【岸田内閣は安倍傀儡政権なのか?】安倍政権、7年半の不祥事を振り返るとこんなにあった!~安倍政権とは何だったのか。この約8年で破壊されたものは?~
■安倍政権、7年半の不祥事を振り返るとこんなにあった
女性セブン 2020.07.15
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7年半続いた安倍政権の終わりと、新しい時代の始まりが近づいている。
新型コロナ流行は、瞬く間に安倍政権を“オワコン”に変えた。
いまこそ、政治の中枢で何が起きているのか、私たちはしっかりと目に焼き付けるべきだ。
7年半どのような不祥事があったのか。
発足から今までを振り返る。
●2012年12月26日 第二次安倍政権発足
●2013年6月24日 経済政策『アベノミクス』発表
●2013年9月7日 五輪招致「アンダーコントロール」発言が物議
東京五輪招致のための最終プレゼンにおける安倍首相のスピーチ内容が物議をかもした。東日本大震災が起きた直後であり、汚染水の流失が完全には止められていなかったにもかかわらず「The situation is under control.(状況はコントロール下にある)」と発言。
「汚染水は福島第一原発の0.3k㎡の港湾内に完全にブロックされている」など過剰かつ軽率な「安全アピール」に批判が集まった。
●2013年12月6日 特定秘密保護法の強行採決
国の安全保障にかかわる重要な秘密を漏らした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法が採決されるが、「知る権利を侵害される」など野党から批判が起きた。しかし、最終的に強行採決を行った。
●2014年4月1日 消費税を8%に引き上げ
●2014年10月20日 小渕優子経産大臣が違法献金で辞職
小渕優子経産大臣の後援会バス旅行をめぐる不透明な会計処理が発覚し、辞職。データなどを保存するハードディスクが捜索以前に電動ドリルで物理的に破壊された隠蔽工作も話題に。元秘書が有罪。
●2014年10月20日 松島みどり法務大臣が「うちわ」問題で辞職
自身のイラストや名前が入ったうちわを選挙区内で配ったことが寄付行為にあたると国会で追及され、安倍首相に辞表を提出した。
●2015年7月15日 安全保障関連法案強行採決
「違憲だ」という憲法学者の声もあり、世論調査でも6割が反対するなか、安全保障関連法案が強行採決された。これにより、集団的自衛権の行使を容認し、米軍の護衛が可能になった。
●2016年1月1日 マイナンバー制度開始
●2016年1月28日 甘利明経済再生大臣が「口利き」疑惑で辞職
千葉県の建設会社「薩摩興業」が土地買い取りをめぐって甘利経再大臣に都市再生機構(UR)に対する口利きを依頼し、見返りに総額1200万円を現金や接待で提供したとされる事件。甘利氏も秘書も不起訴となった。
●2016年7月22日 伊藤詩織さん事件で山口敬之氏不起訴
「安倍晋三首相に最も近いジャーナリスト」といわれた元TBSワシントン支局長の山口敬之氏(54才)が就職相談したフリージャーナリストの伊藤詩織さんに性的暴行を加えたとして被害届が出されていたものの、不逮捕および不起訴という結果に。
●2017年2月17日 森友問題発覚
森友学園が大阪の国有地を適正価格の1割程度で購入していたこと、また同学の名誉校長が安倍昭恵夫人であることが報道されるが、首相は関与を否定。「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べていた。
●2017年4月26日 今村雅弘復興担当大臣が失言で辞職
政治関係者が集まるパーティーでの挨拶において、東日本大震災の被害状況について説明した中で「これはまだ東北で、あっちの方だったからよかった。これがもっと首都圏に近かったりすると、甚大な被害があったと思う」と述べ、批判を浴びる。翌日、不適切発言の責任を取る形で辞職した。
●2017年5月17日 加計学園「総理のご意向」文書報道
朝日新聞が「これは総理のご意向」等と記された加計学園の獣医学部新設計画に関する文部科学省の文書の存在を報道。
●2017年7月28日 南スーダンPKO日報隠蔽問題
2012年から5年にわたって派遣された南スーダンへのPKOの日報について防衛省は当初、陸上自衛隊が廃棄したと説明していたが、実際には電子データが保管されていたことが判明。
意図的に隠蔽したのではないかという疑惑が持ち上がる。真相はうやむやのまま、稲田朋美防衛大臣が辞職する形で幕引きとされた。
