところがマリィの知り合いは激アツ確定演出・大粒ぞろいのスター軍団で、大地は徐々に劣等感を抱く。
彼は羽学ではずっとテスト順一位で、順位ではなく全教科満点を取るという別次元の目標を持つ男で(この辺のイズムは颯砂に近い)、かけっこだって敵なし。持ち前の人懐っこさと笑顔でバイト客の評判も良い。
しかし彼女の周りにいる男は軽くオレを超えていくわけです。
その状況に少しずつ劣等感が溜まっていく。
仲良くなってしまい勝負の形を取らなかった対本多イベント、
別のカリスマ性・方向性を見出せた対風真イベント、
唯一直接対決をして負けた対颯砂イベント。
何でも器用にトップを取れたしそれでよかった大地が、アレッとなってしまう瞬間です。世間的にはば学の次ぐらいだと位置づけられている羽学、つまり二番手の学校に居るという事実が彼を蝕む。
だからバイト辞め直後の電話で「君ははばたき学園の優等生。オレは羽ヶ崎学園の優等生。……わかるかなァ、言いたいこと?」なんて言えるんです。
おい大地、二つの学校に大差はないぞ。むしろ羽学のテスト順で一番なら学力は全然変わらないしむしろ上だぞ。……でもそんな言葉彼には届きません。だって、周りと自分自身の評価による”二番手の学校”が拭えないから。実際の能力や現時点での差は関係ないんです。大地自身が認められないんだから。だってオレは羽学、きみははば学の優等生。
そんなこと言うなデートに花火大会誘えよふざけてるのか。
質の違うコンプレックス
よって、白羽大地が抱くはば学コンプはGS1・2のものとは本質が違うと思うんです。
GS1・2では【頭がよろしくて金持ちがいっぱいいる、なんとなくお高くとまってるイメージの名門・はばたき学園への嫉妬/負い目】からくるコンプレックスの発言でした。
しかしGS3以降だと、はばたき学園については”名門”という言葉だけが残り、金持ちだのお高くとまってるだのそういうイメージはすでに消えています。そのはずなのに、恋の色眼鏡と嫉妬と劣等感で大地は周りが見えなくなってしまう。やたらと卑下しています。「月とスッポン」だなんて羽学生が聞いたら泣いちゃうよ。私は泣いたよ。悪いと思うならデートに遊園地誘えよふざけてるのか。
とにかく、大地の中で劣等感が増しに増して負のループに入ってしまい、そこから抜けきれないと【バイト辞めの着信無し失踪ルート】、そのループから「きみの一番になる」「きみを追い越す」「相応しい男になりたい」と決め、高校を卒業し一流大学という同じステージでトップを取りたいに目標を設定出来たら【バイト辞めるもデートは継続ルート→大地END】になる。そういう違いを私は見出しています。
ところで、彼はしきりに”一番”といいます。二番手では嫌だとも言います。先述の通り、はば学と羽学自体が一番手・二番手の構造です。それに、大地ルート攻略ではスチル名が【天才VS秀才】とつけられた敗北イベントが必須です。彼のストーリーは二番手からの脱却・きみの一番がテーマである以上、羽学生としてはば学コンプを際立たせたいイベント、テキストになるのは致し方ありません。しかし、過去作の時間軸で存在していたはば学コンプとは質が違い、大地はマリィおよびその周りの男たちに劣等感を刺激され発生したコンプレックスだと私は考えています。
はば学の子ぉに一目惚れし、親睦を深め人脈が見えてきたことで生まれたコンプレックス。何でも好奇心を示し実際にこなしてしまう大地にとって、初めて抱いたものではないでしょうか。なので断言しますが、GS4の時間軸であそこまではば学コンプを抱えている羽学生は大地だけだと思います。
まとめ
長すぎてビックリした。ど? アンタ、疲れた? そ。
どとそのサンドアンタトッピングで安易に七ツ森風にするのはどうかと思いますが、再提示ふまえてまとめです。
はば学と羽学は、ほぼ同じ進学率(≒偏差値)だがわずかにはば学が上
羽学ははば学に比べ入試ハードルが低い
羽学はスポーツにも力を入れているほか、校風がはば学より自由
はば学は入学費用等々が羽学より高い
同じ市内にある進学校ゆえに周りから比較・揶揄されがちで、歴史のあるはば学の方が格式が高いと認識されている→羽学のはば学コンプの土台
GS3以降では羽学→はば学の【お金持ち】【優等生】【お高くとまってる】というニュアンスからきたコンプレックスがほぼ無い
にもかかわらずGS4・白羽大地のはば学コンプが強烈な理由は
はばたき市新参者で、両校がフラットになっている現状・過程を知らない
マリィという子ぉに一目惚れしたが故に、はば学のスーパースターたちに劣等感を大いに刺激されてしまった
はば学が一番手・羽学は二番手という構造と自らの立ち位置の類似
ストーリーテーマが二番手からの脱却のため(メタ的視点)
メタ的視点で言ったら元も子もないですが、概ねこのような手触りを得ました。全く大した男だよ白羽大地。こちとら一年目で水着も浴衣も買ってるんだぞ。スタリオン石油だととある男の特化パラになることを忘れるんじゃないぞ。一番じゃないと嫌だと言う男、もう一人知ってるんだが大丈夫か? すぐに掻っ攫われてしまうぞ、聞いてるか大地やい。だから絶対に連絡先消すんじゃないぞ。
だから、今度の日曜、デートしぃひん? この夏は海で決まりやで!(海にも誘えやEND)