【「円安富国論」はもう通用しない!?もはや製造業でもリスクとなった「円安」】亡国の政策「観光立国」悪い冗談?日本が「観光立国」を目指すのは間違っている~円安頼みと外国人投資家依存がもたらす悪夢のシナリオ!「円高=株安は正しくない」~

【「円安富国論」はもう通用しない!?もはや製造業でもリスクとなった「円安」】亡国の政策「観光立国」悪い冗談?日本が「観光立国」を目指すのは間違っている~円安頼みと外国人投資家依存がもたらす悪夢のシナリオ!「円高=株安は正しくない」~







■イタリア観光、回復険しく デルタ型脅威に

日本経済新聞 2021年8月16日

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観光立国のイタリアが新型コロナウイルスの感染拡大から2年目の夏休みシーズンを迎えた。

個人消費を支える海外客は限定的で、首都ローマでは欧州に残っていた唯一の三越が閉店した。

感染力が強いインド型(デルタ型)の流行を受けて、伊政府は再び規制を強化し始めた。

観光回復への道のりは険しい。

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イタリア観光、回復険しく デルタ型脅威に
日本経済新聞 2021年8月16日





■イタリア、スペインと感染急拡大の欧州事情

東洋経済オンライン 2020/03/15 第一生命経済研究所の田中理氏の分析

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・EU全体が観光立国、打撃は大きい

――イタリア全土で移動が制限される事態になりました。

外出や都市間の移動は仕事や健康上で必要な場合に限られ、当該理由を記した自己申告書を携行しなければならなくなった。
イタリアの南北間格差があって、北部よりも南部の医療システムが貧弱なため、南部への感染をくい止めたいという事情がある。

――観光産業への打撃、経済への影響も大きくなりそうですね。

観光および周辺産業まで入れると、かなり依存度が高い。
今後、お互いに移動がなくなると観光収入が激減する。
夏のほうが観光客は多いが、少なくとも3、4月は壊滅的で年間の収入の14%ぐらいある。
観光、小売り、外食などは圧倒的な影響を受ける。

――製造業ではどのような影響が出るのでしょうか。

移動制限とは言っても、生産活動は動かす、物流も動かす、としており、会社に行くこと自体も禁止していない。
ただ、テレワークがそもそも発達していない。
イタリア特有の産業構造がある。
あまり操業停止の例などで具体的な名前が聞こえてこないのは、有名企業が少ないためだ。
フィアットなど大きな企業もないわけではないが、中小零細企業、従業員10人以下の企業が約95%で、圧倒的に多い。
家族的な経営が多いので、クラスター感染が起きることが懸念される。

・イタリアには欧州各国の下請け企業が多い

また、欧州へのサプライチェーンによる影響は避けられない。
イタリアは企業数で見ると輸出企業の割合が非常に高い。欧州の下請け企業、サプライヤーとなっているためだ。
最終製品を作っている企業が35%、下請け企業が65%でそのうち7割以上が他国へ輸出している。
北部と南部見ると圧倒的に北部に集中しており、欧州の分業体制に組み込まれている。
ドイツの輸出を見ると、中国ほどではないが、イタリアへの依存度も高い。
また、ドイツやフランス、スペインはイタリアから中間財を輸入して加工していることが多い。
繊維製品もイタリアの布地がよく使われている。

――アメリカのトランプ政権が欧州からの入国禁止を発表して、市場が大きく動揺し、欧州株が大きく下げました。

米国はモノの移動を制限しようとしているわけではないので、実はこの決定が欧州経済に与える影響はそれほど大きくない。
経済的な打撃が大きいのはイタリアのような感染封じ込め策が欧州各国に広がっていくケースだ。
すでにスペインは感染者が4000人を超え、サンチェス首相が非常事態宣言を行った。

――スペインも来週には1万人に達するとの見方を発表していますね。

スペインのマドリッドを中心に感染者が一気に増えており、心配される。
先ほどのヘルスケアへの支出や病床数など医療関連の指標がイタリアとほぼ同じで、社会的なかかわり、家族や友人との接触度合いなども似ているので、対応を間違えると同じことが起きてしまう。
スペインはフランスと並ぶ2大観光立国であり、フランスよりも地方色が豊かで、訪問先が多く、統計上も滞在日数が長いので、影響は大きくなる。

・景気後退とその後の潜在成長率の低下を懸念

――景気の見通しは。

ユーロ圏の2019年10~12月期は前期比プラス0.1%で、製造業が世界的に不振で、サービス業が支えていたので、これから非常に厳しくなる。
2月までは生産が改善しており、当初は1~3月期は辛うじてプラス成長になると思っていたが、急激にイタリアの活動が抑え込まれたので、マイナス転落は避けられない。
他の国へも波及しているので、4~6月期もマイナス成長でテクニカルリセッションに陥る。
仮に、4~6月期に感染拡大が一服したとしても、通常の景気後退のあとのような、冷え込んでいた分を取り戻すV字回復は難しいのではないか。
とくにイタリアは中小企業が多いので、倒産や失業が避けられない。
もちろん、政府は資金繰り支援やローン・光熱費・税の免除などを政策として打ち出しているが、そもそも売り上げが立たなければやっていけない。
例えば、人の移動にしても、感染が終息したらすぐに遊びに行こうと思うかといえば、そうはならないわけで、観光産業もしばらくは低迷が続く。
その過程で倒産はさらに増える。
サブプライム後に下がった潜在成長率はさらに下押しされる懸念がある。

――ECB(欧州中央銀行)は政策パッケージを出してきましたが、その直後の市場の反応は良くなかった。

つなぎオペの追加実施、貸出を増加した銀行に優遇金利を適用する長期資金供給オペであるTLTROの第3弾の条件緩和、資産買い入れの一時的な増額と3つ出してきた。
想定内だったが、資産買い入れの増額幅は1200億ユーロと大きかった。
注目されたマイナス金利政策におけるマイナス幅の深掘りは回避された。
FRB(米連邦準備制度理事会)が0.5%ポイントの利下げを行っても、市場は好感しなかったので、ウイルスを金融政策で退治できるわけではないということが明らかだから反応が良くなかった、とはいえる。
ただ、今回の決定が失望を招いたのは、ラガルドECB総裁の不用意な発言が大きかったと思う。
イタリア国債のスプレッド拡大を受けてのOMT(各国国債の直接買い入れ)の発動の有無を記者から問われて、「スプレッド縮小はECBの役割ではない」と答えてイタリア国債利回りの上昇を招いた。
また、前任のドラギ総裁が欧州債務危機のときに「ユーロ防衛のためにはいかなる措置も行う」と答えた発言になぞらえて、「これはあなたにとっていかなる措置も行う局面か」と質問されたのに対しても、否定的に答えた。
ラガルド総裁の不用意な発言でイタリア国債の利回りは一時1.9%を超えた。
利回り上昇は中小企業の資金繰りを直撃する。
弁護士・政治家出身で、金融政策の専門家ではない経験不足を露呈してしまった格好だ。

・財政での対応が中心に、イタリアの信用力は悪化

――今後はどのような政策対応が出てくるのでしょうか。

EUは今回の新型コロナウイルスに対する景気対策としては、「一時的」な財政規律の弛緩を認めているので、イタリアの延長線上で、各国は同じような対応をしてくるだろう。
資金繰り支援、困窮している人への補助金、税・光熱費・住宅ローンの支払いの免除などだ。
ただ、すべて政府が補填するということなので、財政が悪化していくことは確かで、イタリアのようなそもそも財政の悪化している国は信用力が問題となる。
イタリアは現在S&PでBBB、ムーディーズでBaa3だが、格下げは避けられず、投機的格付けに転落するおそれがある。

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イタリア、スペインと感染急拡大の欧州事情
東洋経済オンライン 2020/03/15 第一生命経済研究所の田中理氏の分析





■新型コロナがもたらした「観光立国」戦略の破綻が金融システムを揺るがす=河野龍太郎(BNPパリバ証券チーフエコノミスト)

週刊エコノミストオンライン(毎日新聞)2020年3月23日

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日本では2月後半以降、新型ウイルス感染防止のため、企業が出張を減らして在宅勤務にシフトするだけでなく、消費者も外出を控えるなど、サービスを中心に支出抑制の動きが顕著になっている。

2月26日には、政府が大規模イベントの中止や延期、規模縮小を求め、その翌日には全国の小中高校に3月2日からの休校を要請。

経済の未曽有の落ち込みが生じる可能性が高まっている。

2019年10?12月期の国内総生産(GDP)は、消費税増税や台風19号などの自然災害によって、前期比年率7・1%の大幅なマイナス成長に陥った。

20年1?3月の成長率は当初、小幅マイナスにとどまると考えられていたが、3月末まで人々の巣ごもりが続けば、年率マイナス4%程度の落ち込みが避けられないだろう。

前例のない政府のイベント中止・延期要請や人々の巣ごもりが奏功し、感染が早期に終息すればよいが、仮に年度をまたいでもなお、世界的に終息が見えてこない場合、どのような事態が生じるか。以下、高まりつつあるリスクシナリオを分析した。(コロナ恐慌)

・インバウンドの低迷

まず4~6月は年率マイナス3%前後の成長となるだろう。

この場合、単に回復時期がずれ込むだけでは済まない可能性がある。

3四半期連続のマイナス成長ともなると、さまざまな2次的悪影響が波及してくるためである。

これまで、供給のショックがあってもそれは一時的なもので、需要は存在するのだから、生産など経済活動が再開しさえすれば、同時に経済の自律回復が始まると考えても差し支えなかった。

