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フグに口無し 2020/07/22
日記
・なんだか妙なもどかしさがある1日を送った。何か不安ごとがあったりするわけではないけど、なんとなく心の晴れない一日。何が原因なんだ。姿を現せ!!!とっ捕まえて鍋にして食べてやる。
・もんやりとしたもどかしさ鍋 木曽路にてぜひご賞味ください。
・鍋と言えば、お夕飯にお歳暮でもらったフグを食べた。フグはうまい。毎日食べたい。フグのサブスクとか誰かやってくれないかな。毎日30枚ほどのフグの刺身が封筒に入って、ポストに届く。安価で良いフグを届けるために鮮度は度外視、配達員がどれだけ早くあなたの家に着くかで全てが決まる!
・今日のクローズアップ現代+で紹介されていた、死者とメールができるようになる技術や、VRで死者と触れ合える技術が凄かった。前者は完全にブラック・ミラーの世界観。というか、ほとんど同じ技術が出てくる話があった。
・VRの方の動画
・VRの世界で、7歳という若さで亡くなった娘と触れ合う母親の姿や、それに伴って出てくる一つ一つの言葉が真に迫ったものがあって、この技術自体には否定的な立場だったんだけど、母親の気持ちを考えると涙が出てきてしまった。この娘の存在は虚構で、話している言葉自体もたぶん他人が考えた脚本でしかないけど、母親から出てくる言葉は紛れもなく本物であって、その後のインタビューで「少しだけ悲しみが晴れた」と言っていたその気持ちも本物だろう。
・これは、VR化された人間の人格を無視したものだし、死者の尊厳的な観点から見ても問題だらけであることは確かで、思ってもないことを言わせるという点では、死者に「あー殺人衝動が抑えられねぇ」みたいなことを言わせるのと何が変わらないのか、とも思う。でも、この技術で気休め程度でも悲しみが晴れて、救われる人が大勢いるのもまた事実で、それこそ↑のお母さんのように生前に伝えられなかった思いを吐露して前を向けるようになる人だっているかもしれない。
・「死人に口無し」の状況を一度認めて、「それでもなお今生きている人たちが前を向けるようにしなければならない」みたいなことを言われたら、それはもう否定できない気がする。生きている人を救うためなら、死者の尊厳を踏みにじることって許されるのかなぁ。わからん。そもそも死者の尊厳なんてものが存在しているのか、あるとすればそれを守る必要があるのかどうなのかもわからない。
・あと、VRの世界から戻って来られなくなる人が出そうなのも怖いし、どこかのタイミングでVRでの体験なんて全て嘘っぱちで、伝えられなかった思いを3Dデータに伝えても本質的にはなんの解決にもならないことに気づいてしまった時のことを考えると怖い。それまで、VRの体験のおかげでなんとか保っていられた気持ちがそこに気づいた瞬間に瓦解して、体験する前よりも深い絶望に落ちてしまいそうで。上がって、落とされるのはきつい。