【欧米諸国が日本を愛しているという幻想…日本人が知らない、欧米「アジア人差別」】欧米諸国による「血塗られたアジア人差別」~日本人は「けだもの」あえて「原爆投下」を選んだトルーマンの人種差別~

【欧米諸国が日本を愛しているという幻想…日本人が知らない、欧米「アジア人差別」】欧米諸国による「血塗られたアジア人差別」~日本人は「けだもの」あえて「原爆投下」を選んだトルーマンの人種差別~






■「ハリウッドで日本人は差別され…」天然パーマを矯正された俳優、松崎悠希さんの怒り

GLOBE+(朝日新聞) 2022.06.18

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俳優は松崎悠希さん(40)。

1999年に渡米し、「硫黄島からの手紙」「ピンクパンサー2」など、多くのハリウッド作品に出演している。

近年はキャスティングも手伝っている。

ハリウッドで活動する中で、撮影現場や作品描写で繰り返される日本人への差別や偏見を目の当たりにしてきたという。

やり取りは次のとおり。

――ハリウッドで活躍している松崎さんは、これまで何度も差別に遭ってきたそうですね。

2011年、アメリカドラマ「メル&ジョー 好きなのはあなたでしょ?」(2010~2015年)に出演した時のことです。

僕が衣装合わせやメイクをしていた時、アメリカ人のプロデューサーがやって来て、僕のパーマを指差して「この髪、本物なの?」と聞いてきたんです。

僕が「本物です」と言ったら、「でも日本人は全員ストレートヘアでしょ?」と言うから、「いや、そうとは限りません。僕みたいに天然パーマの日本人もいるんです」と答えました。

そしたら、プロデューサーは「でも、アメリカ人の視聴者は、日本人は全員ストレートヘアだと考えていて、あなたの役は日本人だから『日本人』に見えなければいけない。あなたは『日本人らしさ』が足りない」「だから、アメリカ人の思う日本人の髪型に変えさせてもらう」と言い始めました。

そのとき、黒髪ストレートヘアでおかっぱだった言語指導の日本人女性が近くにいたんですが、プロデューサーがその人を指して「これよ、これが日本人の髪型よ」って言って、メイク担当者を呼んで、「この人(松崎さん)の髪形をこういうふうにしてちょうだい」と指示しました。

僕の髪にヘアアイロンをかけ、強制的にストレートヘアのおかっぱにしたわけです。

また、別のキャスティングオーディションでも、差別とステレオタイプの嵐でした。

担当者 (履歴書と松崎さんを見ながら)「本当に日本人なの?」
松崎  「はい」
担当者 「でもあなた、背が高いじゃない」
松崎  「いや、背が高い日本人もいるんですが」
担当者 「顔も濃いけど、ご両親は日本人なの?」
松崎  「はい」
担当者 「日本はどちらにお住まいなの?」
松崎  「九州という南の方の島です」
担当者 「ああ、『南方系の日本人』なのね」(手元に「南方系日本人」とメモ)
(敬称略)

そんなやり取りをして、担当者はようやく少し納得するわけです。

僕の外見が、担当者の中の日本人像に当てはまっていないから、その理由が必要なわけですよ。

「なんでこの人は『日本人』っぽくないんだろう」と、疑問という名の偏見を、オーディションの度にぶつけられるのです。

ハリウッドの製作陣が、日本人俳優をキャストする際の最優先事項が、「ハリウッドが考える日本人」に見えるかどうか、なんです。

ハリウッドはキャスティングの際に、「authentic Japanese actors/actress=本物の日本人俳優」という言葉を使うのが好きなんですけど、実際の日本社会を反映していない架空の日本人像を求めているわけなんですよね。

――今回、ハリウッドによる差別や偏見をTwitterで「告発」したきっかけは何だったのでしょうか?

近年、アジア系へのヘイトクライム(アジアンヘイト)が相次ぎ、日本人などマイノリティーへの差別や偏見の広がりを感じていたからです。

アジアンヘイトの温床には、ハリウッドなどが作品を通して発信してきた「哀れなアジア人」や「意地悪なアジア人」などのステレオタイプなイメージがあるのです。

誤ったイメージが刷り込まれ、それが近年、アジア系への暴力を伴う差別として表に出てきました。

さらに、僕はここ数年、日本人俳優のキャスティングを手伝ってきたんですが、その過程でも日本人への差別や偏見が目につくようになったんです。

当初、ハリウッドの映画人は、そもそも自分たちが差別している自覚もない状態だったんです。

彼らは、「日本は単一民族国家」という幻想を持っていて、日本人の役をキャスティングする際は「ハリウッドが考える日本人像」の中に収まっている人を探しているんですよ。

僕自身も「本当に日本人なの?」と聞かれ続けてきたんですけれども、ミックスルーツの日本人俳優の扱いはもっとひどいです。

ハリウッドの映画人は「その俳優は、日本人・東洋人に見えるか?」と聞いてくるんですが、ここでミックスルーツの日本人は「日本人」扱いされず、全て排除されるんです。

キャスティングで提出する書類では、俳優の両親の国籍情報を求められることが多く、俳優自身が日本人でも、両親が日本ではない人は、圧倒的に不利になるか、排除されるか、になります。

――欧米では、差別的な言動をしたら、例外なく「一発アウト」になるイメージがあります。黒人俳優の方々に「髪の毛をストレートヘアにしろ」と言ったら、それこそ大問題になるかと思うのですが、日本人の場合はなぜ「大ごと」にならないのでしょうか。

そう、もうすでに小川さんが答えを言ったんですよ。

日本人を差別しても、「大ごと」にならないからなんですよ。

黒人俳優の方々に同じことをやったら、「大ごと」になる。

でもこれが日本人だと、うんともすんとも言わない。

これまで日本人が誰も文句を言ってこなかったから、なんです。

何年も前に、とある有名プロデューサーたちと会食をしました。

彼が「これから中国市場がどんどん伸びる中で、中国に配慮した映画作りをしなければいけない。怒らせないように気をつけなきゃいけない」と話していたんです。

彼は、過去に日本人を差別的に描写したことがあり、僕はそこで突っ込んだんですよ。

「でもあの映画で、日本人を変なふうに描いていませんでしたっけ?」と。

そしたら、彼は「でも、日本人は変な描き方をされても怒らないし、ボイコット運動もしない。興行収入に影響しないから配慮する意義をあまり感じない」と言っていたんですよ。

これが日本人の描写が差別的でも、ずっと変わらない原因です。

日本では、耐え忍ぶことが美徳という考えを持つ人がいますが、それは日本以外では通用しないということです。

――人種関係なく、差別はあってはなりません。言われないと分からないほど、一部のハリウッドの映画人の人権意識は低いのでしょうか。

これは、彼らの人権意識が低いというよりも、やはり批判の声が上がらないと、気がつかないということだと思います。

彼らが無意識に持つ日本人像がすでに差別的なわけです。

こうした問題について、先日、イギリスのインデペンデント紙にコラムを寄稿したところ、なんと、アジア系と非アジア系のルーツを持つアメリカ人俳優たちから共感のメッセージが届きました。

「私たちもアジア系のはずなのに、ハリウッドの考えるアジア系アメリカ人に見えないという理由で、差別されてきた」と。

「私は両親が日本人と白人で、自分では日系アメリカ人だと思っているが、私は『ハリウッドが考える日系アメリカ人』の見た目ではないから、ハリウッドは私を日系アメリカ人の役で選ばない」と訴える人もいました。

日本人のハリウッド俳優と同じように、アジア系アメリカ人たちも、自分たちの差別について声を上げるチャンスはあまりなかったのでしょう。

アメリカの公民権運動指導者、ジョン・ルイス(1940~2020年)の言葉で「Get in good trouble, necessary trouble(良いトラブル、必要なトラブルを巻き起こそう)」というのがあります。

これは、和を重んじる日本の考え方の真逆となるわけですが、マイノリティーにとって非常に有効な戦い方なんですよ。

まずは問題の存在自体に気づいてもらわなければ、その問題を解決する方向には一切動かないですよね。

――声を上げられずにいるマイノリティーの俳優は、まだまだ多そうです。

ハリウッドのある作品で在日(コリアン)の役を募集した時のことです。

普通に考えたら在日の俳優を呼べばいいんですけれども、なんとハリウッドの製作陣は、韓国名で活動する俳優だけに限定していたんです。

実際の日本社会では、韓国名で活動する在日の俳優は非常に少ないにもかかわらず、ハリウッドは、日本名を使っている在日の俳優を「在日」として認めず、排除したんですよ。

僕は「帰化した俳優も含め、日本名を使う在日の俳優が大多数なのに、それはおかしい」と抗議しました。

在日もしくは元在日だと自ら公言し、日本名で活動する俳優のリストを送ったんですが、ハリウッドの製作陣は聞く耳を持たなかった。

結局、日本で暮らす韓国名の在日の俳優ではなくて、アメリカ在住で韓国名を持った韓国系俳優、つまり韓国人か韓国系アメリカ人しかオーディションに呼ばなかったんです。

抗議し続けた結果、僕がクビにされました。

ただ、その後、この製作陣は「これはやってはいけないことなんだ」と反省したのか、そのキャスティングが、少しだけまともになりました。

――ハリウッドでは、日本人への差別・偏見について、今まで誰も抗議してこなかったのでしょうか。

「ラストサムライ」(2003年)の頃は、ハリウッドで日本人の役者が使ってもらえるだけでも儲けもんだったんですよ。

「ラストサムライ」が出た当初も、私含めほとんどの日本人が、トム・クルーズが日本に来てくれて、日本を題材にした作品に出てくれたことを、嬉しいし、ありがたいと思ったんです。

たとえ「ラストサムライ」で描かれている「日本」がめちゃくちゃな描写だったとしても。

よく見ると、民家に巨大な仏像があったり、ソテツが生えていたり、ゴルフ場みたいな所で合戦していたり。

少し違和感があっても、みんな、目をつぶっていたわけですね。

ところが、僕たちがどれだけ指摘しても、その時は直るんですけど、別の作品、別のチームになると、また元戻りになる。

それを繰り返していると、さすがに「いい加減に学ぼうよ」という気持ちになってきますよね。

つい数年前も、あるアメリカのコメディードラマで、金屏風や、ちゃぶ台、盆栽が並んでいて、その前で新聞を読むという「日本」のシーンがありました。

また、アメリカのドラマ「高い城の男」(2015年)では、僕が合気道の先生を演じたんですが、道場の掛け軸に「ハブ薬局」って書いてあって「何じゃこりゃ!」と。

そして、道場の奥には大きなドラが置いてありました。このレベルが、この20年間、ほとんど改善されていない。

しかも、そこにミックスルーツの日本人などへの差別がベースとしてあり、それすらも改善されてないわけです。

その差別や偏見に基づいた、ステレオタイプの日本人像を変えなければ、マイノリティーの日本人を排除する差別的なキャスティングの構造も改善されないと思うのです。

――私自身は母親が中国出身ですが、日本でも、ミックスルーツ像や日本人像が限定的に決めつけられていると感じています。日本の映画やドラマでも、ミックスルーツの俳優の出演は少なく、日本社会の多様性を映す鏡とは言えませんね。