しかし、ショックが長引き、恒常所得の下振れが生じたと捉えざるを得なくなると、元の成長経路に復帰できなくなる恐れがある。

1970年代初頭や90年代初頭のように、トレンドの下方屈折が生じた場合、総需要の大きな減速が生じ、強い負の乗数メカニズムが働く。

そのきっかけとなるのが、ここ数年の間に蓄積された金融不均衡の調整だろう。

近年、日本の内需をサポートしてきたのはインバウンド(訪日客)関連だ。米中貿易摩擦の状況下にもかかわらず、昨年7?9月まで日本経済が堅調だったのもそのお陰だった。

インバウンドの高い成長を当て込み、宿泊・観光セクターは借り入れや設備投資を増やし、都市再開発関連投資も続けられてきたが、感染の終息が遅れれば、これらが過剰ストックや過剰債務となるリスクが高まる。

四半世紀に及ぶ超低金利政策の継続で、貸出金利は大幅に低下し、資金利ざやが大きく悪化した地域金融機関が近年、注力してきたのも、インバウンド関連や不動産関連の融資だった。

日本は疫病に犯された国というレッテルを貼られ、インバウンドの低迷が長引き、早期回復が期待できないとなると、これらが不良債権化する恐れがある。

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新型コロナがもたらした「観光立国」戦略の破綻が金融システムを揺るがす=河野龍太郎(BNPパリバ証券チーフエコノミスト)
週刊エコノミストオンライン(毎日新聞)2020年3月23日





■GoToキャンペーンも成果なし……亡国の政策「観光立国」により日本はタイ並みの新興国に転落する=立沢賢一

週刊エコノミストオンライン(毎日新聞)2020年9月5日

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・観光立国を目指す日本、成果は本当に出ているのか?

新型コロナショックが発生する前に、日本では「大勢の外国人が日本を訪れてくれるのは歓迎だが、地域住民の生活に支障が出るようでは困る。

訪日客との共生に知恵を絞らねばならない」という「オーバーツーリズム」(観光公害=多くの観光客がある地域に押し寄せることで、そこで暮らす人々の生活環境が悪化してしまう状態)が、一部で深刻化していると報じられていました。

政府の誘致策が奏功し、2019年の訪日客は3188万人に達しました。

数字的には10年で約3.7倍になった計算です。

政府は2015年に約1973万人だった外国人観光客を2020年に4000万人、2030年に6000万人にするという目標を掲げていました。

東京オリンピックが開催されていたのなら、2020年に4000万人という目標は達成しそうな勢いでした。

しかし、来訪客数の上昇率はコロナ前から下降傾向にあり、インバウンドの減退期に入っていました。

また、消費額の伸びも鈍化していました。

そこに追い打ちをかけるように、新型コロナの影響で外国人客が激減してしまいました。

日本政府観光局 (JNTO) によると、2020年5月に訪日した外国人数は1,700人(前年同月比-99%)まで落ち込み、8カ月連続で前年同月を下回っています。

2007年1月観光立国推進基本法を施行し、観光庁を2008年に設置するなど、日本は観光立国を目指すようになっています。

観光客、特に外国からの観光客を大量に呼び込む政策に近年、日本政府は非常に力を入れてきたのは周知のとおりです。

・日本のデフレ化の正体は「賃金低下」

観光立国の政策をとるようになった背景には、日本の長期のデフレ不況、およびその一因でもある緊縮財政路線があると言えます。

緊縮財政により経済はデフレ化してしまい需要が激減します。

人々の賃金(給与)が下がり、収入は減り、購買力は落ちるので、モノが売れなくなり、企業も投資を手控えざるを得ません。

その結果、ますます需要不足が深刻化し、経済が沈滞していきます。

つまり、デフレギャップが発生している需要不足の状態で不景気の時期には、合理的な個人や企業は、お金を使おうとはしないのですが、この負のスパイラルが継続するのです。

実際、日本の一世帯あたりの平均所得は「国民生活基礎調査」(厚労省)によれば、1994年がピークで約664.2万円でしたが、2018年には552.3万円まで下がっています。

2019年も年初から毎月継続的な実質賃金の低下が厚生労働省のデータから読み取れます。

これでは経済が活性化できないのは当然のことです。

出典:毎月勤労統計調査 令和元年11月分結果確報
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r01/0111r/0111r.html

日銀の金融緩和政策にもかかわらず、消費者物価指数で見れば、1998年9月以降、失われた20年どころか、それ以上にわたってデフレ不況が継続しているのが日本です。

日本政府が、公共投資や社会保障などで財政支出を増やし、需要を作り出すか、民間の消費や投資を促進するために増税ではなく真逆の減税をするしか方策はありません。

ところが、日本政府は長らく緊縮財政路線に固執しているので、財政支出はご法度。結果的に、日本は世界でも例を見ないほど長期のデフレ不況が続いているのです。

政府の観光立国化政策も、政府がデフレ下で緊縮財政路線を意地でも維持しつつ、どうにか経済を回していこうとする苦肉の策とも言えます。

日本では、個人は貯蓄、企業は内部留保の蓄積に集中し、投資意欲が乏しいと言われます。

日本政府も財布の紐を締め、緊縮財政を維持したい。

そうであれば、外国人観光客を大量に呼び込んで彼らにお金を使ってもらうしかないというロジックが成立するわけです。

・「観光立国」3つの問題点

外国人観光客を増やすために、入国ビザ(査証)の大幅緩和などの規制緩和が行われてきています。

その甲斐あって、確かに外国人観光客は年間3000万人を超え大幅に増えました。

しかしながら、外国人観光客頼みの経済政策の弱点は、観光公害以外にも3つ挙げられます。

第一に、自国が国際情勢に左右されやすいこと。

以前の韓国のように、日本との関係が悪化すると、外交カードとして訪日客を減らそうという動きが外国で起こってきます。

韓国は一応、民主国家ですから政府が日本への観光客の渡航を公式に禁止したりはしないですが、中国は、日本との政治的関係が悪くなれば、そういう態度も躊躇なく取ってくるでしょう。

実際、過去2年では、中国政府は韓国とタイへの観光を意図的に制限した事実があります。

それ故に、国の収入が外国人観光客に依存するようになれば、日本は外国の顔色を窺いつつ、外交しなければならなくなる恐れがある。

第二に、デフレ脱却を目指す政策と矛盾するのではないか。

外国人観光客を呼び込んでくるためには、日本の物価や賃金は安い方が良いです。

ところが、デフレ脱却を目指すためには、人々の賃金を上げ、需要不足を解消し、物価も上昇傾向を示すような政策をとらなければいけません。

観光立国を掲げることは、デフレ脱却に真剣に取り組むことと矛盾するところが多いのではないか、という問題も発生します。

第三に、まさに今コロナ禍で、観光業収入は激減し、観光関連企業は瀕死状態です。

観光に集中投資することのリスクが顕在化されたのです。実際に、各地域で肯定的に認識されていた観光が、今では悪役になりつつあります。

・徐々に「タイ並み」になりつつある日本

筆者は現在タイ王国のパタヤというリゾート観光地に居住していますが、パタヤも年間1000万人以上の旅行者が訪問する街です。

パタヤは日本のゴールデンウィーク海外渡航先人気トップ10ランキングでハワイを抜いて過去2年連続第4位にランキングされる程の人気のリゾート地でもあります。

(新型コロナの影響で確実に不可能でありますが……)昨年の段階で、今年4000万人が訪れると見込まれるタイ王国は、10年後には海外からの観光客数が年6500万人に達する見通しで、間違いなくアジアの観光立国No.1と言えます。

タイ王国は現在、新興国から抜け出し、次のターゲットである先進国に向かっている途中の中進国の域に達しています。

先進国になる条件として、経済を安定化させるために様々な基幹産業を国が保有しなければなりません。

ところが、やや厳しい言い方をすれば、観光業収入に依存するタイの経済構造は、経済の発展段階としてはまだ未熟なステージであることは否めません。

・かつての「経済大国」今は見る影もなし

日本は過去に、覇権国米国をも焦せらせる程の経済力を有していました。

日本企業は平成元年には時価総額ベースで世界トップ企業ベスト10に8社、ベスト50には38社も入っていたのです。

そして日本の企業経営手法が ‘Japan As Number One’と称されていた時代です。

あれから30年経ち、今ではトップ10にゼロ、トップ50には既に以前入っていたトヨタ自動車の影もなくなりました。

これほど日本企業は落ちぶれてしまったのです。

そして、昨今、観光立国として国を挙げて力を入れると豪語している日本政府は一体何処に向かっているのでしょうか?

先進国の中でもトップレベルの国で観光立国を目指そうと力を入れている国は世界の何処にもありません。

観光業収入を稼ごうというのは新興諸国の専売特許みたいなものだからです。

・日本は新興諸国を目指そうとしているのでしょうか?

内閣府の数字はその正確性に疑問があり、筆者の感覚ではもっと大きいようにも思うのですが、今の日本のデフレギャップは5兆円と言われています。

(デフレギャップとは、簡単に説明しておきますと、国の総需要が供給よりもいくら少ないかを表す金額のことです。例えますと、会社が100万円分の商品を作ったとしても80万円しか売れないので在庫が20万円分残ってしまう状況。この場合の100万円分の商品が供給で80万円が総需要。在庫20万円がデフレギャップです。)

2019年、訪日客の消費額は、年4兆8113億円。観光立国化すればデフレギャップを埋めることも数字上では不可能ではないかもしれない!?と日本政府は真剣に考えているのでしょうか?

