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ピクニックに騙されるな! 2021/03/29
日記
・桜が咲いていた。
・前は登下校の道に桜の木があって、朝通るたびに「おっもうすぐ咲きそう」とか変化に気づくことができていたんだけど、外に出る機会が少ないと知らん間に満々と咲き散らかしているのでびっくりしてしまう。
・こんな浅い驚き、コロナ生活1年目で済ませるやつだろ。2年目の驚きではない。
・でも、2年目とかそういう感覚ってあんまりないな。始まりも曖昧だし、地続きで区切りがないことなので、何年目とか言われてもいまいちピンとこない。長い1日がずっと続いている感じだ。
・ホームセンターでホットサンドメーカーを買った。数年前から漠然と欲しいなという気持ちが心のどこかにあったものの、ずっと「いま買わなくてもいっか」を繰り返していた。それをようやく! 今日も一瞬「まぁいま買わんでも……」と思いかけたのをグッと押し止めて、いまだーーーー!!!!とレジへ持っていった。
・ホットサンドはいいよなぁ。朝食べてもいいし、昼に食べてもいい。それだけで1日がぱっと明るく、豊かになる。そういう意味では、ホットサンドは絵画と一緒かもしれない。飾ると部屋の空気を一変させる絵画のように、ホットサンドも空気を一変させる力を持つ。私の家に空気を変える絵画はないが、あつあつのホットサンドを作る鉄板はある。金子みすゞもそういう詩を残していた気がする。
・ホットサンドを作って、竹で出来た籠に入れて、誰もいない草原へピクニックに行こうかな。食べ終わったら水筒のジャスミン茶を一杯飲んで、緑の風を受けたまま少し昼寝をする。起きたときはもう夕方だから、沈む夕日のオレンジが帰る私の背中を燃やす。
・こういう疲れたOLみたいなことを最近ずっと考えている。もうダメなんだ……。屋上でバレーボールもやりたい。
・そんで、頭で考えてる分には素敵な休日なんだけど、リアルに想像してみると、まずホットサンドは冷めて滲み出てきた水分でシトシトになっているだろうし、風が強いからホットサンドを食べた後の籠がどこかへ飛ばれるだろうし、寝ようと背中を芝につけたら土とかですごい汚れる上に湿っているだろうし、全く良いことなしなんだよな。
・ピクニックという字面のへんてこかわいさに騙されてはいけない。ピクニックを成功させられるのは、普段からちゃんとしていて、先行きが見通せる人だけ。常人は「あ〜〜ホットサンド籠の中でぐちゃぐちゃになってんじゃん〜!うわっ、水筒も蓋ちゃんと閉まってなくてこぼれてる!! 半袖で来たら午後から結構冷えるんだけど!」となるだけ。恐ろしい。
・あと、鉄板についている網模様は完全にデザインとしてのもので、内側は平らになっているので焼いても網模様はつかないっぽい。別にいいんだけど、ふーんと思った。