日本では、ミックスルーツの日本人俳優を起用する場合、その「理由」をつけたがるんですよ。

例えば、「今回はこういうストーリーだから、どこそこの国のルーツを持つ俳優が必要なんだ」と。

今の日本の映画やドラマでは、いわゆる「『日本人』に見える俳優」は普通に活躍しています。

一方で「外見で『ミックスルーツ』とわかる日本人俳優」が、いわゆる「普通の日本人役」で登場しているのを見たことがありますか。

非常に少ないですよね。

実際の日本社会では、ミックスルーツの日本人は、「普通に」生活しているにもかかわらず、それが一切、映像の世界で反映されていないわけです。

なぜ、こんなことになってしまうのか。

製作側・出演側にマイノリティー当事者がほとんどいないからです。

マジョリティーからの視点に基づくと、多くの場合、マイノリティーが「普通ではないもの」として描かれ、発信されてしまう。

そして、実社会でも偏見が無意識に刷り込まれるので、マイノリティーが差別的な扱いを受けることになるわけです。

――ミックスルーツの日本人俳優は、ハリウッドだけでなく、日本でも排除されていたんですね。

日本の映像業界ですら、こんな状況なので、たとえハリウッドの映画人が日本の作品から「本当の日本」を学ぼうとしても、その作品にもマイノリティーがほぼ存在しないわけですよ。

特に、ハリウッドの映画人が大好きなクラシック作品内の日本像って、今の日本社会とさらにかけ離れているんですよね。

彼らが、そうした作品にリスペクトを払うたびに多様な日本・日本人が、排除されていくのです。

ハリウッドがうたう「多様性」は建前で、実際は外見の問題なんですよ。

様々な外見の俳優を起用することで、「人種的に多様ですよ」と見せているだけです。

「ハリウッドが想定する外見の俳優」の中に入らない人は、全て排除されるんです。ハリウッドが「日本人をキャストしましたよ」と言っても、ミックスルーツの日本人は入ってこないわけです。

つまり、「多様性」とは言ってはいるものの、グラデーションのレインボーカラーではなく、レインボー1色1色が区切られている。

境界線が曖昧なグラデーションにいる人々を排除しているのです。

ミックスルーツの日本人俳優たちは、ハリウッドの宣伝文句である多様性(ダイバーシティー)や包括性(インクルーシブネス)を信じ込み、日本から渡米します。

そして、多くは2度目の失望を味わうことになるのです。

――ミックスルーツの私自身も、過去に「親が中国人だから、大ざっぱなの?」「中国の血が入っているのに、声が小さい」などと、言ってくる人が周りにいました。当時は、松崎さんのように抗議することはできず、今となって悔やんでいます。松崎さんがリスクを背負いながらも、差別や偏見と闘う原動力はどこにあるのでしょうか。

一人一人の言葉に反応して怒るのは、ものすごいエネルギーを使いますよね。

しかも、その一人は直ったとしても、また別の人が同じ差別発言をするわけで、ずっと怒らないといけない。

それなら、我慢すればいいと思うのは、仕方のない面もあります。

今でも、日本のドラマや映画では、ステレオタイプな中国人の描写が多いですよね。

こうした描写は、人々が持つ中国人のイメージに、大きな影響を与えているわけです。

僕が声を上げるのは、そうしたマイノリティーのイメージを改善させるためなんです。

それは、自分が同じような差別的な扱いを受けてきた過去の経験が、大きな原動力になっています。

僕は新人時代、ハリウッドで「Radio Silence」という短編の戦争映画に、零戦乗りの役で出演したことがあったんですよ。

監督が撮影前、僕の役について説明しました。

「私は日本兵を悪人だとは思わない。家族があり、一人の人間である日本兵を、激昂したアメリカ兵が打ち殺す、この理不尽さを描きたいんだ」と。

当時、ハリウッド映画では「日本兵=悪人」が常識でしたが、こういう考えの監督もいるのだと感動しました。

僕の日本語のセリフは、「私は捕虜となってまで抵抗は一切しない。本国において私は死んだも同然だ」でした。

ところが、なぜか出演者で僕だけ完成披露試写会に呼ばれず、完成したビデオテープだけが送られてきました。

再生すると、僕の日本語のセリフと英語字幕が全く違う内容だったんです。

「You must all perish. Soon your ship will sink. You and I, I take to the Bottom! (お前らは全員死ぬべきだ。この船はもうすぐ沈む。俺が海の底まで連れていってやろう!)」と、完全な悪役になっていたんですよ。

ステレオタイプな日本兵のイメージを払拭できると思って出演したのに、騙されたわけです。

怒り心頭でしたが、もうすでに手遅れでした。

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「ハリウッドで日本人は差別され…」天然パーマを矯正された俳優、松崎悠希さんの怒り
GLOBE+(朝日新聞) 2022.06.18





■イギリスでアジア人差別を経験して思う「差別は小さな偏見から生まれる」

FRaU 2021.08.26 クラーク志織

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・「私は差別される側の人間だった」

イギリスに移り住んでもうすぐ10年。

私が暮らすロンドンは、マルチカルチャーが根付く街。

アジア人と白人のミックスである私は、ルーツが原因で嫌な経験をしたことはないと感じていたし、「ロンドンに人種差別はほとんどない」と思って過ごしてきました。

というか、正直なところ、人種差別というものは「黒人やイスラム系の人々に降りかかる災難」のように思っていたところがあり、心のどこかで「アジア人は白人と同じ側にいるから差別されない」と他人事のようにも感じていました。

でも、パンデミック発生をきかっけに、それは完全に勘違いだったと気づいたのです。

2020年2月、コロナウイルスのアウトブレイクがニュースで大きく取り上げられ始めると「電車で誰も隣に座ろうとしない」「道端で『ウイルスだ!』と言われた」などといった話をアジア系の友人から頻繁に聞くようになりました。

また、アジア系移民が街中で誰かに殴られたというような話もSNSなどで大きく取り上げられると同時に、多くのアジア系移民が自身の受けた差別的な経験をSNSなどで「STOP ASAIAN HATE」という言葉とともにシェア。

パンデミックが始まる前から差別は存在していたと打ち明ける人もたくさんいました。

なんだかアジア系の人々を取り囲む雰囲気が突然ガラッと変わってしまったような気がして、私はとてもショックを受けました。

「そっか、そうだよね、私は、差別される側だったよね」と急に我に返ったような気も......。

イギリスやアメリカでは、日本、中国、韓国などの東アジア人はエスニックマイノリティーの中でも物静かで順応かつ勤勉、所得も高く、白人コミュニティーに馴染んでいる「模範的な移民」といったイメージを持たれています。

けれど、今回のパンデミックによりそのステレオタイプの裏に隠された問題点が露呈したように思います。

「模範的な移民」。それは、あくまでも白人の脅威にならない程度に順応に従う、そういった条件付きでアジア系移民は社会から認められているだけだと多くの人が指摘。

怒らない、騒がない、といったイメージがあるからこそ、指で目尻を吊り上げたり、日本人女性と聞くとゲイシャを連想したり、セックスシンボルに捉えるなど、数々の偏見が現代になっても問題視されずに存在するのです。

そしてこれらの偏見は多くのアジア系移民を苦しめている原因になっていると言います。

大人になってからイギリスに移り住んだ私は、恥ずかしながら最近までそういった問題に気がついていませんでした。

「他の外国人と違って日本人は真面目に働くから良いよね」と言われても、「好意的に見てくれているのかな?」と褒め言葉として受け止めていたし、イギリスのメディアで日本文化が間違った解釈で取り上げられていても「ちょっと面白いかも!?」と、モヤモヤする心に蓋をするように笑って受け流していた節もあります。

むしろ、「アジア人だから差別された」と話す人を見て、「私はそんな経験ないな。ちょっと気にしすぎでは?」とすら思っていました。反省です。

今思えば、私はアジア系女性の中では背が高く(171cm)あるせいか、パッと見の判断で典型的なターゲットに見えないから、道端で差別的な言葉を投げかけられるという経験がなかったのかもしれません。

そんな馬鹿げたことで......と思っちゃいそうですが、道端で誰かに差別的な言葉を投げかける理由なんて、だいたい表面的な決めつけであり、勝手なものです。

しかしそんな私も、昨年の夏、ついに被害にあってしまいました。

短期間のうちに2回も見知らぬ人からアジア人蔑視的な言葉を浴びせられたのです。

不意に向けられた憎悪や悪意は、簡単には消えることなくジワジワと心に刻まれ、今も重く残り続けています。

そしてその数ヵ月後、アトランタでアジア人を狙った銃乱射事件が発生。

このニュースは私をものすごく震え上がらせました。

軽いことと受け流していた小さな偏見や無知が「この集団は無下にあつかってもいい」という意識を社会の中で作り上げ、あのような悍ましい事件を引き起こしたんだ。

そしてその雰囲気はイギリスにも確かに存在する......と。

イギリスに移り住んで初めて、外出するのが怖いと感じました。

「自分の見た目が原因で突然に暴力を振るわれるかもしれない」今まで安全だと信じていた街が、急に恐ろしく思えたのです。

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イギリスでアジア人差別を経験して思う「差別は小さな偏見から生まれる」
FRaU 2021.08.26 クラーク志織





■ドルチェ&ガッバーナの動画は何が問題だったのか~欧州に根強く残る「アジア人軽視」という問題~

GLOBE+(朝日新聞) 2018.12.06

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先日、イタリアのファッションブランド「ドルチェ&ガッバーナ」が制作した動画及び、その後、インスタグラムで苦言を呈した人に対して、同ブランドのデザイナーであるステファノ・ガッバーナ氏と見られる人物が、排泄物の絵文字を多用しながら、中国を侮辱する内容を書き込んだことが原因で中国で、ドルチェ&ガッバーナの不買運動が起きるなどの大騒動となりました。