世界最大の観光業収入国は米国で2,140億ドル( 日本は411億ドル )です。

しかし、観光業収入は米国GDPの約1%に過ぎないのです。

米国は数字的には世界最大の観光立国になっているものの、日本の様に積極的に観光業収入を増やす努力をしてはいません。

一方で、日本の観光業収入のGDPに占める割合は0.88%とまだ上昇余地があるにはあります。

現在、時価総額ベースで世界トップ10企業の内、7社がプラットフォーム企業であるという点から、日本は世界の産業のパラダイムシフトに乗れなかったことは間違いありません。

また、世界トップ5企業は全て米国のプラットフォーム企業でプラットフォーム業界は米国の現在の基幹産業になっています。

本来なら基幹産業に投資すべきにも拘わらず、日本はそこにはまるで投資をせず、インバウンドを狙った観光業に注力してきたのです。

実際、観光業収入の増加策をどれほど頑張っても対GDP比上のインパクトが自動車など基幹産業ほど大きくなる筈がありません。

・観光立国とは「ある国の文明が没落に向かっている顕れ」

ドイツの哲学者オスヴァルト・シュペングラーは、「外国人観光客頼みの経済政策を採るようになることは、ある国の文明が没落に向かっている顕れだと見ている。そして観光立国とは、世界史において繰り返されてきた没落の光景なのである。国力が落ち、人々は自信を失い、人口も減少し、外国人観光客に頼らざるを得なくなる。」と警鐘を鳴らしています。

日本のデフレギャップが更に深刻化してしまうと、最終的に日本は高速道路も陸橋も自国で建設することすら出来なくなります。

この状況はまさに低位の新興諸国と類似していると言えるでしょう。

もしかすると、日本を没落させた原因は「デフレスパイラルの罠」にハマってしまっていることだけでなく、「日本の観光立国化を掲げること」だったのかも知れません。

ドイツの哲学者オスヴァルト・シュペングラーの警鐘を読むと、そう論じる事も出来そうに思えてきます。

日本人のホスピタリティ精神は世界一レベルであると思います。

それ故に、究極のサービス業である観光業は日本人に適した産業と言えます。

しかし、また同時に、日本人の勤勉さも世界一レベルです。

個人的には、勤勉な日本人が基幹産業で戦わずして、ホスピタリティの提供に甘んじてしまうのは、まさしく「亡国の政策」ではないかと危惧してしまうのです。

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GoToキャンペーンも成果なし……亡国の政策「観光立国」により日本はタイ並みの新興国に転落する=立沢賢一
週刊エコノミストオンライン(毎日新聞)2020年9月5日





■悪い冗談?日本が「観光立国」を目指すのは間違っている深い理由

まぐまぐニュース 2018.07.25

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・大疑問、観光立国とアベノミクスの相性は大丈夫か?

最初に申し上げておきますが、私は日本の観光業が発展することはいいことだと思います。

その意味で、現在は年間3000万人ペースで推移している訪日外国人を、4000万から6000万に拡大する計画についても異論はありません。

また、観光業界などが「観光立国」を宣言したり、2014年に日本観光振興協会が「観光立国推進協議会」という会合を発足させたりしている動きにも反対はしません。

それぞれの業界が、自分たちが国を背負うという気持ちで、産業の拡大に努力することは正しいからです。

また、個々の都道府県レベルで、知事や各市町村長などが観光業の拡大、旅行者受け入れの拡大に努力するというのも当然のことと思います。

ですが、その観光立国協議会に経団連や日本商工会議所といった、全国レベルの財界が強く関与したり、政府の高官が「日本は観光立国を目指す」とか、あるいは「観光先進国を目指す」という発言をするのは間違っていると思います。

観光業というのはまず「余暇産業」です。

可処分所得が大きく、労働時間の短い、従って一人当たりGDPの高い先進国は、この観光業の消費側(カスタマー)になります。

日本の場合も、高度成長の結果として好景気を謳歌していた70年代から90年代というのは、海外旅行というのは大ブームになっていました。

一方で、観光業というのは「労働集約型のサービス産業」でもあります。

供給側から見ればそういうことです。

その場合に、全産業の平均では旅館にしても、交通機関にしても固定的な設備投資が相当に必要ですから資本収益率は決して良い商売ではありません。

また多くの現場要員を必要としますから、全平均の賃金水準も産業として、高くはありませんし、厳しい長時間労働が伴います。

ですから、他に主要産業があって健全なGDPを形成していて、そこに乗っかる形で、「プラスアルファ」の経済として、観光業が存在するのであれば、正しいのですが、観光業が「それで国を立てる」存在として期待されるというのは、これは経済敗北主義であり簡単に見過ごせるものではありません。

更に言えば、この「観光立国」というのは、アベノミクス全体のストーリーが「マズい方向に」行っているということも示しています。

アベノミクスについては、まず「通貨政策による円安誘導」で株高が現出しました。

それは良いのです。

2000年代までのように「円安になると輸出産業が潤う」ということよりも、「円安だと海外で稼いだ利益や、海外市場で形成された株価が膨張して見える」ということの方が大きかったわけですが、それも別に悪いことではありません。

ですが、当初の計画では、「そのように国内で株高を実現しておいて」その間に、「第三の矢」である構造改革を行って、国内の生産性を高め、産業構造を先進国型に戻していくということが(言葉は多少違いますが)想定されていたのだと思います。

ですが、この「第三の矢」つまり構造改革は、ほとんど手がついていません。

その結果として、産業界では「先端部分をドンドン外に出す」ということが加速しています。

トヨタがAIの研究をシリコンバレーでやっているとか、日産のデザイン部門はカリフォルニアというように、市場に合わせた生産機能ではなく、基幹の最先端部分をドンドン空洞化させているのです。

市場ということでも、収縮する国内は見捨てて海外比率が高まっています。

その結果として、収益は海外で発生し、それを連結で(合算して)決算すると「史上空前の利益」になるが、その利益は国内還流しないという構造でグルグル回っているのげ日本経済の現状です。

貧困の問題も、地方衰退の問題も、非正規の問題も、全てはそこに原因があります。

正しい構造改革を行って、先端産業を呼び返さなくては、日本経済は先進国経済にはならないのです。

それでも、ホワイトカラー労働は残っています。

それこそ「本社機能」だけは日本に残している会社は数多くあります。

ですが、そこには「生産性の低い日本語による事務仕事」が残っているだけで、こんなことをやっていては、やがて、その「日本語で事務をする本社」というのは淘汰されて行ってしまうでしょう。

その結果、日本国内のGDPを支える主要産業としては、観光ぐらいしか残らないということになります。

それは、21世紀の世界で最も重要な産業である、金融とソフトウェアが壊滅的であるということと見事に裏返しになっています。

その意味で、「アベノミクス+観光立国」というのは、亡国の政策としか言いようがないのですが、それでも多くの野党が「これ以上の経済成長はいらない」などという引退世代の身勝手な寝言につき合っている中では、安倍政権以外のチョイスはないという現実もあります。

これは悲劇を通り越して、喜劇としか言いようがありません。

しかも、これに加えて「人手不足だから移民を入れる」というのですから、大変です。

観光業に関して言えば、現在は宿泊が中心ですが、飲食業界も移民導入の対象にする話が進んでいます。

どうしていけないのかというと、「やがて日本語の事務仕事が淘汰された」時には、猛烈な人余り現象が起きてしまうからです。

国内に観光や福祉の仕事しか残っていない状況で、そうした仕事は生計費をスリム化できる外国人が抑えていたとして、日本人の雇用はどうなるのかという問題があります。

とにかく、金融とソフトウェア、あるいはバイオ、製薬など21世紀の最先端の産業を立て直して、高い教育を受けた人口がそれに見合う生産性を上げるように構造改革を進めるべきです。

その上で、観光業が「おまけのGDP」として乗っかるのであれば大いに結構ですが、その改革から逃げて「観光立国」というのは、これはダメだと思います。

「観光先進国」というのは悪い冗談にしか思えません。

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悪い冗談?日本が「観光立国」を目指すのは間違っている深い理由
まぐまぐニュース 2018.07.25






■マスコミが報じない「コロナ禍の国内工場の異常な強さ」の中身

「製造現場の底力」をもっと評価せよ

PRESIDENT Online 2020/10/24

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・なぜパナソニックの甲府事業所はフル稼働を続けられたか

【藤本】たとえば半導体の実装機を製造するパナソニック スマートファクトリーソリューションズの甲府事業所は、春先からずっとフル稼働です。
ここは、1月ごろの中国部品サプライヤーのロックダウン閉鎖、3月ごろのASEAN(東南アジア諸国連合)のサプライヤーのロックダウン閉鎖に対して迅速な代替生産・代替供給で対応する一方、工場内の感染防止対策を完璧に行いました。
そんな努力もあって、同工場の納期・生産の安定性を高く評価した海外の顧客から大口注文が入り、それを積極的に受注したため、4月からずっとフル稼働です。
つまり、サプライチェーン確保、需要創出、感染対策徹底、この3つを高いレベルでこなす日本の国内優良工場は、緊急事態下も、その前後も、高稼働率で動き続けていたわけです。
このような結果は、尋常な努力でできることではなく、現場の高いものづくり能力と感染防止能力、営業の受注努力、工場幹部の胆力、サプライヤーの実力と協力などが融合して初めて可能なことです。
メディアが緊迫する医療現場や危機下の接客サービス業等に取材を集中するのは分かりますが、こうした製造現場の緊急時の底力にも、もう少し目を向けてもらいたいと思います。
ちなみに、4月ごろに、多くの国内自動車工場が操業を一時的に停止したのは、世界自動車市場の縮小、需要不足による生産調整が主因でした。