●2018年3月7日 近畿財務局の男性職員が自殺
森友問題の文書改ざんを指示された近畿財務局の男性職員の赤木俊夫さんが自筆の抗議文書を残して自殺。後にその内容を夫人が公開し、訴訟に。
●2018年7月14日 「赤坂自民亭」が炎上
西日本の大水害で11万人に避難指示が出される中、東京・赤坂の衆院議員宿舎で自民党国会議員の懇親会「赤坂自民亭」が開かれ、安倍首相や小野寺五典防衛相、岸田文雄政調会長、竹下亘総務会長ら40人以上が顔をそろえた。ツイッターに写真がアップされたことで、国民から大きな批判を浴びた。
●2019年4月10日 桜田義孝五輪担当大臣が失言で辞任
東日本大震災の被災地である東北ブロック選出の高橋比奈子衆議院議員のパーティーで、「復興以上に大事なのが高橋議員だ」と述べ、責任をとる形で辞職。桜田大臣は過去にも池江璃花子選手の白血病が発覚した際「がっかりしている」とコメントするなどの失言が目立っていた。
●2019年11月18日 「桜を見る会」問題
安倍内閣になって「桜を見る会」の支出金額が急増し、予算の3倍になったほか、安倍首相や昭恵夫人の関係者が数多く招待され、反社会的勢力も来場していたことも発覚。招待基準の不透明さについて批判が噴出した。
招待者の内訳に関する調査記録を野党が要求したが、その直後に役所が招待者名簿をシュレッダーにかけていたことが判明した。加えて会前夜に安倍首相後援会の主催で夕食会が開かれ、その支出をめぐり公職選挙法や政治資金規正法違反が指摘されている。
●2020年4月7日 緊急事態宣言発令
●2020年5月21日 黒川弘務東京高検検事長辞任
産経新聞記者や朝日新聞社員と外出自粛期間中に賭け麻雀をしていたという週刊文春の報道を受けて、黒川検事長が辞任。検察庁法改正案に国民の批判が高まる中での出来事だった。
●2020年5月28日 持続化給付金事業の電通中抜き疑惑
コロナで困窮する中小企業や個人事業主を救済するための「持続化給付金事業」において電通が104億円にのぼる“中抜き”を行っていたという疑惑が浮上。
●2020年6月18日 河井前法務大臣・案里夫妻が逮捕
※女性セブン2020年7月23日号
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安倍政権、7年半の不祥事を振り返るとこんなにあった
女性セブン 2020.07.15
■安倍政権とは何だったのか。この約8年で破壊されたものは?
HuffPost(ハフポスト)2020年09月03日 雨宮処凛
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この7年間は、“公的な制度に守られている”ように見える人々へのバッシングが繰り返された。それは、「失われた30年」の果ての地獄の光景だったーーー。
7年8ヶ月続いた安倍政権が、終わった。
突然の幕引きだった。
2012年12月に発足して8年近く。
思えば、長い長い時間だった。
諦めや無力感を植え付けられるような、反対意見を言えば「晒し者」にされかねないような、常にそんな緊張感が頭の片隅にあるような年月だった。
ということを、終わって初めて、意識した。
自分はどれほど萎縮していたのか、8月28日、辞任の会見が終わってしばらくして、改めて感じた。
さて、第二次安倍政権が真っ先に手をつけたのが「生活保護基準引き下げ」だったことは、この連載でも書き続けてきた通りだ。
もっとも貧しい人の生活費を下げるという決断は、「弱者は見捨てるぞ」という政権メッセージのようにさえ思え、貧困問題に取り組む私は発足そうそう、足がすくんだのを覚えている。
そうして13年から生活保護費は3年かけて670億円削減。
もっとも引き下げ幅が大きかったのは子どもがいる世帯だ。
13年、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立したものの、その影で、生活保護世帯の子どもはそこから除外されるような現実があった。
引き下げ後、生活保護利用者から耳にするようになったのは「一日一食にした」「どんなに暑くても電気代が心配でエアコンをつけられない」という悲鳴だ。
この夏も数万人以上が熱中症で救急搬送され、すでに100人以上が亡くなっているが、その中には、節約のためにエアコンをつけられずにいる貧しい人々が確実にいる。
こんなふうに弱者を切り捨てる一方で、安倍政権は「アベノミクス」を打ち出し、ことあるごとに経済政策の効果を喧伝してきた。
が、その実態はどうなのか。
私たちの生活は、果たして楽になったのか?