ブランド側はアカウントを乗っ取られたと主張しましたが、結果的に同社のデザイナーであるドメニコ・ドルチェ氏とステファノ・ガッバーナ氏が謝罪をする展開になりました。

この騒動に日本は直接かかわってはいませんが、日本のテレビやインターネットを見て気になったのは「日本に住む日本の人々の受け止め方」と「欧州社会の一部に残っているアジア人蔑視の現実」とのギャップです。

・「お箸文化」への蔑視にみる「異なる文化への軽視」

動画について、具体的に何が問題だったのかというと、単刀直入にいえば、「お箸文化への蔑視」だと思います。

動画では「箸を一本ずつ片手で握る」というお箸を使う文化圏であれば、マナーとしてあり得ない動作を繰り返し映しており、さらに片手で握った一本の箸でピザの生地をつついたり刺したりと「やりたい放題」です。

箸を日常的に使う国の人が見たら不快に感じる動画を、なぜ配信前に誰も止めることができなかったのかと不思議に思うところですが、中国の「ヴォーグ」の編集長であるアンジェリカ・チャン氏のコメント「中国市場進出をねらう西洋ブランドは、中国人の文化に対する感性を考慮すべき。本社からの命令を全て(中国チームに)実行させるのではなく、中国チームからの意見や考察を聞くことで得られるものは大きいだろう」というコメントが的を射ていると思います。

中国VS西洋文化のように、予め文化の違いが「ある」と分かっている場合、それがビジネスであればなおさら、最初から「現地の声」(今回においていえば、それは中国の声)を聞いた上で制作を進めるべきでしたが、この動画を見ると、中国でビジネス展開をしているにもかかわらず、制作段階で中国人の意見を聞かない、もしくは意見を言えないような雰囲気があったことは容易に想像できます。

この動画では「ピザ」の後には「大盛りのスパゲッティ」が登場するのですが、そこではフォークにスパゲッティを巻きつけるかのように「箸にスパゲッティを巻きつけながら箸ををまるでフォークでも回すかのようにくるくると回す」シーンもあり、まさに「箸を使う文化圏の人なら絶対にやらないことのオンパレード」です。筆者にはこれは中国はもとより、お箸文化圏全体を敵に回したかのように思えました。

ところが、日本のテレビやインターネットでの意見には「中国人が騒ぎすぎ」「中国人が怒りすぎ」というようなコメントも多くあり、筆者は複雑な気持ちになりました。

というのは欧州で育った筆者は(一部の)欧州人がいかに差別的かということを身を持って体験してきたからに他なりません。

欧州に長く住んだ経験のある日本人や日本にルーツのある人と話をすると、現地での差別に話題がおよぶこともありますが、どうやらこの問題、「日本にいる日本人」と「欧州に住む日本人」の間に、捉え方や感じ方についてかなりのギャップがあるようなのです。

・東洋人を「チン・チャン・チョン」とからかう悪質な「はやしたて」

では欧州にはアジア人へのどのような差別行為があるのかというと、昔からある代表的なものに「チン・チャン・チョンと言われてからかわれる」という問題があります。

この「チン・チャン・チョン」は、西洋人から見たアジア圏の国々の言語の響きを馬鹿にした明らかな「いじめ」です。

実は筆者もドイツで育った小学生時代、周りの子供に「お母さんが日本人」だということを知られた瞬間に「どうせ、家ではお母さんとチン・チャン・チョンとか変な言葉でしゃべってるんでしょ」と言われた経験があります。

困ったことに、これは「子供同士」の問題だけではなく、むしろ子供は周りの大人のアジアへの蔑視を引き継ぐ形でこのようないじめをしています。

実際に、大人であっても、このような「からかい」を堂々とする人がいます。

道ですれ違い様にアジア人に対して、バカにした感じの口調で「チン・チャン・チョン」と言う酔っ払いにもいますし、もちろんシラフの人もいるので、気が抜けません。

さらには、日本人や中国人がドイツ語やイタリア語などの言語を習う際、アール(r)とエル(l)の発音に苦労することをバカにしながら発音を真似をする、という困った人々もいますが、驚くべきことにこのドルチェ&ガッバーナの動画でも中国人の発音をバカにしているのですから、この動画はいわば「欧州でのアジア人差別」を凝縮したものといっても過言ではないでしょう。

・東洋人の目の形を揶揄する差別的な仕草

欧州で生活をしていると、アジア人を「チン・チャン・チョン」とバカにしながら、両手の指で目を横につり上げる仕草をする人を時折見かけます。

これはアジア人の目の形を揶揄する仕草なのですが、いうまでもなく人種差別です。

昨年、セルビアの女子バレーチームが両目を指でつり上げる仕草をし、問題になったことを覚えている方もいるのではないでしょうか。

このような一部の白人による東洋人への蔑視は許しがたいものですが、同時に驚かされるのは、ヨーロッパで現地の人に「Chinese Chinese! (中国人中国人!)チン・チャン・チョン、チン・チャン・チョン」と言いながら目を横につり上げる仕草をされても、「彼らは中国人のことを言っているのであって、日本人の自分は対象ではない」と自分に都合のよいように解釈している日本人が一部にいることです。

本来は声をあげて怒るべきところを、なぜか自分の中で線引きをして「いじめっこの白人側」に立ってしまっているところにある種の歪みを感じます。

念頭に置いておきたいのは、このような悪質な「からかい」やいじめをす人というのは「アジア人全体」を低く見ているということです。

「彼らは中国人は低く見ているけど、日本人のことは認めてくれている」というような都合のよい解釈はしないほうがいいですし、そもそも事実ではありません。

今回問題となった「ドルチェ&ガッバーナ」に関しても、過去にステファノ・ガッバーナ氏はイタリアの全国紙コリエレ・デラ・セラで「日本人のデザイナーなんかに『ドルチェ&ガッバーナ』の服をデザインしてほしくない」と語っています。

いわばアジア全体を蔑視しているといえるでしょう。

さて、欧州にいるアジア圏の人々は今まで前述の東洋人の容姿をからかうような仕草や、道端などで投げかけられる「チン・チャン・チョン」という「はやしたて」等の差別について、強い抗議はしてきませんでした。

そういった背景もあってか、欧州の一部の人達にとって「アジア人」とは「からかっても、反撃してこない人達」でしたが、今回は中国人が「ドルチェ&ガッバーナ」に対して強い抗議をしたことを筆者は単純に「よくやった」と思いました。

こういう時に怒ることが「やりすぎ」だとは思いませんし、今回直接騒動にかかわっていなかったとはいえ、「お箸文化圏を馬鹿にされた」としむしろ日本人も一緒になって怒るべきところだったと思います。

そうしてこそ欧州社会でのアジア人の立場の向上に貢献できます。

もちろんこれには文化の違いも関係していて、日本ではどんな状況であっても決して声を荒げたり怒ったりしないことが時に美徳だと見なされますが、残念ながら欧州社会においては怒るべき時にきちんと怒らないと、相手に「これからも馬鹿にしてよい存在」と思われてしまいます。

欧州社会に東洋人への差別が一部にあることは事実ですが、その一方で近年たとえばドイツでは「白人が無意識的にする差別について」というテーマもようやくメディアで扱われるようになりました。

例えばドイツのZeit誌のオンライン版では「白人であることによって、当たり前のように自分が有利なポジションにいることに気付かない人が多い。

『あくまでも差別はKu-Klux-Klanのような特殊な人達がするもの。自分は関係ない』といった認識が、日常生活において、自覚のないまま白人でない人の意見を軽視したり、差別をしてしまうことにつながっている。」という社会学者Robin DiAngelo氏の見解を紹介しています。

「ドルチェ&ガッバーナ」に関しても、本人達がどこまで意識しているかは分かりませんが、彼らのある種の白人至上主義やアジアに対する軽視が今回の騒動を招いたといえるでしょう。

どのようにこのような差別問題を解決できるかというのは難しい問題であり、なかなか答えが見つからないのがもどかしいですが、「中国人が白人にバカにされても他人事」のスタンスをとったり、「別にたいしたことがない」とか「そこまで怒ることではない」と問題を過小評価することが、解決にならないのはいうまでもありません。

むしろ更なる差別を招く可能性があると考えたほうがよいでしょう。

人の移動が多いグローバル化している今だからこそ「怒るべき時に怒る」ことも必要なのではないでしょうか。

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ドルチェ&ガッバーナの動画は何が問題だったのか~欧州に根強く残る「アジア人軽視」という問題~
GLOBE+(朝日新聞) 2018.12.06





■日本人はなぜオーストラリアで卵を投げつけられたのか=立沢賢一(元HSBC証券会社社長、京都橘大学客員教授、実業家)

週刊エコノミストオンライン(毎日新聞)2020年6月24日

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・日本人が知らない、世界の人種差別の真実

米国のミネアポリスで始まった、システム化された人種差別問題に由来した暴動は全米へ波及しました。

システム化された人種差別とは社会的弱者が不利となる仕組みが社会構造に取り込まれており、黒人が黒人として生まれただけで、以後の人生が自動的に不利の連続となることを指します。

北米にアフリカからの黒人が初めて入植したのは、1619年です。以後、南北戦争が終わった1865年に奴隷が解放されたのですが、奴隷解放後も黒人差別はなくならず、黒人の人権を認め、差別を撤廃する公民権法が制定されたのは1964年です。

奴隷制度に由来する人種差別があるため、人種の融合は今も進まず、人種別のコミュニティが形成され、多くの黒人が黒人地区(ゲットー)で生まれ育っています。

貧困により満足な衣食住を賄えず、教育の機会も奪われ、したがって就職も困難で、貧困から抜け出せないという悪循環なのです。

また、米国の公立学校の財源はほとんどが固定資産税で賄われており、貧困地区と裕福地区の極端な税収格差が、子供たちが受ける教育格差を生んでいます。

それ故に、貧しい黒人の子供たちが学力格差を克服するのはほぼ不可能に近いのです。

・アメリカに黒人と白人のカップルはいなかった

私が初めて米国の地に足を踏み入れたのは、1983年7月4日。

JAL001便で降り立ったサンフランシスコ空港で、生まれて初めて生身の黒人の人を目にしました。

その時、素直に「格好いいなー!」と呟いた自分を今でも覚えています。

無知な若者であった私は人種差別の「さ」の字も知る由もなくバークレーの大学に通いました。

大学に通い始めて間も無く、黒人の友人が出来、彼から人種差別の話をかなり詳細に聴きましたが、当時の私には全く別世界の話でした。

しかしながら、黒人の友人と良く一緒に居ましたので、有色人種である私も所謂人種差別的扱いを受けた記憶が今でも残っています。

また、当時、周りに黒人と白人のカップルを見た事もありませんでした。

大学卒業後、住友銀行に就職した私は、25歳の時に英国ロンドンに赴任しました。

雨のロンドン、ヒースロー空港に到着し、タクシーでロンドン市内に向かって居た際、黒人と白人の男女のカップルが手を繋いで雨の中を走っている姿を何組も目にし、度肝を抜かれました。