・一時停止も新型コロナの直接的な影響ではなかった

【藤本】これらの工場のほとんどは、新型コロナウイルスの感染拡大の直接的な影響で動かせなかったのではなく、販売や部品供給が滞ったので動かさなかったのです。
販売や部品供給が戻り始め、夏までにはコロナ前の水準に戻せたわけです。
また4月ごろには、数千人規模の国内自動車工場で、別々の職場で1人ずつ、計3人の感染者が出たので、全工場を1週間閉鎖して消毒と再発防止対策を行いました。
感染発生は残念でしたが、当時の状況を総合的に考えれば、近隣住民を考慮した一時閉鎖は賢明な判断であったと言えるでしょう。
いずれにせよ、仮に世界の自動車市場の今年の落ち込みが2割として、日本の自動車企業や自動車産業の減少幅がそれ以下だとするなら、日本勢の世界シェアは上昇したことになります。
まさにピンチの中にも長期的に見ればチャンスあり、でしょう。

・日本工場のウイルス防御能力は、海外に比べて高い

ーーー9月16日に発表された8月の貿易統計(速報値)をみて驚きました。
半導体等製造装置(数量ベース)が対前年で64.9%増、半導体等電子部品(同)が2.9%増と伸びています。
自動車は乗用車が18.7%減ですが、7月に比べ12ポイント以上改善しました。
競争力のある工業製品はコロナ禍でも日本からの輸出が好調のようです。
コロナ禍の震源地だった中国が皮肉にもいち早く回復しつつあるのか、中国向け輸出も増えています。

【藤本】先ほどお話しした、フル稼働の国内工場の場合もそうですが、いろいろな実例や実績データを見る限り、日本の工場のウイルスに対する防御能力は、海外の工場や企業に比べて、相対的に高い傾向があるとみてよさそうです。
感染症対策の優等生とも言えるドイツでさえも、一部の工場で大規模なクラスターが発生していましたが、日本ではあまりみられない。
このことからも、そう推測できます。
日本の優良国内工場の感染防御能力の水準については、今後、しっかり検証する必要はありますが、最近われわれが実施した質問票調査の一部を見ると、仮に、その工場が実施してきた感染防止対策が十数項目あるとするなら、そのなかの半分ぐらいは、今年に入って新たに始めた対策だが、残りの半分は、すでに新型コロナ感染症拡大の前から、長年取り組んできた衛生対策や清掃・清潔対策であり、それを強化しただけだとの答えが返ってきます。
これに対して、同じ会社の海外工場では、今回新たに導入した対策が多くなっています。
つまり、感染防止対策に関しても、国内工場は実力も経験値も高く、これを海外の工場に知識移転している可能性が高いのです。

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マスコミが報じない「コロナ禍の国内工場の異常な強さ」の中身
「製造現場の底力」をもっと評価せよ
PRESIDENT Online 2020/10/24






■世界に機械、部品、素材を売って稼ぐのが日本の強み=藻谷浩介

週刊エコノミストオンライン(毎日新聞)2022年7月19日

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・弱点はブランド構築力

日本の輸出を支えるのは、“世界最強”のBtoB(企業間取引)製造業だ。家電や乗用車などのBtoC(消費者向け取引)分野が花形だったのは昔の話で、今は輸出の7割以上が、一般機械(16.4兆円)、化学製品(10.5兆円)、鉄鋼や非鉄金属(9.9兆円)、乗用車を除く輸送機器(6.8兆円)などの、企業ユーザー向け製品である。

電気機器の輸出も15.3兆円あるが、中身はBtoCの自社ブランド品から、他社ブランド品に組み込まれるBtoBのデバイスへと、様変わりした。

日本のBtoB製造業が“世界最強”であることは、相手国ごとの貿易収支(財務省「国際収支状況」)で明らかだ。

21年には台湾に対し2.7兆円、中国+香港に対し2.4兆円、韓国に対し1.7兆円の黒字となっている(注:対中輸出の相当分を占める香港経由のものは、対香港の収支に計上されるので、対中国と対香港の数字は合算するのが妥当)。

欧州では、日本メーカーの工場の多いオランダと英国に対しそれぞれ1.9兆円と1.2兆円、ドイツに対しても1.0兆円の黒字だ(図2)。

昨今、経常収支黒字額の「3横綱」といえば中国、ドイツ、日本だが、その中で中国、ドイツから常にもうけ続けている日本は、「東の正横綱」のような存在だ。

逆に、中東、ロシア、豪州、シンガポール以外のASEAN(東南アジア諸国連合)諸国など、化石燃料産出国に対しては大幅な貿易赤字だ。

また、高級時計や医薬品に強いスイス、宝飾やファッションに加えオリーブオイルやパスタなどの食品が強いイタリアに対しても、常に赤字である。

日本の弱点は製造技術力ではなく、省エネ・再エネの技術や、BtoCのブランド構築力にあることを、貿易収支は雄弁に示す。

・世界首位が目白押し

日本の輸出の大半を占める「3番、4番、5番の中軸打者」のような存在が、ハイテク部品、高機能素材、製造用機械だ。

ハイテク部品でイメージしやすいのは、村田製作所が世界トップの積層セラミックコンデンサーや、三菱電機、富士電機、ロームなど日本勢が強いパワー半導体、ソニーグループが世界首位のイメージセンサーといった電子系だ。

高機能素材では、自動車部品などに使う樹脂「MMAモノマー」で、世界トップの三菱ケミカルグループ、半導体素材のシリコンウエハーで世界市場を寡占する信越化学工業とSUMCO、航空機に使われる炭素繊維で世界首位の東レ、タイヤの補強材などに使われるアラミド繊維で米デュポンと世界市場を二分する帝人、リチウムイオン電池の正負極を絶縁するセパレーターで世界首位の旭化成などが有名だろう。

ニッチ分野で寡占状態にある製品群は、納入先企業にとって自社で開発・製造するよりも買う方が安いから、新規参入が起こりにくい。

職人気質の日本人ならではの、安定した品質や柔軟な対応も評価されている。

ただし、下請け化して価格競争に巻き込まれ、バリューチェーンの中で立ち位置を狭めていく危険は潜在する。

・YKKの強さの秘密

輸出額では最大項目の一般機械(21年実績)は、ハイテク部品や高機能素材と違いバリューチェーンの中で占める割合が大きい。

世界に販路を広げたことで、昔ほど国内景気の好不況に左右されなくなってもいる。

好例が製造用機械だ。ファナック、安川電機、DMG森精機などの工作機械、東京エレクトロンなどの半導体製造装置などが該当する。

21年に台湾向けの経常黒字が前年比2割増の2.7兆円に増えたのは、空前の半導体需要に伴い台湾積体電路製造(TSMC)の設備投資が増え、日本の製造装置の輸出が好調だったからだ。

建設機械でも、コマツや日立建機などが、世界で高いシェアを占める。

国内市場では部品・素材メーカーだが、国際市場では機械メーカーなのが、YKKだ。国際分野の主力のファスナーの市場規模は約150億ドル(約2兆円)。

それを世界の数万社が分け合っているが、YKKのシェアは世界首位で高級品の市場はほぼ独占している。

グループで70カ国以上に、それぞれの市場の特性にチューニングした製造拠点を持つが、それらに置く機械はすべて黒部事業所(富山県黒部市)で自製している。

このために製造技術が海外に流出しないし、機械の保守を自社で継続することで歩留まりの低下を防ぐことができる。

・円安は輸出企業に負担

対ドルの円相場は今年3月以降に急落し、7月8日時点で1ドル=135円台で推移。これは輸出企業にとって朗報ではない。

財務官時代に“ミスター円”といわれた榊原英資氏も最近、「円安よりむしろ円高にメリットのある時代となった」と発言している。

そもそも日本の輸出は、通年平均で1ドル=110円だった昨年、前述のように史上最高を記録した。

振り返れば、1ドル=80円の超円高で、「日本の製造業はもうおしまい」と喧伝(けんでん)された12年にも62兆円と、バブル期の1.7倍の水準を保っていたのである。

技術力の高さが評価される現代のBtoB分野では、「円高だと売り上げ減」という、昭和時代のような安直な連動は起きにくいのだ。

他方で円安は、化石燃料の輸入代金を機械的に上昇させ、電気代や燃料費経由で製造コストを押し上げる。

国内工場にとっては、むしろピンチの面が大きい。

円安によって、輸出売り上げやドル建て資産の円換算額は、計算上は増える。

だが、世界の投資家はドル換算額で見ているので、「円換算で増益」といっても白けるだけだ。

ドル換算をせずに「円安=企業増益」と喜ぶ国内投資家は、いまだに円だけで用が済むガラパゴスの世界に生きているのかもしれないが。

日本の名目国内総生産(GDP)も、ドル換算では、超円高の12年が6.3兆ドルと史上最高だった。

だが、翌13年に始まった「異次元の金融緩和」(安倍晋三元首相による経済政策)に伴う円安で、21年の名目GDPは4.9兆ドルにまで落ち込んでしまった。

9年間で2割以上の経済力縮小というこの現実から、アベノミクス信者はいつまで逃避するのか。

日本経済を支えているのは金融資本ではなくBtoB製造業であるという現実に、政治はいつ気付くのか。

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世界に機械、部品、素材を売って稼ぐのが日本の強み=藻谷浩介
週刊エコノミストオンライン(毎日新聞)2022年7月19日






■「円安富国論」はもう通用しない アベノミクスが暴いた 経済停滞の深層

日経ビジネス 2021.12.17

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「日本国の経済が立ち直り、国民の努力が認められることだから、良いことではないか」

昭和天皇は円高を「国力回復の兆候」として受け止めていたとされる(写真=朝日新聞社)