例えば、「非正規という言葉を一掃する」と言いつつも、12年に35.2%だった非正規雇用率は19年、38.3%に上昇した。
また、12年から19年にかけて、正規雇用者は154万人増えた一方で、非正規雇用者は352万人増えている。
金融資産を保有していない単身世帯は12年では33.8%だったが、17年には46.4%まで増えた(18年以降は質問が変わったので単純比較できず)。
また、アベノミクスで「400万人を超える雇用を増やした」と胸を張るが、その中には、年金では生活できない高齢者や、夫の給料が上がらず働きに出た女性も多い。
現在4割に迫る非正規雇用の平均年収は179万円。
働く女性の55.3%が非正規だが、その平均年収は154万円。
安倍政権は「女性活躍」と打ち出してきたが、多くの女性が求めているのは「活躍」よりも「食べていける仕事」だ。
結局、この7年8ヶ月で潤ったのは、ほんの一部の大企業と富裕層だけだ。
そんなこの国を今、新型コロナウイルスが直撃している。
この連載でも触れているように、現在、私もコロナ経済危機による困窮者支援をしているが、8月の今も連日「もう何日も食べてない」「3月からなんとか貯金を切り崩して頑張ってきたがとうとうそれも尽きた」「日雇いの仕事にどうしてもありつけず、今日から野宿」などの深刻な相談が寄せられている。
真っ先に切り捨てられたのは非正規やフリーランスや自営業。
リーマンショックの時との一番の違いは、女性からの相談が多いということだ。
それもそのはずで、コロナの影響を真っ先に受けた観光、宿泊、飲食、小売りなどのサービス業を支えるのは非正規雇用の女性たちである。
また、「夜の街」と名指された場所で働く女性からのSOSも止まない。
相談内容は「近々寮を追い出される」などの深刻なものだ。
そんな人々が餓死しないために使える制度のひとつが生活保護だ。
しかし、利用を勧めても、「生活保護だけは受けたくない」と頑なに首を横に振る人も少なくない。
そんな光景を見るたびに思い出すのは、自民党が野党だった12年春の「生活保護バッシング」。
お笑い芸人家族の生活保護受給が報じられ、不正受給でもなんでもないのに一部自民党議員がこれを問題視。
片山さつき議員は厚労省に調査を求めるなどオオゴトにしていった。
そんな中、同議員は生活保護について「恥と思わないことが問題」などと発言。
このような報道を受け、制度利用者へのバッシングがあっという間に広がった。
今年6月、安倍首相は国会で、生活保護バッシングをしたのは自民党ではない、などの発言をしたが、今書いたことからもわかるように、生活保護バッシングをしていたのは思い切り自民党である。
自民党の生活保護プロジェクトチームの世耕弘成氏は12年、雑誌のインタビューで、生活保護利用者に「フルスペックの人権」があることを疑問視するような発言までしている。
このように、ちょっと調べれば誰でもわかることなのに「すぐバレる嘘をつく」のが安倍首相の癖だった。
さて、自民党が政権に返り咲く半年前の生活保護バッシングはメディアにも広がり、テレビ番組の中には「生活保護利用者の監視」を呼びかけるものまであった。
当然、生活保護を利用する人々は怯え、外に出られなくなったりうつ病を悪化させていった。
なぜ、あれほどまでに生活保護利用者という弱者が叩かれたのか。
当時野党だった自民党にとって、それはコスパがよかったからなのだと思う。
どれほど叩いても、生活保護利用者はさらなるバッシングを恐れて声を上げたりはしない。
当事者団体もなければ、彼ら彼女らの声を代弁するような団体もない。
そうして利用者を叩けば叩くほど、「自分たちはこんなに働いても低賃金なのに」という層からは絶大な支持を得る。
生活保護バッシングは、リスクを最小に抑えて「仕事してるフリ」「やってる感」が出せる格好のネタだったのだ。
そうしてバッシングによって溜飲を下げた人々からは拍手で迎えられる。