「何でロンドンには異人種カップルがそんなに居るんだろう?」と素直に不思議に思ったのです。

・イギリスの「階級差別」の実態

それもその筈。

英国は人種主義ではなく階級主義なので階級差別があったのです。

ですから、労働者階級同士の白人と黒人とのカップルは「あり」なのです。

米国慣れしていた私にはとても新鮮でしたが、人種の違いか階級の違いかの視点が異なっていたのです。

その後は多く異人種カップルを見ても何の違和感を持つことはなくなりました。

個人的には、英国で日本人だという差別を貴族階級(?)の人から受けたことがありました。

また、私がメリルリンチ時代、優秀な労働者階級の友人に、メリルリンチのトレーダーに転職を勧めたのですが、彼に、「自分の労働者階級発音の英語を聞いたら1秒で、面接官は自分を採用しないよ。」でと切り返されました。

有名で美男子なサッカー選手だったデビッド・ベッカムに対して、多くの貴族階級の英国人が「彼は喋らなければ最高なんだけど、喋ると労働者階級の英語が耳障りだ。」と言っているのを聴いたことがあります。

・第二次世界大戦以来の日本人差別が残るオーストラリア

2003年から2年間居住していたオーストラリアでも、何故か日本人に卵を投げつけても良い(?)という日があったのを覚えています。

その日はアンザックデーと言って、第二次世界大戦や朝鮮戦争などオーストラリアとニュージーランドが関わった全ての人たちに対する祈りを捧げる記念日でした。

確か日本大使館から外出しないようにという御触書が出ていた記憶があります。

歴史的に見ると、日本が第二次世界大戦で多くのオーストラリア人を殺害した事に原因があるようです。

そして何故「生卵」かですが、それはアジア人の肌の色は黄色で卵の黄身というニュアンスがあり、侮辱を込めて、生卵を投げつけていたのです。

・差別に対処するには

私は過去、英語を公用語とする白人主流派の先進国である米国、英国、オーストラリアに居住していましたので、差別を受けた経験が多々あります。

ですから、ミネアポリスで発生した人種差別問題に関しても他人事のようには全く感じられませんでした。

日本で生活しているどれだけの人達がこの問題で実感が湧いているでしょうか?

恐らく殆どの日本人は、「 わー!危険だなー。日本でなくて良かった。」くらいにしか感じていないでしょう。

それもそのはず。私達日本人は単一民族であり、人種差別の問題は原則として日本人同士では起こりえないからです。

日本は島国であり、且つ歴史的に敵国から侵略され植民地化されることもなかったので、平和な感覚で、差別の意識は生まれなかったのです。

ある意味、とても幸せですが、いざ海外に出ましたら、日本国内の感覚では生きていけません。

異なる文化や歴史的背景をしっかりと勉強し、相手国の人達がどのような目線で自分を見ているのかを知っておく必要があります。

オーストラリアの生卵はその良い例だと思います。

因みに、私は現在タイ王国に居住していますが、これまで居住していたアングロ・サクソン系の国々と比較すると真逆です。

私たちの先人がタイ王国で貢献してくれた恩恵を今でも享受できているのです。

日本人であるからということで寧ろ、ゲタを履かせて貰えるような経験が多いです。

私を知る多くの人達は、何故私がアングロ・サクソン系の国ではなく東南アジアに居住しているのかと不思議がるのですが、私にとって、東南アジアはとても快適に生活できる空間なのです。

そこには日本人の私にとって、アングロ・サクソン系の国々で経験したような差別が存在しないからなのです。

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日本人はなぜオーストラリアで卵を投げつけられたのか=立沢賢一(元HSBC証券会社社長、京都橘大学客員教授、実業家)
週刊エコノミストオンライン(毎日新聞)2020年6月24日





■日本人に間違われ「動物以下の扱いで」殺されたヴィンセント・チン事件(’82)── 全米アジア人差別

Yahoo!ニュース 2021/3/30 安部かすみ

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・「日本人だから関係ない」ではない

アメリカでは、アジア系の人々をターゲットにした嫌がらせ、偏見、中傷、暴行、差別が毎日のように起きている。

日系、中国系、韓国系、フィリピン系など民族に拘らず、アジア系というだけでストレスのはけ口となったり事件に巻き込まれるケースが多い。

報道を見て「中国人のことか」と思うかもしれないが、日本人とて他人事ではない。

そもそも地球規模で見れば、日本人も中国人も大差はない(私たちがプエルトリコ人とドミニカ共和国人を見分けられないのと同じ)。

多くの国々では、差別のニュアンスを含まずにアジア系を十把一絡げで「チャイニーズ」と呼ぶ傾向がある。

日本の古い世代の人が「白人=アメリカ人、黒人=アフリカ人」と見なすのと同じ感覚だ。

アジア系の人々へのヘイトが急増する今、多くの人が知らない悲劇をここで改めて振り返る。

・「ヴィンセント・チン殺人事件」

39年前ミシガン州で、日本人に間違えられた中国系アメリカ人の青年が、冷酷に殺害された。

事件当時を知る、日系アメリカ人三世にも話を聞いた。

事件のあらすじ

中国生まれのヴィンセント・チン(Vincent Chin)さん(享年27歳)は、幼いころ養子としてアメリカに渡り、養父母の下ミシガン州で育った。

自身の結婚式が数日後に迫った1982年6月19日、デトロイトにほど近いハイランドパークのストリップクラブで、独身最後となるバチェラーパーティーを友人らと楽しんでいた。

もし生きていたら、チンさんは66歳になる。

そこには、クライスラーの工場で働いていたロナルド・エベンスと、自動車工場の仕事をレイオフされた義理の息子、マイケル・ニッツという、2人の白人男性も遊びに来ていた。

その夜、チンさんと見知らぬこの2人はひょんなことから言い争いとなり、喧嘩はエスカレートしていった。

その場ではいったん収拾がついたものの、2人はチンさんの行方を追って街中を執拗に探し回った。

そしてファストフード店の駐車場でチンさんを見つけ、ニッツがチンさんを羽交い締めにし、エベンスが野球バットを取り出し、チンさんの頭部を繰り返し殴打した。

脳死状態となったチンさんは搬送先の病院で幼馴染の看護師に治療を受けたが、頭部は「これほどの負傷を見たことがないほど酷い」状態だったという。

その4日後の23日、チンさんは亡くなった。

「まるで野球選手がホームランを打つ時のように、フルスイングで頭部を何度も殴っていた」と目撃した非番の警官の証言などを聞くと、犯人にレイシャルアニマス(人種的な敵意)と強い殺意があったことがわかる。

・80年代、反日感情が高まっていた

80年代、アメリカは不況の真っ只中だった。

日米自動車摩擦が激化し、日本の安価で性能の良い車がアメリカ市場へ流入したことでビッグスリーの衰退を加速させた。

オイルショックもあり失業者が増加。自動車産業で繁栄したデトロイトではジャパンバッシング(反日感情)が起こり、日本のみならずアジア系全体に対して苛立ちや恨みなど反アジア感情が高まっていた。

自動車産業の仕事に従事していた2人にとっても、アジア系は目障りだったのだろう。

チンさんを日本人だと思い込んだ2人は「お前のような小さな●●(罵り言葉)のせいで、多くのアメリカ人が仕事を失ったんだ」という言葉を吐き捨て、それにより喧嘩がエスカレートしたと伝えられている。

バチェラーパーティーにいたチンさんの友人、ゲイリー・コイブさんの証言。

「ヴィンセントは日本人ではなく中国人だが、犯人にとってその違いはどうでも良かったようだ。アジア系には変わりないので」と当時を振り返った。

・いつの時代も、同じことが起こっている

「いつの時代も、同じことが起こっている。なぜか?それはこの国で生まれ育っても見た目が違うからです」と言うのは、ミシガン州の弁護士で日系アメリカ人3世のジェームズ・シモウラ(James Shimoura)さん。シモウラさんは地元で起こったチンさんの事件にいてもたってもおられず、事件当時アジア系コミュニティをアシストした1人だ。

シモウラ家は祖父が仕事の関係で、1914年に徳島からミシガンへ渡米。

母方はサンフランシスコ・ベイエリアで農業に従事していた。

その後第二次世界大戦が始まり、家族や親族は日系人強制収容所に入れられるなど、辛い時代を生き抜いて来た。

「日本人というだけで突然ある日、農地、自宅、財産をすべて奪われ強制的に収容所に入れられたのです」とシモウラさん。

「この日系人強制収容のほかに、過去には中国系移民排斥法もありました。日米貿易摩擦下でのチンさんの事件、パンデミックによる反アジア感情、さらについ最近アトランタのマッサージ店で発生した乱射事件など、背景にあるものはすべて繋がっています。ウィットマー知事(民主党)誘拐未遂事件もあったように、今でもネオナチや白人至上主義は存在し、全米どこでも起こりうることです」

チンさん事件が起こった80年代は、アジア系にとってとりわけ難しい時代だったという。

その凄惨な殺害方法はもとより、司法組織によりアジア系の命が軽んじられた。

・犯人は逮捕、拘留されたが・・・

証言者もいたため、犯人2人は現場で逮捕され拘留された。

郡裁判所での第一審の判決で、エベンス被告は第二級殺人罪で起訴(ニッツは無罪)となった。

しかし後に、有罪判決は過失致死罪となった。

懲役刑ではなく3年間の保護観察処分、そしてわずか3780ドル(当時の価値で約70万円程度)の支払いが命じられただけだった。

チャールズ・カウフマン巡回裁判官が放った言葉は、こうだった。

「2人は前科もないし、刑務所に入るような類の人たちではない…」。

人を残虐に殺しておいて、下された刑罰はこの程度だった。

この理不尽な処遇に対して、全米のアジア系の人々は憤慨し、立ち上がった。

・アジア人の命はそんなに軽いのか?