ニクソン・ショックが起きた1971年、日本円を1ドル=360円から308円に切り上げることが決まった。

報告する閣僚に昭和天皇が述べられた言葉と伝えられている。

本来、輸入価格を相対的に引き下げる円高は「消費者にとって良いことしかない」(大正大学の小峰隆夫教授)。

しかし、85年のプラザ合意、90年代のバブル崩壊、2008年のリーマン・ショックと、急激な円高が日本経済を痛めつけたことが経済界にとってトラウマとなった。

特にリーマン・ショックは韓国や台湾勢に押された電機業界が壊滅状態に追い込まれ、円高の負の印象を植え付けた。

流れを変えたのが、安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」だった。

13年に始まった日本銀行による大規模な金融緩和は円安を誘い、株高も招いた。

円安富国論が機能したかに思われた。

新型コロナウイルスが世界を襲って以降、さらに円安は進んでいる。

21年の主要国・地域の名目実効為替レート(図2)は、円が独歩安となった。

国の輸出競争力を示すとされる実質実効為替レート(図1)は、約50年ぶりの円安水準となっている。

ところが、期待された「円安→輸出増→企業収益増→賃金増→日本の内需増→インフレ→経済活性化」という成長シナリオはいっこうに実現しない。

JPモルガン証券によると、過去20年で主要国の物価は40~50%程度上がったが、日本はわずか2.6%の伸びにとどまった。

賃金も底ばい状態といっていい。

・起きない好循環

それどころか、「円安は日本経済の好循環を生まない」(みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミスト)と、従来の定説を真っ向から覆す見方まで出始めている。

市場も円安富国論の終わりを告げているかのようだ。

円とドルの為替レートと日経平均株価のグラフ(図3)で変調が見てとれる。

アベノミクスの初期から中期は「円安・株高」だが、徐々に曖昧になり、コロナ禍で「円高・株高」に。

足元では1ドル=115円水準まで円安が進んだが、株価が大きく伸びているわけではない。

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「円安富国論」はもう通用しない アベノミクスが暴いた 経済停滞の深層
日経ビジネス 2021.12.17






■円高=株安は正しくない

ポイントは金利、世界経済とリスク許容度

日経ビジネス 2016.8.25

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日本では「業績や株価は為替次第」が常識です。

現在の安倍晋三政権にとっても、為替レートは重要な政策テーマになっています。

2012年末の政権発足から15年半ばにかけては1ドル=125円まで円安が進み称賛を浴びました。

しかしその後は円高に転換、足元は1ドル=100円割れ寸前となり、金融市場は「大変だ、大変だ」の大合唱です。

しかし、実際には円高が業績や株式に与える影響はそれ程大きくありません。

悪影響は誇張されています。

それだけではありません。

日本では常識となっている「自国通貨高=株安」は世界的には間違いといってよいものです。

円高に対するこうした誤った思い込みは、市場や政策に大きな悪影響を与えています。

今回と次回は円高に対する誤った思い込みとその影響について説明します。

・世界の常識は「自国通貨高=株高」

まず、なぜ「通貨高=株高」が間違いなのか。

理由は簡単です。

世界的には「通貨高=株高」の国が圧倒的に多いためです。

まず日本について東証株価指数(TOPIX)と円の対ドルレートの関係を見てみます。

2005年以降の両者の動きを見ると、2005年や2013~14年のように円安の時は株高。

2007~08年のように円高の時は株安となっています。

円と日本株は逆相関の関係にあり、日本については「自国通貨安=株高」といえそうです。

しかし、日本以外ではそうではありません。

例えば韓国です。

日本同様に輸出企業が多いとのイメージなので、ウォン高は韓国株にマイナスと考えてしまいそうですが、事実は逆です。

ウォンと韓国株は強い順相関の関係にあります。

世界の主要15ヵ国(地域)について2005~15年にかけての通貨と株価指数の関係を調べたところ、相関係数がある程度マイナス(両者が逆相関)なのは、日本、スイス、米国の3ヵ国だけで、ほぼゼロの中国を除けば、他は全てプラスです。

日本の「自国通貨高=株安」を間違いというかどうかはともかく、少なくとも日本は例外であり、世界的には「自国通貨高=株高」が一般的であることは、市場関係者であれば認識しておくべきだと思います。

一方、日本同様に通貨と株価が逆相関の関係にあるのがスイスです。

ただし自国通貨高を抑制するための為替管理政策を中央銀行が開始した2011年以降は、スイスフランが小幅の動きに止まっているため、逆相関の関係が薄れつつあります。

・「金利」「世界経済」、そして「リスク選好」

ここからは、「自国通貨高=株高」の国と「自国通貨高=株安」の国があるメカニズムについて考えてみます。

キーワードは「金利」「世界経済」、そして「リスク選好」の3つです。

「自国通貨高=株安」の日本、スイス、米国に共通するのは金利が低いことです。

そこで便宜上、この3ヵ国を低金利国、その他の国を高金利国と呼ぶこととします。

低金利国では「自国通貨高=株安」、高金利国では「自国通貨高=株高」になるメカニズムは、図表6のフローチャートのようなものです。

世界的に景気が好調な時は、世界的に企業業績は拡大、投資家のリスク許容度も高まって、株式市場は上昇します。

ここまでは低金利国も高金利国も同じです。

しかし、為替市場では事情が異なります。

投資家のリスク許容度が高まれば、資金は日本のような低金利国からブラジルのような高金利国に移動します。

その結果、低金利国では「自国通貨安=株高」、高金利国では「自国通貨高=株高」となります。

世界経済が不調な時はこの逆です。

企業業績は悪化、投資家のリスク許容度は低下して、株式市場は世界的に下落します。

一方、為替市場では、低金利国から高金利国に移動していた資金が元に戻ろうとします。

そのため、低金利国では「自国通貨高=株安」、高金利国では「自国通貨安=株安」となります。

以上が、低金利国では「自国通貨高=株安」、高金利国では「自国通貨高=株高」となるメカニズムです。

・業績モデルとの比較

従来、通貨と株式の関係については、図表7のように考えられてきました。

通貨変動が企業業績への影響を通じて、株式の変動を引き起こすとの考え方です(以下、業績モデル)。

このモデルでは通貨の変動が原因、株式の変動が結果になります。

一方、今回のモデルでは(以下、リスク許容度モデル)、通貨と株式の動きはどちらが原因でどちらが結果というものではなく、世界経済の動向などによるリスク許容度の変化が原因で、それに応じた低金利国、高金利国それぞれにおける通貨と株式の動きが結果です。

通貨と株式は、それぞれ独立して動いていることになります。

リスク許容度モデルは株式の動きだけでなく通貨の動きも説明していることが特徴です。

これで今まで説明できなかったことが説明できるようになります。

北朝鮮のミサイル発射など日本近辺で地政学リスクが高まる時、日本株が売られ、円が買われます。

この場合、円が買われる理由はうまく説明されていませんでしたが、このモデルではリスク許容度の低下が円高の理由として説明できます。

地政学リスクのように世界経済に関係なくリスク許容度が変動することはあります。

であれば、世界経済を外してリスク許容度以下だけにしても問題ないのですが、地政学リスクなどのイベントによるリスク許容度の変動は通常一時的なものに過ぎません。

これに対して例えば世界経済の悪化を理由としたリスク許容度の低下は長期にわたって持続する可能性があります。

また世界経済の動向はリスク許容度を介した経路以外にも、業績を通じて株式に影響します。

これがリスク許容度でなく、世界経済を起点にしている理由です。

・通貨変動の業績への影響は大きくない

通貨変動が業績に及ぼす影響にも触れておきます。

いわれているほど大きなものではないとの見方です。

証券会社のアナリストによる業績見通しに基づくTOPIXの予想EPS(一株当たり利益。通常、企業の税引き後利益を発行済み株式数で割ったものを指す)と円の対ドルレートの動きを比較するとどちらかといえば逆相関の関係にあるように見えますが、2007年や2009~10年のように、円高にもかかわらず予想EPSが増加している時期も珍しくありません。

株式市場では円高に振れるたびに、業績を懸念する声が沸き起こりますが、図表8を見るだけでも、市場参加者の反応は行き過ぎだといえそうです。

図表9を見ると、業績に対する通貨変動の影響が限定的であることが、更に明らかになります。

韓国では2009~11年のようにウォン高の時にEPSが増加、2008年や2014~15年のようにウォン安の時に減少しています。

このようにEPSとウォンが同時に動いているのは、業績に対する通貨の影響よりも、世界経済の動向の影響の方が大きいためです。典型が2008~09年です。

2008年は大幅ウォン安になりましたがEPSも大幅減、これはリーマン・ショックにより世界経済が悪化したためです。

逆に2009年にウォンは急反発しましたが、EPSは増加しています。

これは世界経済がリーマン・ショックから立ち直ったためです。

日本の場合は、世界経済が悪化する際に円高が進むので、業績悪化が世界経済のせいなのか、円高のせいなのか区別がつきません。

その結果、全部まとめて円高に責任を押し付けている気がします。

しかし、韓国では通貨変動よりも世界経済の動向の影響の方が大きいことが見て取れること、また日本でもリーマン・ショック後の2009~10年には円高にもかかわらずEPSが増加している点から見て、業績への影響は通貨変動よりも世界経済の動向の方が大きいと考えています。

以上、日本では円高が業績や株式市場にとっての大きなリスクと見られていますが、通貨変動と業績や株式の関係は誤って理解されており、円高の悪影響は誇張されていると考えています。

この誤解はゆゆしき問題です。

このために日本株は不当に低く評価されており、またこうした誤解にもとづく政策はかえって日本経済や金融市場に混乱を招いています。

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円高=株安は正しくない
ポイントは金利、世界経済とリスク許容度
日経ビジネス 2016.8.25