このような状況の中、自ら命を絶った生活保護利用者もいたが、彼ら彼女らがその死を知ることは一生ないだろう。
そして12年12月、自民党は「生活保護費1割削減」を選挙公約のひとつに掲げて選挙戦を戦い、政権交代。
そうして実際に保護費はカットされた。
その後も、生活保護バッシンクは続いた。
それだけではない。
16年には「貧困バッシング」もあった。
子どもの貧困の当事者としてテレビ番組で取材された女子高生の部屋に「アニメグッズがあった」などの理由で「あんなの貧困じゃない」というバッシングが起きたのだ。
このことが象徴するように、この7年間は「声を上げた人」が徹底的に叩かれるようになった7年間でもあった。
「貧しくて大変」と声を上げれば「お前よりもっと大変な人がいる」と言われ(こういう物言いには「犠牲の累進性」と名前がついているのだが)、政権を批判する声を上げれば時に非難を浴び、「炎上」する。
同時に、この7年間は、「公的な制度に守られている」ように見える人々へのバッシングが繰り返された。
生活保護バッシングや、「安定した」公務員に向けられるバッシングだけでなく、おなじみの「在日特権」はもちろん、「公的なケアが受けられる」障害者が「特権」として名指しされたりもした。
同時に「子連れヘイト」も広がった。
このような人々が「守られている」ように見えるのは、障害も病名もない人々が「死ぬまで自己責任で競争し続けてください。負けた場合は野垂れ死ってことで」という無理ゲーを強制されているように感じているからだろう。
「失われた30年」の果ての地獄の光景がそこにはあった。
もうひとつ、書いておきたいことがある。
それは安倍首相が何度も「敵」を名指してきたことにより、この国には分断とヘイトが蔓延したということだ。
その被害を、私も一度、受けている。
それは「悪夢狩り」。
安倍首相が「悪夢のような民主党政権」と発言した少し後のことだ。
「悪夢狩り」は、スマホにTwitterの通知が怒涛の勢いで表示されるということから始まった。
見知らぬ人々から「雨宮さん、一体これはどういうことなんですか?」などの質問が次々に届き、あっという間に数百通にも達した。
「私、何かやらかしてしまったんだ」と全身から血の気が引いた。
それはどう考えても「炎上」が始まった瞬間に思えた。
もう終わりだ。
心臓がバクバクして、全身に冷や汗が滲んだ。
その間も通知はすごい勢いで届き続ける。
あの時、電車のホームにいたら飛び込んでいたかもしれないと今も思う。
そんな「リプ攻撃」は一時間ちょうどで終わった。
人生で、あれほど長い一時間はなかった。
のちに、それが「悪夢狩り」というものだと知った。
「悪夢のような民主党政権」と関係があった人物が次々とそのようにしてSNS上で「狩り」に遭っていたのだ。
何月何日何時からと時間を決めて、大勢が一斉にリプを送る。
参加する方にしたら軽い気持ちでも、やられた方は追い詰められる。
自ら命を絶ってもおかしくないほどに。
民主党政権時代、私は厚労省のナショナルミニマム研究会に所属していた。
それ以外にも、民主党政権とは、貧困問題に取り組む中で様々なつながりがあった。
私にとってこの「悪夢狩り」の経験は、第二次安倍政権を象徴するものだ。
国のトップが、誰かを「敵」と名指しする。
それを受け、「安倍政権が敵とみなした者には何をしてもいい」「自分たちが成敗せねば」という思いを持った人々が誰かをみんなで袋叩きにする。
トップは決して手を汚さない。
このような忖度のもとで、いじめや排除が正当化され続けてきた7年8ヶ月。
「言論弾圧」という高尚なものですらなく、もっともっと幼稚な、子どもが小動物をいたぶるような感覚に近いもの。
安倍首相は、そんなことを繰り返してきた。
自らを批判する人々を「左翼」「こんな人たち」と名指し、また国会で「日教組日教組~」とからかうような口調で言ったのを見た時、怒りや呆れよりも、恐怖を感じた。