「チンさん事件の判決は、司法組織による動物以下の扱われ方です」とシモウラさん。

命を軽んじられたことで、ミシガンのみならず全米のアジア系の人々による大きな抗議運動に発展した。

「モダンヒストリーにおいて初めて、全米のアジア系が一体となる公民権運動となりました」(シモウラさん)

当時アジア系の弁護士や政治家は少なかったが、コミュニティの中では皆、互いを知っていた。

共に団結し、事件の背景に「被害者の人種、肌の色、出身国に絡んだ動機」があったこと、いわゆるヘイトクライムであると訴えた。

この動きにより、デトロイトでは非営利公民権団体、アメリカ正義市民団体(American Citizens for Justice)が結成され、正義のために闘った。

84年には連邦公民権訴訟に発展させることができ、エベンス被告は第二級殺人罪の有罪判決となり25年の懲役刑が下され、ニッツ被告も有罪になった。

しかし3年後、有罪判決は覆された。

「2回目の裁判は残念ながら、より保守的なオハイオ州シンシナティに移された。同地ではこの事件に対する温度差があり、事情をよくわかっていない陪審員によって公正な審理が行われるはずもない。すべての容疑は取り下げられ、無罪となったのです」

民事訴訟は法廷外で和解し、エベンスは150万ドル、ニッツは5万ドルの支払いを命じられたが、弁護士を利用して財産を隠すなどし、今もその支払いは済んでいない。

NBCニュースも「2人は刑務所に入っていない。エベンスはチン・エステートに対して800万ドル以上の債務を負っている」と報じている。

これらの事件をきっかけに、ヘイトクライムが社会問題化された。

今でこそ犯罪の等級を上げたり刑期を延長できるなどの厳罰を科すことができるヘイトクライム法(Hate Crime Laws)は存在する。

しかしチンさんの事件が起こったのはその法律ができる前だったため、公民権侵害で起訴するしかなく、判決がここまで不条理なものとなったのだ。

事件から39年。アジア系アメリカ人の若い世代には、ヴィンセント・チン事件を知らない人も多い。

・日系アメリカ人としての経験談

シモウラさんが生まれたのは、終戦から8年後の1953年。

反日の雰囲気は根強く残っており、60年代後半まで渦巻いていたという。

「幼いころは(日本人として)からかわれたり喧嘩やトラブルに巻き込まれたりすることも多かったです。高校でやっと学友に恵まれました」。学校はユダヤ系の人々が80%近くを占めていた。彼らの中には何人も親戚をホロコーストで亡くしており(同じような辛い体験を)共感し合うことができた。大学を卒業したのは78年。有色人種には就職の面で大きな障壁があり、自由に仕事を選べる状態ではなかったという。ことさら弁護士ともなると狭き門だった。「今でこそ、アジア諸国はアメリカと貿易面で強固に結ばれているので、大手弁護士事務所はバイリンガルのアジア系弁護士をたくさん抱えています。しかし当時の大手はアジア系を雇わなかったし、州全体でもアジア系弁護士はたった20人程度でした」。

・もしもチンさんが白人だったら・・・?

もしもチンさんが白人であれば、という質問に対して「違う結果になったと思います」とシモウラさんは断言する。

「そして、もしチンさんが白人を殺した逆の立場であれば、必ずや刑務所に送られたことでしょう。またもし容疑者や被害者が黒人の場合も、司法制度で(白人とは)異なる扱いを受けます」。

前述の通り、有色人種が直面している問題はすべて繋がっている。

アトランタで起きた乱射事件もBLMムーブメントのきっかけとなった数々の事件や背景も、大きな相違はない。

アメリカでは29日、ジョージ・フロイドさんを殺害した白人の元警官、デレク・ショーヴィン被告(保釈金約1億600万円程度で保釈中)の審理が始まった。

21世紀のアメリカの司法が、この事件に対してどのような判決を下すことになるだろうか。

白人警官への怒り全米各地に飛び火 NYでも最大規模の抗議活動「息ができない!」と叫び続ける人々

「アトランタの事件の容疑者は性依存症と報道されているが、私は人種的な敵意があったと思います。メディアの映し出し方にしても、アジア女性を人ではなく性的オブジェクトや何か奴隷みたいなものとする傾向がある。保安官は記者会見で『容疑者にとって悪い日だった』と発言しました。悪い日なのは犠牲者にとってであり、8人を殺しておいてそんな言葉がありますか?人間は見た目で判断されたり違うように扱われたりするべきではありません。今は2021年です。19世紀を生きているわけではありません」

この国が変わるためには何が必要なのか?シモウラさんは最後にこのように語った。

「この国でアジア系の移民が始まって150年も経つのにまだバリアがあります。いまだに差別がなくならないのは、1つは無知だからです。高校の教科書にしても十分に歴史を紹介しているとはいえません。国単位ではなく、学校単位で変わる必要があります」

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日本人に間違われ「動物以下の扱いで」殺されたヴィンセント・チン事件(’82)── 全米アジア人差別
Yahoo!ニュース 2021/3/30 安部かすみ





■米西海岸で150年前にあった 血塗られたアジア人差別の歴史

1871年10月24日、ロサンゼルスで起きた中国人移民を標的にした大量リンチ事件

National Geographic(ナショナル ジオグラフィック)2021.06.28

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今年2021年、米カリフォルニア州ロサンゼルスは、米国史上まれにみる大量リンチ事件の発生から150年を迎える。

1871年10月24日、ロサンゼルスで500人の暴徒が中国人居住区を襲い、住民たちが銃で撃たれ、刃物で刺され、即席の絞首台に吊るされ、19人の命が奪われた事件だ。

リンチと言えば、南北戦争後の米国南部でアフリカ系米国人が多く犠牲になったことが思い出される。

だが人種に基づく憎悪は、南部の黒人差別だけではない。(参考記事:「米黒人拘束死事件は「現代のリンチ」だ、根底に暴力の歴史」)

1871年についていえば、標的にされたのがロサンゼルスに暮らす中国系移民だった。

この事件をはじめ、19世紀の米国西部では、アジア人に対する激しい暴力が巻き起こった。

現代にいたってもなお、その余韻は完全に消え去ってはいない。

・ゴールドラッシュで中国からの移民が急増

中国からの移民は、米国の土を踏むとすぐに暴力の標的にされた。

1850年、ゴールドラッシュが始まる頃、遠く中国からカリフォルニアへやって来た人々は、掘り当てた金脈を白人鉱夫に奪われ、さらに州議会からは外国人鉱夫税を課せられるという憂き目に遭う。

またアフリカ系米国人や先住民と同様、中国人も、州の裁判所で白人に対立する証人となることは認められていなかった。

こうした背景もあって、州で中国人に対する暴力が発生しても、その多くは処罰されることがなかった。

中国人に対する憎悪の背景の一つに、自分たちの仕事が中国人に奪われるのではという白人たちの不安があったと考えられている。

確かに1870年までに、カリフォルニア州の人口のおよそ10%、労働力の4分の1が中国系移民で占められていた。

白人労働者は、中国人の集団を目にするたびに、自分たちの生活が脅かされているように感じた。

実際にはそこまでの脅威に達することはなかったが、それにもかかわらず、白人たちは中国人を雇用する鉄道会社や牧場主に対して抗議運動を起こした。

南北戦争(1861~1865年)の直後、クーリー(苦力)と呼ばれる中国からの出稼ぎ労働者に対して組織立った反対運動が展開され、反クーリークラブと呼ばれる集まりが数多く誕生した。

そのうちの一つ「セントラル・パシフィック反クーリー協会」は、中国からの移民禁止を求める運動を起こし、白人自警団による暴力を弁護することもあった。

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米西海岸で150年前にあった 血塗られたアジア人差別の歴史
1871年10月24日、ロサンゼルスで起きた中国人移民を標的にした大量リンチ事件
National Geographic(ナショナル ジオグラフィック)2021.06.28






■「沈黙を破ろう」──苛烈化するアジア人差別の実態と、その収束のために私たちがすべきこと。

VOGUE 2021年3月25日 BY SOPHIA LI

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・「棒や石は私の骨を砕くけれど、言葉では決して傷つかない」

7歳だった私は、「中国へ帰れ」と言ってからかってきたクラスメイトたちに、学校でこう言い返したのを今でも覚えている。

多くはいじめっ子からの言葉だったが、時には友人が悪気もなく両手で目尻を吊り上げる仕草をしながら、「中国では犬を食べるのか」と聞いてきたこともあった。

幼かった私は、自分を守るためにそう言うしかなかったのだ。

私はアメリカのミネソタ州で生まれ、2歳から4歳まで中国の山東省で祖父母と暮らした。

プリスクール(幼稚園や保育園)に入る直前にミネソタに戻ってきたが、私は英語を全く覚えていなかった。

そのため両親は私の入学を1年遅らせ、アルファベットを一から習得し直す機会をくれた。

この時私は、発音や話し方を気にしながら新しい言語に挑戦するよりも、なるべく黙っていることを選んだ。

幼かったが故に、侮辱を侮辱として認識できてはいなかったかもしれないが、それでも「他人の言葉によって絶対に傷つけられたりしない」と心に誓ったのだ。

私がそう決め込んだからといって、言葉が精神的にも肉体的にも人を深く傷つけるという事実は変わらない。

しかも悲しいことに、民族的な恥辱を表す言葉は、社会や日常生活の深部に浸透してしまっている。

時に人種差別は冗談の中にも織り込まれ、歴史の層を一枚一枚はがして奥底まで覗かなければ、その存在にすら気づけないこともある。

だが新型コロナウイルスのパンデミックが私たちに与えたストレスによって、そうした日常に潜む差別が期せずして露呈されることになった。

「中国人はこうもりを食べるんだろう?」と友人から冗談交じりに言われた際には、子どもの頃に犬を食べる民族としてからかわれた記憶がありありと蘇った。

ウイルスが世間に知られるようになってまだ間もないころ、アジア系アメリカ人に対する汚名と外国人嫌悪によって、ロンドンやサンフランシスコなどのチャイナタウンとアジア人経営のビジネスはすぐに商売が低迷し、客離れが起きた。

それに拍車をかけるように、2020年3月にはアメリカ前大統領のドナルド・トランプが悪びれもせずに新型コロナウイルスを「チャイナウィルス (the China virus )」と連呼し、その後のわずか1週間で、アジア人に対する人種差別事件は650件を上回った(「Stop AAIP Hate」調べ)。

こうした誇張表現は暴言にほかならず、差別意識を扇動するような言動によって、アジア系へのヘイトクライムは欧米諸国で急増した。

『CBSニュース』の報道によると、ニューヨーク市警察(NYPD)が扱ったアジア系に対するヘイトクライム件数は、’21年2月時点で前年同期比867%増を記録。

これを重く受け止めたNYPDは、反アジア系・ヘイトクライム部隊を設置した。

21世紀とは信じがたい凄惨な事件は後をたたない。

昨年7月には、ブルックリンで89歳の女性が突然顔を叩かれ、背中に火をつけらた。

今年1月には84歳のタイ人男性、ヴィチャ・ラタナパクディーがサンフランシスコで突然地面に突き倒されて頭を強打し、2日後に亡くなった。

先月も、マンハッタンの地下鉄を利用していた61歳の男性が顔面を切りつけられる事件が起こった。

さらにパリでは先日、日本人男性が塩酸によるアシッドアタックを受け火傷を負った。

これらはパンデミッック発生から現在までに公に報告されたアジア人に対するヘイトクライムの氷山の一角に過ぎない。

この非人道的な現実に対し、欧米社会に暮らす多くのアジア人は「世界では優先されるべきより重大なことが起きている」と割り切って泣き寝入りしなければならないのか?