■バブル後最高値更新も、円安頼みと外国人投資家依存がもたらす悪夢のシナリオ

2024年には物価高、株価反落に見舞われるリスクも、金融緩和はやめるべき

JBpress 2023.6.9 大崎明子

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・金融緩和継続は受け身の「円安頼み」政策

6月13~14日に米国のFOMC(連邦公開市場委員会)、15~16日に日本銀行の金融政策決定会合が予定されている。

6月2日の米国の雇用統計の数字が市場予想よりも強かったことで、政策金利の据え置きと引き上げの両方の見方が交錯している。

据え置きとなっても、7月には利上げ再開が意識される。

インフレ退治と経済のソフトランディングの両立に悩むFRB(連邦準備制度理事会)を横目に、日銀の植田和男総裁は現状の緩和政策を継続する構えだ。

日本の「好循環の実現」に期待する報道も増えている。

一つは外国人観光客の大幅な増加によるGDP(国内総生産)の押し上げ効果とこれに伴う宿泊費や外食費の上昇が日本人の賃上げにつながるのではないかと期待する見方。

もう一つは、円安による外国人による日本株買いをきっかけに株高が続くことで、資産効果を通じて日本経済にプラスの効果をもたらすという期待だ。

しかし、これらは日本の民間企業や政府が何か積極的に行動したことがきっかけではなく、欧米の利上げに対して何もしない受け身の「円安頼み」「外国頼み」である点でそもそも危うい。

まず、物価と賃金について考えてみる。

今回のインフレの出発点は、コロナ禍対策としての先進国の大規模な金融緩和と財政出動、それも主に米国の政策によるところが大きい。

こうした需要刺激策の一方で、ロシアのウクライナ侵攻や米中対立などが供給ショックをもたらし、需給逼迫に拍車を掛けた。

日本にとっては、輸入物価の上昇を通じたコストプッシュインフレであり、欧米ほど需要が旺盛になってはいない。

それでも、企業側が企業物価の上昇に耐えきれず値上げに積極的になり、春闘でもベースアップが広がったことで、政府・日銀は「物価も賃金も上がる好循環」に賭けることになった。

しかし、日本企業の生産性が急に上がったわけでもないことに注意が必要だ。

・賃上げ吸収のために続くさらなる値上げ

毎月勤労統計(厚生労働省)の4月分データで名目賃金から物価の影響を除いた実質賃金が3.0%下がったことが報じられたが、春闘の成果が実際の賃金に反映されるのはこれからだ。

そして、実はその賃上げを吸収すべくさらなる値上げも続くことが予想される。

財(モノ)の物価上昇はエネルギー価格の反落による輸入物価の下落で上昇率は鈍化していくと見られるが、サービス価格はまだ上昇を続けている。

外食や宿泊費など需要が旺盛で人手不足が続く分野ではまだ値上がりが続きそうだ。

歴史的に見れば、第1次オイルショックの例に見るように、コストプッシュによる物価と賃金の上昇は、結局、賃金上昇を上回る物価上昇を招き、「悪循環」をもたらしてきたのが常だ。

なぜ好循環が実現すると思えるのだろう。

2023年前半の日本経済は相対的に悪くない。

実質GDP(国内総生産)成長率も1~3月期にプラスに転じた。

他方、ドイツなどは2四半期連続マイナス成長でテクニカルリセッションに陥っている。

日本は脱コロナが欧米よりも遅れたために、景気の回復も1年遅れて今年にずれ込んだ。

インフレも欧米よりも企業が値上げ行動に慎重なため、後ろ倒しになったが、コロナ禍で消費が手控えられていたため、家計の貯蓄にも余裕がある。

しかし、2023年度の後半に前述のように想定以上の物価上昇が進めば、消費が手控えられるようになってくる。

そうなると、2024年の春闘での賃上げは期待しにくい。

そこでアメリカの景気悪化が鮮明になってくればなおさらだ。

株高はどうか。

・株価が上がれば円安も進み、格差拡大

円安がもたらした株高で、今の市場には明るいムードが広がっている。

しかし、巷間言われているように、この株高が外国人主導であることは最近のドル円相場と日経平均の連動ぶりを見れば明らかだ(グラフ)。

為替ヘッジをしながら日本株買いを続けているとすれば、株価が上がるほど円安も進んでしまう。

そして、この株高に乗れない人々は円安による物価高の影響だけを受け、格差が拡大してしまう。

株高の持続性には疑問符が付く。

外国の機関投資家は説明責任があるので、「東証改革」とか「日本はインフレのコントロールができている」といったもっともらしい理由もついてくる。

だが、繰り返しになってしまうが、日本企業の生産性が上がったわけではない。

むしろ、日本の潜在成長率は低下している。

実際に、日本の個人投資家もそれがわかっているので慎重で、上がりすぎると利益確定売りに動いている。

アメリカの景気悪化とともに、利上げと緩和マネー削減の効果が出てきてリスクオフの環境になってくれば、資金は引き揚げられてしまう可能性が高い。

その後、欧米の利上げが停止されて2024年に利下げに転じていけば、あるいは、もたついている中国の景気が持ち直してくれば、資金はもっと成長余力のある先に回って、日本に戻ってこないかもしれない。

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バブル後最高値更新も、円安頼みと外国人投資家依存がもたらす悪夢のシナリオ
2024年には物価高、株価反落に見舞われるリスクも、金融緩和はやめるべき
JBpress 2023.6.9 大崎明子






■「やっぱり円高が今の疲弊した日本を救う」と言える理由

円安を修正しても景気は悪化しない

会社四季報オンライン 2022/06/25 小幡績

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・「円高は悪だ」と言うときの「2つの間違い」とは?

そして、それはやはり経済学から言っても正しい。

問題は、これまで日本ではなぜ「円高は悪いこと」という議論が広まっていたのか、そして多くのエコノミストがなぜそれを支持していたのか、ということである。

第1に、為替は妥当な水準にあるべきである。

世界全体の経済にとって妥当な水準(理論的には均衡レート)が存在し、そこからずれるのは円高にせよ円安にせよ、よくない。

したがって、円安が望ましいということは、極端な円高が望ましいというのと同じく間違っている。

第2に、妥当な水準が円高に動くということは、日本経済にとってつねに望ましい。

経済学の教科書には、自国通貨が強くなり交易条件が改善すれば自国の経済厚生が高まる、と書いてある。

つまり、円高になると日本は豊かになる、ということである。

これは単純だ。

今までよりも輸入品が安く手に入る。国内製品は同じ価格である。

だから、前よりも必ず消費者はハッピーになる。

ここで「輸出が不利になるではないか」という疑問があるかもしれないが、経済全体で考えればそんなことはないことがわかる。

自動車が1万ドルでしか売れないとすると、1ドル=100円と50円だと売り上げは、それぞれ100万円と50万円だ。

だが、例えば原油の価格が円換算だと半分になっているので、50万円で今までの100万円分の原油が買える。

だから、国全体で見れば困ることは決してない。

「貿易黒字があった場合はどうなんだ?」という疑問はどうか。

その黒字で何かを買うことになるわけだから、例えば1株100ドルのアメリカ企業Xの株は、1ドル=100円なら貿易黒字1万円で100株しか買えなかったが、50円になれば貿易黒字が5000円に減っても100株買える。

あるいは、ハワイのコンドミニアムが2億円だったのが、半額の1億円で買えるようになるから問題ない。

これらの投資支出も考えれば、貿易収支が黒字でも、トータルでは円高により損することはない。

すなわち、経済全体で見れば、損することはありえない。

さらに「妥当な水準が円高に動く」ということは、理論的にいえば、実質で円が強くなっているということであり、輸出品の価格は実質で見て上昇した状態で売れていることになり、輸入品の価格は実質で見て安くなっているので、大幅に日本経済の厚生が高まる。

つまり、日本は確実に豊かになっている。

しかし、日本経済に何か特殊なひずみがある場合には、損をすることもありうる。

たとえば、ある分野の輸出品の競争力がないにもかかわらず、同じ輸出品を同じ価格で売り続けようとする場合。

つまり、1ドルでも値上げすれば、まったく売れなくなってしまうような製品を輸出し続けようとする場合だ。

この場合に、原材料コストが上昇して、経済全体の価格体系が変化しても、従来の生産構造に固執し、生産に関する行動を変えなければ、新しい経済構造に対応していない生産を続けることにより、経済全体で大きな損失が出る。

お気づきのとおり、これは日本の産業のデフォルメした姿である。

円高になった場合に、実質的な均衡レートが円高になったのか、金融市場のひずみで実体経済に合わない円高になったのか議論もせずに、現状維持のために、為替介入したり、過度の金融緩和を行ったりして、経済構造の変化を阻害し、不動産・株式バブルを生み出したのが1980年代末である。

この結果、バブル崩壊後、日本はずっと古い経済社会構造と間違った現実認識の下で「景気が悪い」と騒ぎ続け、財政赤字を拡大し、非効率な分野を温存した。

そして、やっと、あまりに異常な円安によって、消費者だけでなく生産者である企業も円安によるコスト高で苦しくなって、初めて「円安は悪い」ということに気づいたのである。

・なぜ今は「異常な円安」になっているのか

では、現在、なぜ異常な円安になってしまっているのだろうか。

これは単純な話で、実体経済、つまり、貿易や海外への直接(実物)投資などの経済の実体的構造により為替レートが決まらずに、金融市場の都合だけで為替レートが動いているからだ。

理論的には、世界的にモノの値段がどこでも同一になる「一物一価の法則」が成り立つはずである。

また、経済全体で見ても、それぞれの経済の購買力が均衡状態となる「購買力平価(PPP)の為替水準」と、金融投資をする場合にどこの国の金融資産(例えば国債)に投資しても実質的に同じリターンが得られるような「金利平価の水準の為替レート」がある。

しかし、この2つの均衡が両立することは現実的にはない。

そして、現実を見ると、近年では金融市場の影響力があまりに強くなり、金融市場の都合だけで為替レートが決まってしまう。

さらに、それが金利平価という理論的な均衡水準ですらなく、トレーダーたちの思惑で、この金融市場の均衡レートからも大きく逸脱してしまい、乱高下するようになってしまっている。