クラスの中の、人気も信頼もないけど偉い人の息子でお金持ちという生徒が、「今からみんなでこいついじめよーぜ」と言う時の表情にしか見えなかった。
そんな子どもじみたやり方で進められる分断は、時には誰かを殺すほどのものになるのではないか――。
安倍首相が誰かを名指すたびに、総理大臣が「誰かを袋叩きにしてもいい」という免罪符を発行することの罪深さを感じた。
しかし、それに異を唱えたら自分がターゲットになってしまうかもしれない。
ターゲットにされてしまったら、終わりだ。
そんな恐怖感が、私の中にずっとあった。
そんな安倍政権が終わるのだ。
冒頭に書いたように、私はどこかほっとしている。
今までずっと緊張の中にいたのだと、終わってから初めて、気づいた。「悪夢狩り」のことだって、今だからこそこうして書ける。
いつからか息を潜めるような思いで生きていたことに、終わってやっと、気づいた。
7年8ヶ月。
その間には、特定秘密保護法、安保法制、共謀罪など、多くの人が反対の声を上げてきたことが強行採決された。
私たちの声が踏みにじられ、届かないことを突きつけられるような年月だった。
声を上げることによって、見知らぬ人たちからネット上で凄まじい攻撃も受けた。
そんなことを繰り返しているうちに萎縮し、無力感に苛まれるようにもなっていた。
この約8年で破壊されたものを修復していくのは、並大抵の作業ではないだろう。
政治は私物化され、自分の身内にのみ配慮するやり方がおおっぴらにまかり通ってきた。
災害の中で「赤坂自民亭」が開催され、沖縄の声は踏みにじられ、福島は忘れられ、公文書は改ざんされ、そのせいで自死する人が出ても知らんぷりする姿は「民主主義の劣化」などという言葉ではとても足りない。
だけど、ここから始めていくしかないのだ。
なんだか焼け野原の中、立ち尽くしているような、そんな気分だ。
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安倍政権とは何だったのか。この約8年で破壊されたものは?
HuffPost(ハフポスト)2020年09月03日 雨宮処凛
■岸田内閣は安倍傀儡政権なのか?
“キングメーカー”の好き嫌いで決まる政治、国民にとっては不幸
論座(朝日新聞)2021年10月06日
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・安倍氏による党内閣支配?
岸田内閣が安倍晋三元総理の支援を受けて誕生した。
党の要職では、安倍氏と並んでトリプルAと言われた麻生前財務大臣が自民党副総裁に、甘利元経済産業大臣が自民党幹事長に就任した。
安倍氏が総裁選挙で強力にバックアップした高市早苗氏は政調会長に、総務会長には安倍氏が属する細田派の福田達夫氏が任命された。
これで、副総裁と党三役全てが安倍氏に近い人となった。
政府では、内閣の要の官房長官には細田派から松野博一氏、重要閣僚である財務大臣に麻生氏の義弟の鈴木俊一氏、経済産業大臣には安倍氏の側近の萩生田光一氏、がそれぞれ任命され、防衛大臣には安倍氏の弟の岸信夫氏が再任された。
萩生田氏については、当初官房長官を予定していたが、安倍色が強すぎるとして松野氏に落ち着いたと報じられている。
また、岸氏は体調不良で公務からしばらく遠ざかっていた。
他方で、総裁選を戦った河野太郎氏は広報本部長に格下げされ、河野氏を支持した石破茂元幹事長のグループの人たちや小泉進次郎前環境大臣は、閣僚には任命されなかった。
2012年安倍氏が総裁になったときでさえ、総裁選を争った石破氏を幹事長に任命している。
総裁選後の「ノーサイドだ」という岸田氏の発言からは、異なる結果となっている。
安倍氏が“小石河連合”は許さないとしたのだろうか、あるいは岸田氏が忖度したのだろうか?