ビンセント・チン、クリスティアン・ホール、小山田亮、そしてイー・リーも、この数年間に殺害された多くのアジア人のうちのひとりだ。

・日常に蔓延する偏見。

中国をはじめ、日本、韓国、シンガポールといったアジア諸国は欧米諸国に比べて格段に新型コロナウイルスによる死亡者数が少ない。

一方、欧米では今も昔も、アジア人が安易にスケープゴートとされてきた。

昨年1月に新型コロナウイルスが武漢で初めて報告された時、私は仕事で中国の成都にいた。

アメリカへ戻る14時間のフライトでは、乗客全員が機内で防護具を着用していた。

私はマスク2枚、手袋、メガネを着用し、座席のほか体に触れる全てのものを消毒した。

しかし経由地のデトロイトに着陸すると、マスクをしていない大勢の通行人が私をじっと見つめた。

私は、自分が偏見の目に晒されていることに気がついた。

デトロイト発ニューヨーク行きのフライトでは、私の周辺にいる乗客たちが明らかに、マスクを着けた私を直接的な脅威と見ていることがわかった。

私は咄嗟に、その状況において自分にとって最も安全な選択肢は、むしろマスクを外して周囲の人々に溶け込むことだと悟った。

その後も、日常の偏見や差別は増す一方だった。

昨年4月にマンハッタンのアパートを見学していた時、ある住民が「出て行け、この中国人」と呟くのを耳にした。

また、土砂降りの雨の中、あるタクシーの運転手は私がアジア人だと気づくとそのまま走り去った。

地下鉄に乗れば、他の乗客は私からなるべく離れた場所に移動した。

街を自転車で走っていて歩行者にぶつかりそうになった時には、誰かが私に向かって「中国人ビッチ!」と叫んだ。

私はひたすら「抑えろ、抑えろ」と自分の心に言い聞かせた。

なぜなら、世界が非常事態にある中で、人種差別の言葉を浴びせられることなど取るに足らない問題だと思い込んでいたからだ。

沈黙はもはや許されない。

しかし、アジア人に対するヘイトクライムが収まる気配はなかった。

もう待ってはいられない。

今こそ、欧米社会における白人至上主義の恐るべき実態について言及すべき時が来た──私は、なぜ真剣に考える必要があるのかということを自身のインスタグラムを通して発信することに決めた。

アジア人の“沈黙”というトラウマの元凶は、植民地主義および帝国主義の時代までさかのぼり、1882年に中国からの移民を禁止したアメリカの「中国人排斥法」だ。

’20年4月、キャシー・ホングが『ニューヨークタイムズ』紙にこう書いている。

「1885年、現在のワシントン州タコマで、白人たちが中国人コミュニティを脅かし、彼らの店舗に火を放った。外国人嫌悪が高じて暴動となり、暴徒化した白人らは、冷たい雨の中、300人余りの中国人移民たちを家から追い出し、泣き崩れる移民たちを街から放逐した」

歴史的に見ると、他の西洋諸国でも中国人を排斥する法律があった。

カナダの「中国人移民排斥法」(1923年)、オーストラリアで始まった「白豪主義政策」(1901年)、ニュージーランドの「中国人移民法」(1881年)などがそれに当たる。

こうして人々を分断することによって、今後もずっと彼らを抑圧状態にしておくための制度だった。

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「沈黙を破ろう」──苛烈化するアジア人差別の実態と、その収束のために私たちがすべきこと。
VOGUE 2021年3月25日 BY SOPHIA LI





■米大統領は日本人を「けだもの」と呼んだ あえて「原爆投下」を選んだトルーマンの人種差別

デイリー新潮  2018年09月20日

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・原爆投下にはさまざまな選択肢があった

「とっくに白旗をあげてよかった状況だったのに、日本軍が抵抗しつづけたから、アメリカが開発した原爆を投下したのだ。戦争終結のためには仕方が無い。そもそも日本が間違った戦争をしかけたのが原因だ」

日本人の多く、あるいは新聞やテレビに顕著に見られるこうした歴史観が、まったく事実に基づかないものであることは、前回の記事(原爆はアメリカ・イギリス・カナダの共同プロジェクトだった 教科書が絶対に教えない「原爆の真実」:https://www.dailyshincho.jp/article/2018/09200731/)でご指摘した通りだ。

特に日本人が知らない重要なポイントとして、以下の4つを挙げたうえで、(1)、(2)について詳しくご説明した。

(1)原爆はアメリカの単独開発ではなく、イギリス、カナダとの共同開発である。

(2)原爆の投下はアメリカだけで決められるものではなく、イギリス、カナダも同意していた。

(3)原爆を大量殺戮兵器として使う必要はなかった。

(4)科学者たちは投下前から核拡散を憂慮して手を打とうとしたが、アメリカやイギリスの政治家たちがそれを無視した。

2回目の今回も、『原爆 私たちは何も知らなかった』(有馬哲夫・著)をもとに、(3)、(4)について見ていこう(以下、引用はすべて同書より)。

現代人、特に広島と長崎を経験した日本人にとって原爆は大量殺戮兵器そのものだ。

しかし、実のところ原爆を開発し、使用しようとしていたアメリカには様々な選択肢があった。

有馬氏は以下のように論点を整理している。

「『原爆を日本に使用すると決定した』イコール実際に広島や長崎に投下されたように、『女性も子供も沢山いる人口が密集した都市に無警告で使うことを決定した』のだと捉えられがちです。
事実は、そうではありませんでした。
日本に使用するといっても、大きく分けて三つの選択肢が存在しました。
(1)原爆を無人島、あるいは日本本土以外の島に落として威力をデモンストレーションする。
(2)原爆を軍事目標(軍港とか基地とか)に落として、大量破壊する。
(3)原爆を人口が密集した大都市に投下して市民を無差別に大量殺戮する。
また、使用するにしても、二つの方法がありました。
(A)事前警告してから使用する。
(B)事前警告なしで使用する。
(1)の使い方ならば、絶大な威力を持ってはいるが、ただの爆弾だということになります。
実際、ビキニ環礁などで実験した水爆がそうです。
(2)ならば大量破壊兵器になります。
(3)ならば大量殺戮兵器になります。
しかも、戦争に勝つことより大量に殺戮することを優先しているので当時の国際法にも違反していますし、人道に対する大罪です。
ただし、(3)と(A)の組み合わせならば、警告がきちんと受け止められて退避行動がとれるなら死傷者の数をかなり少なくできる可能性があり、大量破壊兵器として使ったとはいえても大量殺戮兵器として使ったとはいえなくなるかもしれません。
国際法もぎりぎりクリアしていたといえるでしょう。
(3)と(B)の組み合わせならば、まごうかたなく無差別大量殺戮であり、しかも無差別大量殺戮の意図がより明確なので、それだけ罪が重くなるといえます」

この選択肢、そして最悪の(3)(B)の問題点については、当時の意思決定に関係した暫定委員会のメンバーやアメリカのバーンズ国務長官、そしてトルーマン大統領も十分理解していた。

さらに、「事前警告なしの使用には同意しない」と米海軍次官は文書で政府に伝えている。

「特に軍人は、(3)と(B)の組み合わせをできるだけ回避しようとしました。戦争といえども一線を越えていることは明らかなので、たとえ戦争に勝ったとしても、他の国の軍人たちから後ろ指を指されることになります。こんな不名誉なことをしなくとも彼らは圧倒的に優位に立っていて、日本の敗戦は時間の問題だったのです。自らの軍事的栄光を不名誉な行為で汚したくはないというのは当然でしょう」

アメリカと共に原爆を開発し、投下に同意を与えたイギリスのチャーチル首相は(2)(A)の使用法を考えていたという。

開発に関わった科学者たちも、決して大量殺戮を実行したかったわけではない。

それではなぜ、結局、アメリカは、当時のトルーマン大統領は(3)(B)の形で原爆を使用することにしたのか。

・日本人は「けだもの」

『原爆 私たちは何も知らなかった』ではその理由や経緯について詳述しており、ここではとてもすべては紹介できないので、もっともわかりやすい理由を一つだけ挙げておこう。

それはトルーマン大統領の人種偏見だ。

「戦争に勝つためなら、大量破壊兵器として使うので十分なのに、わざわざ大量殺戮兵器としての使い方を選んだ理由は、トルーマンとバーンズ(国務長官)が日本人に対して持っていた人種的偏見と、原爆で戦後の世界政治を牛耳ろうという野望以外に見当たりません。
トルーマンは、ポツダム会談でチャーチルと原爆のことを議論したときも、原爆投下のあとの声明でも、サミュエル・カヴァートというアメリカキリスト教協会の幹部に宛てた手紙でも、繰り返し真珠湾攻撃のことに言及しています。
この点は見逃せません。
つまり、真珠湾攻撃をした日本に懲罰を下したかったのです。
真珠湾攻撃が彼の復讐心を掻き立てるのは、被害が大きかったというよりも、自分たちより劣っているはずの日本人がそれに成功したからです。
これは根拠のない推論ではありません。
トルーマンは若いころ(正確には1911年6月22日)、のちに妻になるベスに送った手紙のなかでこのようにいっています。
『おじのウィルは、神は土くれで白人を作り、泥で黒人を作り、残ったものを投げたら、それが黄色人種になったといいます。
おじさんは中国人とジャップ(原文のママ。日本人の蔑称)が嫌いです。
私も嫌いです。
多分、人種的偏見なんでしょう。
でも、私は、ニガー(黒人のこと)はアフリカに、黄色人種はアジアに、白人はヨーロッパとアメリカに暮らすべきだという意見を強く持っています』
大統領になってもこの人種的偏見から抜け出せていなかったことは、彼が前述のカヴァート宛の手紙で『けだものと接するときはけだものとして扱うしかありません』と記していることからもわかります。
彼が『けだもの』と呼んでいるのは『ジャップ』のことです。
人種差別が厳然としてあった当時としても、大統領の言葉として著しく穏当を欠いた言葉です」