これが日本円の現在の状態だ。この20年は明らかに日本市場の金利が低かったので、円安方向に大きく歪んでしまった。

その結果、輸入品が割高になったが、日本の輸入は資源や食料品などの必需品が中心で、減らすことはできず、輸入品への支払いが激増し、日本経済全体の購買力が低下した。

さらに、これらの必需品は世界的にも高騰、さらに原油などは金融市場の思惑で実物取引とは離れて先物価格が急騰し、それが標準的な状態となり、過度に割高な水準が続いた。

資源高、円安のダブルパンチで日本は貧しくなっていった。

これは、2002年から2007年までの「実感なき景気回復」といわれたときの状態でもある。

生産も輸出も増えて景気がよいと言われたにもかかわらず、国民は貧しくなったと感じた。

円安と資源、原材料、食品高で、輸出を増やして稼いだのをはるかに上回る輸入品への支出増加となってしまい、自由に使える所得が減ってしまったからである。

・日本経済がさらに弱くなった「3つの理由」

現在もまったく同じ状況だが、さらに悪い。

現在、日本経済が過去に比べてさらに弱くなってしまった理由は3つある。

1つ目は、実質的な経済が弱くなってしまったことだ。

過度の円安によって生き残ることができる企業とは、「本来は価格勝負しかできないのに、その価格も円安でハンディキャップをもらっている状態で、ぎりぎり赤字にならないで生産を続けてきた生産者」だ。

中小企業だけでなく、大企業も本質的には同じで、過度の円安に頼って甘えているうちに「割安ということしか売りがない生産者」になってしまい、しかも、それが円安というおまけをもらってぎりぎり生き残っているから、付加価値も生み出さない。

過度の円安で損をしているすべての消費者の損だけが残ってしまう。

そして、為替が正常な方向に戻ろうとすれば、これらの生産者はつぶれてしまうから、大騒ぎをして政府に働きかける。

この循環で、弱い生産者ばかりになってしまい、交易条件が、名目の為替レートの影響ではなく、実質的な為替レートでも弱い国になってしまった。

この結果、もちろん賃金も安いままになった。

過度の円安で割安に換算されているという面もあるが、同時に、上述の弱い生産者の下で働くことにより、企業の生産性が低いということは労働者の生産性も低くなるから、実質でも安くなってしまった。

名目的にも、実質的にも、円安により日本の賃金は低くなってしまい、日本の国民は消費者として購買力を失い、労働者として生産性を失ってしまったのである。

2つ目は、金融市場のひずみで過度の円安になり被害をこうむっているわけだが、その被害をあえて拡大するように、日本銀行が過度の金融緩和を行い、継続したことである。

円安の被害を自ら最大限に拡大してきたのである。

3つ目は、政策論争が「円安、インフレを望む」というまったく180度間違った方向に進んでしまい、間違ったエコノミスト、えせ経済学者の影響がメディアや人々の間に残ってしまったことである。

今後、彼らが退場していったとしても、人々の「印象の混乱」は残るから、妥当な為替政策、円安を止める政策が行われなくなり、金融政策の修正もできなくなってしまう。

このような状況がこの10年続いてしまい、日本経済は現在のような悲惨な状況に陥ってしまったのである。

・過度の円安を修正するのは難しくない

では、どうするか。

ここからは、政策提言である。

答えは簡単だ。

過度の円安を修正すればよい。

かつ、それは簡単に実行できる。日本銀行の金融政策は異常な異次元緩和なのであるから、ごく普通の金融緩和に戻せばよい。

引き締めではないから、景気を悪くすることはない。

イールドカーブコントロールを修正すればいちばんいいし、連続指し値オペを止めるだけでも効果はある。

投機的トレーダーとの戦いになるが、テクニカルではあるが、勝つ気でやれば必ず勝てる。

問題は、それをやる気があるかどうかである。

6月17日の日銀政策決定会合後の黒田東彦総裁の記者会見で、黒田氏は久しぶりに気合いを表に出したので、あとはメディアと世間の円安とインフレに対する認識を正しいものにすれば、黒田日銀も動けるようになるはずだが、会見では日銀の「4つの誤った認識」が再度繰り返された。

第1の誤りは「為替に働きかけることを金融政策の目的とはしないから、円安により金融政策を変えることはない」という説明だ。

日銀が普通の金融緩和策を行っているのであれば、それは正しい。

しかし、今行われているのは「異次元緩和という緊急避難的な政策」であり、これを長期に継続すること自体が間違っている。

そのひずみが極端な円安になっているのだ。

だから、その誤りを修正する義務がある。

為替に影響を与えようとするのではなく、現在の金融政策が為替に悪影響を与えてしまっているから、金融政策を正しい方向に修正するのである。

為替を目的としないからこそ、異次元緩和、イールドカーブコントロールを止める必要がある。

第2の誤りは「現時点で円安を修正するように金融引き締めを行えば、輸入コスト高で悪化しかかっている景気をさらに悪化させることになる。

だから金融引き締めはできない」という主張だ。

これも180度間違っている。

・円安修正のための金融調整は景気にプラス

確かに輸入コスト高で景気は悪くなっている。

だから、コスト高を和らげればよい。

日本の物価上昇・コスト高は、ほとんどすべて海外要因である。

だから、引き締めしないというが、逆である。

海外要因だから、円安が修正されれば、コスト高の影響はすぐに緩和される。

原油価格の上昇でガソリン、電気代が2倍になったが、円安でそれは3倍に拡大した。

もし円安を修正すれば、原油は3分の1安くなる。

景気悪化の原因が輸入財価格の高騰なのだから、為替がいちばん効果があるに決まっている。

円安修正のための金融政策調整は、景気にプラスだ。

第3の誤りは、日本経済へのインフレ圧力はアメリカのような労働市場の逼迫からの賃金上昇ではなく、輸入コストの上昇という対外的要因だから、国内の金融政策は変えない、という点だ。

違う。

対外要因だからこそ、為替水準に大きな歪みを与えている金融政策を変更する必要があるのだ。

第4の誤りは「金融緩和は絶対に継続する。だから変更はできない」という主張だ。

まったく正反対だ。

このままでは、金融緩和の継続はできなくなる。

緩和の持続性が危うくなっているからこそ、トリッキーな連日指し値オペを止めて、普通の国債買い入れを行い、投機的トレーダーを追い払う必要があるのだ。

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「やっぱり円高が今の疲弊した日本を救う」と言える理由
円安を修正しても景気は悪化しない
会社四季報オンライン 2022/06/25 小幡績








■もはや製造業でもリスクとなった「円安の時代」
日本製鉄社長も円安への危機感をあらわにした
東洋経済オンライン 2022/04/19





■にわかに強まる世界通貨高競争の機運、通貨安を一身に引き受ける円のゆくえ
10年前は通貨安競争で強烈な円高、今回の「円だけマイナス金利」はどうなる
JBpress  2022.6.29 唐鎌大輔






■原油高と円安で日本の“赤字化"は不可避なのか
第一生命経済研究所の星野氏に見通しを聞く
東洋経済 2022/04/20 






■2022年の貿易赤字、19兆9713億円 1979年以降で過去最大 資源高や円安で
TBS NEWS 2023年1月19日






■貿易赤字、最大19.9兆円 「国富流出」懸念も―22年





■過去最大「20兆円」貿易赤字で日本にこれから何が起きるのか
Business Insider Jan. 23, 2023 唐鎌大輔 [みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト]






■日本は資産を食い潰す「債権取り崩し国」へ!?歴史的円安を生み出した構造要因の正体
ダイヤモンド 2022.12.24 唐鎌大輔/みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストインタビュー







■日本企業が悶絶するインフレ2022、資源高と悪い円安が招く「コスト上昇ラッシュ」の惨状
週刊ダイヤモンド 2022.1.17







■企業業績悪化、商品値上げ、消費減退…「悪い円安」が日本経済を襲う
2021/12/8 週刊ポスト






■異次元緩和、円安が招く消費悪化リスク
NIKKEI STYLE(日経新聞)2019/5/13 加藤出(東短リサーチ社長チーフエコノミスト)






■間違いなく「悪い円安」が日本経済を蝕んでいく
~円安万能論を捨て、日銀は正常化を示唆すべき~
「アベノミクス」円安、原油高が日本人の暮らしを圧迫
東洋経済 2021/10/15






■円安続けば、電気料金「2割」値上げも
東洋経済 2013/02/28






■東京電力主力子会社が再び債務超過へ、「円安敗戦」でまたも数千億円の増資を調整中
ダイヤモンド 2022.12.19 堀内 亮






■電気代、家計負担一段と 1月の東電自由料金46%増
燃料高・円安で過去最高
日本経済新聞 2023年1月20日






■深刻化する円安、高齢者ほど悪影響 値上げなどで購入を諦めた商品・サービスは?
2022年10月03日 [ITmedia]






■来春の電気代「2000~3000円」上昇か……経済評論家「円安続けばさらに上がる可能性も」
日テレNEWS 2022/10/22






■電気代 6社値上げへ 燃料高・円安で収益悪化 政府、今冬の節電要請
沖縄タイムス 2022年11月2日






■電気料金、なぜ値上げ? 火力発電燃料、高止まり 円安追い打ち、業績悪化=回答・浅川大樹
毎日新聞 2022/11/16







■化石燃料の逆襲に遭う欧州 日本は「悪い円安」の重荷=神崎修一/斎藤信世
「さらに円安が進むことになれば、海外からの調達価格が上昇し、企業収益は大きく圧迫される。まさに「悪い円安」の状況だ。原油高、ガス高、円安の「三重苦」の状況が続けば、日本経済に大打撃となるのは間違いない」
「週刊エコノミストオンライン」(毎日新聞)2021年11月15日