ブラックボックスの中は、部外者にはうかがい知れない。
こうしてみると、報道されている通り、安倍氏の影響力の強い政権である。
安倍氏は、かつての田中角栄氏のようなキングメーカーになったようである。
・安倍支配打破?
ところが、岸田氏は総裁選で勝利した後、「生まれ変わった自民党の姿をしっかりと国民に示す」と宣言している。
また、「政治の根幹である信頼が崩れている」とも発言している。
この発言からすれば、国民は、安倍氏に抗して、財務省職員を自殺に追い込んだ森友学園問題や桜を見る会の真相解明に本腰を入れてやってくれると期待するだろう。
しかし、岸田氏は総裁選中に森友学園問題の再調査について問われ、いったんは「国民が判断する話だ。国民が足りないと言っているので、さらなる説明をしなければならない課題だ。国民が納得するまで説明を続ける」と前向きと受け止められる発言をした。
しかし、安倍氏が高市氏支持を表明した後に、「再調査をするとか、そういうことを申し上げているものではない」と述べ、再調査を否定した。
総裁選後の記者会見でも、「政治の立場からしっかり説明していかなければいけない」と語る一方、「行政において調査が行われ報告がしっかりなされている」などとして、ふたたび再調査を否定した。
党や政府の顔ぶれからしても、この問題に積極的に取り組もうとする姿勢はうかがえない。
崩れた政治の信頼は回復できそうにない。
菅前総理を退陣に追いやり、現職抜きの総裁選に持ち込んだのは、権力者である二階前幹事長を更迭することになる岸田氏の党役員の任期を制限する提案がきっかけだった。
これが菅氏のエラーを生んだが、後付けの講釈をすると、この思い切った提案が岸田総理を実現したことになる。
政治家としての大きな賭けに岸田氏は勝利した。
優柔不断というイメージが強い岸田氏としては、大胆な決断だった。
安倍氏に対して、二階氏に対してと同様の賭けをするかどうか、今の状況では、可能性は低いだろう。
前述の岸田氏の発言を受けて、立憲民主党の枝野委員長は、「自民党は変わらないし、変われない」と発言している。
現状では、枝野氏の言う通りだろう。
既に、岸田氏は、森友学園問題では、苦しい答弁となっている。
来る衆議院総選挙で、枝野氏から、「生まれ変わった自民党の姿をしっかりと国民に示すために、岸田氏は具体的に何をするのか」と問われると、岸田氏は返答に困るのではないだろうか?
岸田氏は総裁選勝利による高揚感で口が滑ったのだろうか?
どうせ、野党もマスコミも追及できないだろうと高をくくったのだろうか?それにしても、言葉を選びながら発言する慎重な岸田氏としては、裏付けのない空疎な発言だったように思われる。
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岸田内閣は安倍傀儡政権なのか?
“キングメーカー”の好き嫌いで決まる政治、国民にとっては不幸
論座(朝日新聞)2021年10月06日
■岸田首相では「政治倫理の腐敗」は止められない?