日本人を「けだもの」と考えていたアメリカ大統領にとっては、いくら日本人が死のうが知ったことではなかったし、新兵器の威力を世界に誇示するにはむしろ好都合だったということである。

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米大統領は日本人を「けだもの」と呼んだ あえて「原爆投下」を選んだトルーマンの人種差別
デイリー新潮  2018年09月20日





■中国を挑発「アジア人同士」を戦わせる ―「台湾有事」煽るバイデン大統領の狙い―

米国が台湾海峡で軍事的に中国を挑発し、台湾へ武力行使させる。米国はウクライナ同様、米軍を投入しない「代理戦争」をし、日本の参戦でアジア人同士を戦わせる。
  
独立言論フォーラム 2022.07.05 岡田充

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ロシアのウクライナ侵攻から4か月。アメリカのバイデン大統領は5月末、韓国と日本を歴訪し、このような狙いで岸田政権と共に「台湾海峡危機」を煽り続けている。

ウクライナ戦争と台湾危機を重ね合わせた「宣伝戦」は、日本世論で軍拡路線への支持を高める「成果」を挙げている。

しかし、台湾有事を煽るバイデン政権の狙いを冷静に分析しないと、日本は「ハシゴ外し」に遭う。

冒頭に書いたシナリオを、「陰謀論」と受け止める向きもあるだろう。

しかし8%を超えるインフレの高進、支持率が40%を割りこんでいるバイデン政権にとり、深まる内政分裂にもかかわらず、超党派で一致するのは対中国・ロシア強硬路線だ。

内政危機を外交へ転嫁するのは、古今東西の伝統的な政治手法。

それは民衆の不安を駆り立て国内を団結させる効果があるから、バイデン大統領が台湾をめぐり対中挑発を止める理由などない。

そこで冒頭のシナリオの(1)中国を挑発して台湾に武力行使させる。(2)台湾有事では、日米共同作戦計画に基づき日本を参戦させる。(3)ウクライナ同様、米軍を投入せず代理戦争する。という三つの論点を、米側資料や識者の見解、バイデン発言などから拾って検証したい。

・過剰反応を引き出し孤立させる

まず(1)については、米保守系シンクタンク「ランド研究所」が2019年に発表した「ウクライナ戦争に関するリポート」(注1)が参考になる。

それは、「米国が優位に立つ領域や地域でロシアが競争するように仕向け、ロシアに軍事的・経済的に過剰な拡張をさせ、ロシアが国内外での威信や影響力を失うように仕向ける作戦」と書く。

台湾有事に直接向けた記述ではないが、米国政府が中ロなど「敵対的勢力」に対応する行動パターンをクリアーに説明しているのがミソ。

まず米側が挑発して「(相手を)競争するよう仕向け」、軍事的、経済的に「過剰な対応」を引き出し、「国内外での威信や影響力を失うように仕向ける」というパターンだ。

トランプ前政権の2019年から始まった台湾海峡をめぐる米国の挑発が、中国の台湾防空識別圏(ADIZ)への頻繁な進入や軍事演習という「軍事的対応」を引き出し、日本で中国脅威論や台湾有事切迫論が拡散・浸透してゆくプロセスと同じ構図だ。

このパターンを裏書きするもう一つの例を挙げよう。

中国経済が専門のキャノングローバル戦略研究所の瀬口清之・研究主幹は、最近のリポート「中国を挑発する米国は台湾有事に日本参戦が前提」(注2)で、台湾への米軍艦派遣や米台軍事演習を行うべきだと主張する米議員らが、次のようなシナリオを描いていると書いている。

「米国が台湾独立を支持することにより、中国を挑発して台湾武力侵攻に踏み切らせ、ウクライナ侵攻後のロシア同様、中国を世界の中で孤立させる」。

「そうなれば、多くの外資企業が中国市場からの撤退または中国市場への投資縮小に踏み切るため、中国経済が決定的なダメージを受け、中国経済の成長率が大幅に低下する。それにより米国の経済的優位が保たれ、一国覇権体制が安泰となる」。

前述の「ランド研究所」の「敵対勢力に対する行動パターン」が、ここにも再現されている。

・外交努力を放棄して戦争準備

第二論点の「台湾有事では、日米共同作戦計画に基づき日本を参戦させる」は、2021年からの日米両国の動きを見れば分かりやすい。

21年4月の菅義偉首相(当時)・バイデン大統領の日米首脳会談は、日米安保の性格を「地域の安定装置」から「対中同盟」に変質させた。

さらに台湾有事に対応するため、米海兵隊が自衛隊とともに南西諸島や奄美に至る約40の有人島を「機動基地」にし、中国艦船の航行を阻止する「共同作戦計画」の推進にゴーサインを出す。

台湾有事が、自衛隊の参戦を前提に組まれていることを立証している。

この「共同作戦計画」の米側の狙いについて、国際政治学者で米ジョージ・ワシントン大学のマイク・モチヅキ准教授が、私に語ってくれた話は興味深い。彼によれば、ワシントンで2020年春、国際政治学者と軍事専門家が参加する台湾有事の「机上演習」(ウォーゲーム)が何度か行われた。

その結果、①米軍による在日米軍の自由アクセス、及び②日本の後方支援がなければ、「米軍は中国軍に勝てない」という結論が出た。

モチヅキ准教授は、この2条件を盛り込んだ対日要求シナリオの一つとして、「南西諸島での中国艦船の通過阻止とミサイル配備」を挙げる。

「日米共同作戦計画」のシナリオとぴたりと重なるのが分かる。

台湾有事を煽るのは、日本の大軍拡と南西諸島のミサイル要塞化を図ることに主要な狙いがある。

安倍晋三元首相は「台湾有事は日本有事」として「有事対応」の必要を強調してきた。

戦争シナリオの起動は、即「外交敗北」を意味する。

だが、戦争準備に進む前に対話と相互理解を重ね、戦争を回避するのが外交の仕事。

岸田文雄首相は有事危機を煽るだけで、対中国外交はほぼ白紙状態だ。

第三の「ウクライナ同様、米軍を投入せず代理戦争する」に移ろう。

バイデン大統領は5月23日、日米首脳会談後の記者会見で、台湾有事で米国は「台湾防衛のため軍事的に関与する」と明言した。

メディアは、中国の武力行使への対応を一切明らかにしない「あいまい戦略の転換」と大騒ぎした。

米国務省は政策変更を否定したが、バイデン発言の真意はどこにあるのか。

・台湾でも「代理戦争」を示唆

まず、米国政府はウクライナ危機で「米軍を派兵しない」方針を明確にし、これが米国の台湾防衛に対する台湾民衆の疑念を高めた。

台湾側は、台湾海峡危機でもウクライナ同様、米軍を投入せず「代理戦争」をするのではと受け止めたのである。

台湾のTV「TVBS」の世論調査によると、「米国は台湾に派兵し防衛すると信じるか」との質問に55%が「信じない」と回答、「信じる」の30%を上回った。

だから台湾防衛の意思を鮮明にし、疑念を打ち消そうとしたのだ。

次に、中国の台湾武力行使の恐れを何度も言うことで、中国の軍事的脅威を印象付け拡散させる効果。

バイデン大統領の発言を聞けば、多くの人は台湾有事の切迫感を意識せざるを得ない。

このバイデン発言の「軍事的関与」は、何を意味するのか。

「軍事的関与」と聞いて思い浮かべるのは、「米軍を投入し台湾と共に中国と戦う」というイメージだと思う。

しかしバイデン大統領は「米軍投入」とは一言も発していない。

そこで思い出すのが、米軍制服トップのミリー統合参謀本部議長の発言。

彼は今年4月7日、国防予算に関する米上院公聴会で、①台湾は防衛可能な島。中国軍の台湾本島攻撃・攻略は極めて難しい、②最善の防衛は、台湾人自身が行うこと、③米国はウクライナ同様、台湾を助けられると証言した。

「台湾は防衛可能な島だから、防衛は自助努力に期待」とも受け取れるこの証言は、台湾でも米軍を投入せず、ウクライナ方式の「代理戦争」を示唆したのではないか。

少なくとも米軍はそれを検討しているはずだ。

これなら米国は、自分の手を汚さずに済む。

米国は先進兵器と衛星情報を台湾に供与し、台湾は日本の自衛隊の協力で台湾を防衛する。

中国と台湾、それに日本の「アジア人同士」が戦うというシナリオだ。

日本政府はこの1年、「対中同盟」強化と軍拡を進め、台湾問題で日本が「主役」に躍り出る政策を進めているが、その果てにこんなシナリオが待ち構えているとは。

代理戦争なら、米国はイラク、アフガンでの屈辱的失敗を繰り返さなくともすみ、核保有国の中国との全面戦争のリスクを回避できる。

兵器供与で軍産複合体の莫大な利益も期待できる。

衰退に歯止めがかからず、アメリカ一国では中国に対抗できない現状からみれば、こうした「軍事関与」もありだ。

イザとなれば米国は参戦せず、気が付けば日本は「ハシゴ外し」に。

それでも中国と戦うのか、何のために? 