■「悪い円安」と向き合わない黒田日銀の危うさ
財務相、経済団体トップも懸念表明、知恵集め「緩和」の転換を検討する時だ
論座(朝日新聞)2022年04月27日 小此木潔 ジャーナリスト、元上智大学教授






■円安は1ドル=130~135円も視野に…「値上げラッシュ」と「国富の流出」はいつまで続く?
週刊現代 2022.04.19 町田徹






■円安もインフレも止められない日銀の袋小路、迷走する物価対策
週刊ダイヤモンド 2022.5.16 金子 勝:立教大学大学院特任教授・慶應義塾大学名誉教授






■日銀は庶民が苦しむ円安政策をすぐ変更すべきだ
今や円安は日本経済にとって明らかにマイナス
東洋経済オンライン 2022/03/31  小幡 績 : 慶應義塾大学大学院准教授






■“悪い円安”このままでは「深刻な日本売り」が始まる
毎日新聞 2021年11月27日 平野純一・経済プレミア編集部







■国民全員が負担することになる「異次元緩和」の隠れたコスト=近藤駿介
まぐまぐニュース 2015年11月17日






■日本社会を襲う「危ない円安」 異次元緩和の果てに打つ手なく 金利差でドル買い円売り拍車
長周新聞 2022年4月28日







■日銀発「異次元の金融危機」で日本はハイパーインフレに向かっている 藤巻健史
週刊エコノミストオンライン(毎日新聞)2022年10月3日






■異次元緩和はもはや限界! 日本銀行と我が国に迫りくる巨大な危機
週刊現代 2023.03.14






■日銀の緩和効果、海外に流出?
日本経済新聞 2016年7月7日






■日銀、デフレ脱却の完全失敗へ…経済失速の「戦犯」黒田総裁
「消費増税による経済失速」
Business Journal 2018.02.24






■異次元緩和で深まる国民の痛み、黒田日銀総裁の「罪と罰」=浜矩子
浜矩子氏・同志社大学大学院ビジネス研究科教授、エコノミスト
週刊エコノミストオンライン(毎日新聞) 2022年6月9日






■アベノミクスに無反省 円安による物価高の元凶・黒田総裁
福岡の経済メディア NetIB-News 2022年10月14日






■日本円の価値は半減する?黒田日銀総裁の「利上げ放棄」任期満了待ち作戦で“トルコリラ”の二の舞も=今市太郎
まぐまぐニュース 2022年1月22日






■家計負担年4万円増!「賃金増えない物価上昇」招いたアベノミクスの功罪

2022/2/24 女性自身






■アベノミクスの大ウソが露呈。円安で確定した日本の“衰退途上国”入り
まぐまぐニュース 国内2022.10.19





■コロナ禍でウソがばれた「アベノミクス」という大失敗
PRESIDENT Online 2020/03/12 小宮一慶






■アベノミクスの大罪。
「円安は国益」というインチキ金融政策3つのウソ
まぐまぐニュース!






■これは地獄への道。日銀の追加緩和ではっきりしたアベノミクスの「金融詐欺」
Yahoo!ニュース 2014/11/1 山田順





■安倍政権、「日銀と政府」の危なすぎる関係
インフレが実現したら、政策転換できるのか
東洋経済オンライン 2018/04/05






■円の暴落が止まらないのに、安倍元総理が「黒田総裁」をゴリ押しするワケ
現代ビジネス 2022.04.29






■「やっぱりアベノミクスが元凶だった」金融緩和を続ける日本が貧しくなる当然の理由
・円の大暴落を引き起こした「日銀の指値オペ」
・輸入依存の日本にとって「円安」こそ危険
PRESIDENT Online 2022/04/15 立澤賢一 元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授






■アベノミクスで経済が破壊されても真相は報じられない理由
「日銀は通貨供給量を150兆円から300兆円へ膨らませたが、実際に世の中に出回るカネは60兆円しか増えていない」
「急激な円安は輸入コスト増をもたらし、中小企業を直撃。労働者の実質賃金は23カ月連続マイナス」
日刊ゲンダイ 2015/05/03






■アベノミクスのワナ?「規制緩和」「構造改革」は、米国による日本弱体化戦略の一環?
Business Journal 2013.08.08





■【安倍政権以降、自民党政権は反日・売国政権であったことはご存知でしたでしょうか?】
・安倍晋三首相が愛してやまない祖父、岸信介がA級戦犯を逃れるため米国と交わした裏取引きが!
「岸がアメリカから言われた最大のミッション」「アメリカの資金でつくられた首相」
exciteニュース 2015年8月17日 野尻民夫






■日本の“激安不動産”に外資マネー殺到!「日本買い1兆円ファンド」まで始動の実態
週刊ダイヤモンド 2021.8.5






■外資ファンド、日本の不動産に照準
「外資系ファンドが日本の不動産市場に相次ぎ参入」
「超低金利の日本」
日本経済新聞 2019年8月8日





■ソニーや三井不動産も実質外資 乗っ取られた日本企業35社
「アベノミクスは円安や官製相場によって株高をつくり出しましたが、その副作用で日本の優良企業は海外ハゲタカの餌食になっているのです」
日刊ゲンダイ(2017/08/04)






■黒田日銀が固執する異次元金融緩和の間違い 金利を上げれば日本経済は活性化する
週刊ポスト 2022.07.19 大前研一






■すべてはアメリカの思惑次第…どれだけ円安が進んでも日銀が異次元金融緩和をやめられないワケ
PRESIDENT Online 2022/10/28 森岡英樹






■『そして、日本の富は略奪される--アメリカが仕掛けた新自由主義の正体』
「政治家、官僚、大企業経営層、マスコミなどが礼賛する新自由主義。しかし、その実態は「改革」の名の下、旧来の社会を破壊し、蓄積した富を一部の人間が奪うためのイデオロギーだった」
著者/編集: 菊池英博
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2014年01月

https://a.r10.to/hgLew2





■国富消尽―対米隷従の果てに
「債権国でありながら米国債を買い支え、ドル防衛役を担い続けてきた日本の「マネー敗戦」構造」
著者: 吉川元忠
出版社:PHP研究所
発売日:2005年12月14日





■『闇の世界金融の日本改造計画 日本人だけが知らない国際経済を動かす「たったひとつのルール」』
「ひと握りの「金融資本家」の絶大な影響力により、世界的な事件には「彼ら」の意図が大きく作用する」
著者:菊川征司
出版社:イースト・プレス
発売日:2015年10月30日





■『国際金融資本の罠に嵌った日本―悪魔の経済‐グローバリズムの正体』
「日本人の資産と魂が食い物にされている!潤沢な資本をボーダレスに移動させる超国家的存在―国際金融メジャーの戦略と謀略」
著者:板垣 英憲
出版社:日本文芸社
発売日:1999/6/1

https://www.yodobashi.com/product/100000009000117606/






■アベノミクス、異次元緩和が、国民の金融資産の海外流出であり、国富の収奪である
2013年05月26日





■植草一秀 安倍売国政治の系譜
「アベノミクス誕生予想に伴う円安で巨万の為替益を稼いだと言われるヘッジファンドの雄=ジョージ・ソロス」
2013/5/2






■ソロス・ファンド、円安見込む取引で10億ドルの利益=WSJ







■ソロス氏のヘッジファンド、円安で10億ドルの利益
日本経済新聞






■「双子の赤字」を抱えていた米国が行ったプラザ合意の衝撃
シリコンバレー物語~IT巨人の実像と今後(5)プラザ合意と日本潰し
テンミニッツTV 2021/07/08 島田晴雄 慶應義塾大学名誉教授 






■日本経済を“丸ごと刈り取った”ユダヤの陰謀とは? バブル経済崩壊、その巧妙な手口
exciteニュース 2016年11月8日






■日本経済のバブル崩壊から異次元緩和までの歴史
・日本経済が破滅に向かう転機となった「プラザ合意」
東条雅彦 | マネーボイス 2017年8月8日





■金子勝氏「アベノミクスで行き詰まる日本、その処方箋」
2019.06.09





■アベノミクスは間違っている-植草一秀さんが講演
2014/05/24






■浜矩子氏:アベノミクスは浦島太郎の経済学だ
2013/01/26





■アベノミクスとTPP
講演 植草一秀氏
2013年6月15日
ビジョン21 真実を知る講演シリーズ





■吉川晃司さん、アベノミクスについて語る
2013/07/30
吉川晃司さんが、アベノミクスの結末について語っています。
とても鋭い視点で語っていて、最後の方は少しヒートアップ。





■土田晃之×池上彰対談【アベノミクスと今後の見通しが危険で怖すぎる理由】
2014/11/04





■山口二郎のムホン会議 金子勝 × 大沢真里 「アベノミクス 幻想の先に 」
2016年6月4日






■アベノミクスは失敗?経済学者「手術が必要なのに円安という麻薬でごまかし続けた」アベプラ
2022/01/25






■このトリックを見破れるか?安倍政権の日本貧困化計画【三橋貴明】
YouTube 2020/05/25





■プラザ合意!Plaza 凄まじい為替レート 日本経済 円安から円高へ・・・ ニューヨークでのプラザ合意!紙芝居イラスト解説
横浜ザイバツの株式投資法 2020/02/23





■ロシアのデフォルトから学ぶ国際金融資本のやり口 [三橋TV第158回]三橋貴明・高家望愛





■国際金融資本の真相を知り、「日本国民の国」を取り戻そう  [三橋TV第299回] 三橋貴明・林千勝・saya 2020/10/09





■日銀金融緩和で刷られた円の行き先が日本企業でも日本国民でもないカラクリ
TOKYO MX バラいろダンディ(2016年9月15日)Dr.苫米地


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