2021年10月15日 週プレNEWS 古賀茂明
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12176-1289185/
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ここ数年、目を覆うばかりの政治倫理の腐敗を私たちは目にしてきた。
つい最近も不適切な接待を受けたとしてデジタル庁幹部が処分される一方で、同席した平井卓也前デジタル担当相は処分なしで給与1ヵ月分の自主返納のみという信じられないシーンを目撃したばかりだ。
不処分の理由が振るっている。
接待に同席したことで行政がゆがめられた証拠はない。
そのため、大臣規範にも触れるわけでもなく、ましてや検察に起訴されたわけでもない。
だから、処分の対象にならないという。
第2次安倍政権で発覚した安倍晋三元首相の「森友・加計・桜」疑惑、甘利明氏のUR口利き疑惑、小渕優子氏の「観劇会」不正支出疑惑なども、部下だけが処分されたり、刑事訴追される一方で、前述のような理屈で本人は事件化を免れてきた。
そこに共通するのは法律に触れるという明らかな証拠がなく、検察や警察に捕まらなければ問題なしとする政治倫理の腐敗だ。
近年は、それがさらに深まったような印象さえある。
「安倍官邸の門番」と呼ばれた黒川弘務元東京高検検事長の定年延長の騒動や、安倍元首相の友人であるジャーナリストの準強姦罪疑惑で、彼への逮捕状執行を止めた中村 格氏を警察庁長官に昇進させるなど、政治家やそのお友達を立件しない検察官、逮捕しない警察官が政権内で重用されてきた。
政界の倫理が「捕まらなければよい」から「捕まえさせなければよい」へと、さらに劣化したわけだ。
まさに「地に堕ちた政治倫理」である。
本来なら、政治家には「李下(りか)に冠を正さず」という高い倫理性が求められる。
人の道に反する行為をしているのではないかと有権者に疑われるだけで責任を問われる立場にあるのだ。
しかし、今の日本の政治は明らかにその倫理が劣化し、さらなる堕落が進む状況にある。
看過できないのは岸田文雄首相が率いる新政権でもその流れが続きそうなことである。
その象徴が甘利氏の党幹事長起用だ。
経済再生相当時、大臣室などで口利きの見返りとして計100万円を直接受け取ったという証言が報じられたにもかかわらず、甘利氏はなんの説明もしていない。
本来なら、議員辞職モノだ。
その甘利氏を岸田首相は自民ナンバー2の幹事長に起用した。
甘利氏の登用には安倍、麻生両元首相の意向があったとされる。
ふたりのキングメーカーへの忖度(そんたく)は明らかだろう。
事実、森友問題の再調査はしないと、岸田首相は明言している。
新政権でも政治倫理の腐敗は継続すると考えるべきだろう。
だからこそ、野党に望みたいことがある。
秋の臨時国会で国政調査権に基づく強力な権限を持つ森友問題調査委員会の創設を岸田政権に提案してほしい。
また、岸田首相は自らの「聞く力」をアピールしている。
ならば、首相に公文書改竄(かいざん)を苦に自殺した赤城俊夫さんのご遺族・雅子さんと面会し、その話をじっくり聞くべきという要求もしてほしい。
その声に岸田政権がわずかでも応じる気配を見せれば、これ以上の政治倫理の腐敗に歯止めがかかる希望が生まれる。
応じなければ、野党は岸田首相の政治倫理の劣化を指摘し、国会論戦で攻勢に出ればよい。
民主主義を守るために、政治倫理を正すことが喫緊の課題だ。
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岸田首相では「政治倫理の腐敗」は止められない?
2021年10月15日 週プレNEWS 古賀茂明
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12176-1289185/
■選挙結果をウラで操作!? 安田浩一が暴く ”ムサシ陰謀論”
「選挙機材メーカー」の真実(第1回)
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「読み取り機を導入している自治体のうち、ムサシ製品を使用しているのは約8割にも上るという。まさに「寡占」状況だ」
■【選挙システム『ムサシ』筆頭株主「上毛実業」は外資系?!】
■孫崎享氏「不正選挙の明白な証拠!選挙結果が操作されている。報道の自由度世界72位の日本」ワールドフォーラム2016年5月
「2014年東京都知事選、桝添獲得数はほぼ全ての選挙区で猪瀬獲得数のほぼ48%」
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