そんな覚悟は、多くの日本人にはないはずだが。

~~~
中国を挑発「アジア人同士」を戦わせる ―「台湾有事」煽るバイデン大統領の狙い―  
米国が台湾海峡で軍事的に中国を挑発し、台湾へ武力行使させる。米国はウクライナ同様、米軍を投入しない「代理戦争」をし、日本の参戦でアジア人同士を戦わせる。 
独立言論フォーラム 2022.07.05 岡田充






■世界中で頻発する「東アジア人差別」を、なぜ日本人は問題にしないのか
・イギリスの東アジア人差別は前年比400%増
「差別はアメリカでも激増」
「58%のアジア系アメリカ人が“新型コロナ騒動後、アジア人に対する差別が増加した”と」
PRESIDENT 2021/02/16




■「全てのアジア人殺す」米でアジア系女性ら8人殺害
・アメリカ南部ジョージア州でアジア系の女性ら8人が殺害された事件
「逮捕された男が犯行時に『すべてのアジア人を殺すつもりだ』と叫んでいた」
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■NY市でアジア系女性にハンマー殴打 憎悪犯罪5倍に
「全米16の大都市で警察に通報のあったアジア系住民を標的とする憎悪犯罪は2020年に19年の約2.5倍に増加した」
日本経済新聞 2021年5月5日




■顔に酸かけられイスラム系女子学生が重傷 米NY
「ヘイトクライム(憎悪犯罪)が相次いでいるアメリカ」
「顔や手などに重度のやけどを負い、15日間入院しましたが、今も目が見えない」
テレ朝news(2021年4月23日)




■NYでアジア系ヘイトクライムか 女性が125回以上殴られ重傷
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■国連職員向け人種調査「あなたはイエロー?」 批判続々
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■米国でアジア系を狙った犯罪が続発 何が起きているのか
(上)ヘイトクライム。コロナ下、大都市でアジア系市民をターゲットにした憎悪に満ちた事件が相次いでいる
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■アジア系への偏見・嫌悪… 今、加熱する理由とは
(下)ヘイトクライムは、日本人も例外ではない。アジア系市民が初めて連帯する抗議活動が始まった
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■新型コロナウイルスの流行で露わになった「世界の人種差別」
GLOBE+(朝日新聞)2020.04.17





■なぜ世界中が「黒人の差別」に対して声をあげているのか #BlackLivesMatter|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会
excite.ニュース 2020年06月19日 NEUT Magazine





■アメリカによみがえる「黄禍論」 アジア系差別の背景にあるものは
東京新聞 2021年5月16日





■日本人も人ごとではない! アメリカで広がるアジア系差別 女性蔑視と重なり深刻化
東京新聞 2021年4月24日




■アジア系が狙われる理由 米国の偏見の構図 専門家と考えた
毎日新聞 2021/4/27





■日本にルーツがあるだけで、強制収容所に送られたアメリカ・日系人の強制収容から80年
FNNプライムオンライン 2022年2月28日 益野智行





■日本人移民排斥運動
<細谷千博『日本外交の軌跡』1993 NHKブックス p.40>





■排日移民法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』





■「排日移民法」と闘った外交官 一九二〇年代日本外交と駐米全権大使・埴原正直 チャオ埴原三鈴、中馬清福著 ~苦闘の体験から導かれる外交教訓
東洋経済 2012/03/12





■「アメリカの排日運動と日米関係」書評 愚かな政策、後世に歴史の汚点
好書好日 2016年04月03日





■サンフランシスコ日系移民排斥が太平洋戦争の原因だ
アゴラ 2017.11.29  八幡 和郎





■日本軍が変えた「白人優位」 『人種戦争』
産経新聞 2015/8/1




■排日の歴史―アメリカにおける日本人移民 (中公新書 1972/1/1)





■ご存知ですか? 2月16日は日本人移民制限法が可決された日です
110年前も問題になっていたアメリカの移民排斥
文藝春秋digital 2017/02/16 近藤正高





■人種的差別撤廃を国際会議で初めて提案したのは日本だった
「反対はアメリカ、イギリス、ブラジル、ポーランド、ルーマニアであった」
議長だったアメリカのウィルソン大統領が、こう述べる「全会一致でないので、本修正案は否決された」
渡部昇一 上智大学名誉教授





■人種的差別撤廃提案(Wikipedia)
第一次世界大戦後のパリ講和会議の国際連盟委員会において、日本が主張した、「国際連盟規約」中に人種差別の撤廃を明記するべきという提案を指す。この提案に当時のアメリカ合衆国大統領だったウッドロウ・ウィルソンは反対で事が重要なだけに全員一致で無ければ可決されないと言って否決した。国際会議において人種差別撤廃を明確に主張した国は日本が世界で最初である。
イギリス・アメリカ・ポーランド・ブラジル・ルーマニアの計5名の委員が反対





■悪いのは侵略した白人、東亜民族解放した日本は誇りを…オランダの市長挨拶から再び戦後体制の是非を問う
「日本は敗戦したが、その東亜の解放は実現しました。すなわち日本軍は戦勝国のすべてを東亜から追放」
産経新聞 2016/2/23





■ヘンリー・ストークス 日本は白人支配からアジアを解放した
「日本はアジアを独立に導いた希望の光。侵略したのではなく解放し独立に導いた」
「白人が有色人種を侵略するのは「文明化」で、有色人種が白人を侵略するのが「犯罪」とはナンセンス」
産経新聞 2015/6/29





■『アメリカ人だから言えた 戦後日本教育の不都合な真実』 日本人が国益損なう行動に走る理由
産経新聞 2018/6/30





■ヘンリー・ストークス 日本は白人支配からアジアを解放した
産経新聞 2015/6/29





■日本人の7人に1人が「原爆投下は仕方ない」と答えてしまう根本原因
公文書が示すGHQが仕掛けた心理戦
・原爆投下への怒り、憎しみをそぎ落とす心理戦
「なぜ日本人が「原爆」を「平和」と言い替えるのか」
PRESIDENT Online 2020/08/08





■『日本人はなぜ自虐的になったのか―占領とWGIP―』(有馬哲夫/著)
全てアメリカの狙い通りに――。
WGIPと心理戦の全貌を第1次資料をもとに明かす
新潮社 発売日:2020/07/17





■これが戦後の元凶だ! 米占領軍の日本洗脳工作「WGIP」文書、ついに発掘
「日本政府や日本の報道機関を通じて実施した間接統治」
産経新聞 2015/4/8 関野通夫





■「大東亜戦争」と呼ぼう 岡部伸
産経新聞 2021/12/7





■日本人が知らない「アジア系女性差別」酷い実態
ヘイト犯罪デモに集まった人たちに話を聞いた
東洋経済オンライン 2021/03/31 長野美穂





■アジア系への偏見・嫌悪… 今、加熱する理由とは
日経xwoman 2021.04.27





■海外で受けた「差別経験」とそこから学んだ1つのこと
@niftyニュース 2020年07月02日





■なぜアジア系は「国に帰れ」と言われる 長年住んでも「存在が見えない」という問題
GLOBE+(朝日新聞)2021.06.17





■白人至上主義 (Wikipedia)
白人至上主義(はくじんしじょうしゅぎ、英: white supremacy)は、人種差別的思想のひとつであり、スローガンとして「ホワイト・パワー」[1]・「ホワイトプライド」という言葉が頻繁に用いられる。
白色人種がそれ以外の人種(インド系やアラブ系、北アフリカ系などの有色のコーカソイドを含む「有色人種」)より優れているという理念であり、この思想を持っている者達を白人至上主義者(はくじんしじょうしゅぎしゃ、white supremacist)と呼ぶ。





■「白人の救世主は要らない」 援助受ける途上国の本音は?
SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部 2021/10/11





■TVに映るウクライナ避難民はなぜ白人だけか――戦争の陰にある人種差別
Yahoo!ニュース 2022/4/16 六辻彰二国際政治学者





■日本を「侵略の罪」で裁いていた連合国が、まったく同じときに東南アジアで侵略戦争を行っていた
東京裁判という茶番
ケント・ギルバート 2016.12.16 KKベストセラーズ





■実は米国がでっち上げた嘘だった「南京大虐殺」
JBpress 2020.4.17 森清勇





■日本人が世界でバカにされている説は本当か
「日本スゴい!」風潮を真に受けてはいけない
海外からなめられている日本
東洋経済オンライン 2018/10/17 印南 敦史





■米軍、アジアに対中ミサイル網 6年で2.9兆円要望
日本経済新聞 2021年3月5日





■中国は台湾「平和統一」を狙い、アメリカは「武力攻撃」を願っている
Yahoo!ニュース 2022/10/4 遠藤誉 中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士





■中国を挑発する米国は台湾有事に日本参戦が前提
キヤノングローバル戦略研究所(2022年6月17日付)





■アジアとの重層的関係構築を 寺島実郎氏が日米関係重視前提に提言
国立研究開発法人科学技術振興機構 2018年11月14日 小岩井忠道(中国総合研究・さくらサイエンスセンター)





■ウクライナ連帯の有志声明、136のWTO加盟国・地域で56どまり
「インドやサウジアラビア、ブラジル、南アフリカなどは加わらなかった」「東南アジアの多くの国々も」
2022/6/13 朝日新聞





■なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?
・知ってはいけないウラの掟
「日本の空は、すべてアメリカに支配されている」
「自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う」
週刊現代(講談社)2017.08.05





■アジア人同士を争わせ、ワシントンの手先として戦争をさせるために安倍内閣が作られた
gooブログ 2013-02-05 ひょう吉の疑問





■集団的自衛権、黒幕の米国が考えていること
日米安保体制はますます米国の思うまま
東洋経済オンライン 2014/07/01 高橋 浩祐





■『すべての戦争は自衛から始まる』(著:森達也 2019年01月16日 講談社文庫)





■現実味を帯びてきた、日本が米中「代理戦争」に利用される日 
まぐまぐニュース 2016.04.21





■「台湾有事の時、メインで戦うのは日本」アーミテージ発言で露見した米国の“本当の計画”
2022.07.05




■安倍晋三首相が愛してやまない祖父、岸信介がA級戦犯を逃れるため米国と交わした裏取引きが!
「岸がアメリカから言われた最大のミッション」「アメリカの資金でつくられた首相」
exciteニュース 2015年8月17日 野尻民夫




■安倍首相の危険な最終目標 
徴兵制復活、上世代に雇用奪われた若年層を戦地へ派兵の懸念
Business Journal 2014.12.13





■ナチス・ドイツのナンバー2、ヘルマン・ゲーリング『民主主義の下でも戦争を始めるのは簡単だ。自分たちが外国から攻撃を受けていると言い立てるだけでいい。平和を求める者たちについては、彼らは愛国心がなく国家を危険にさらす連中だと非難すれば済む』
もう一度「平和」の話を(神奈川新聞 | 2017年10月29日)





■日本人は「狂ったアメリカ」を知らなすぎる
東洋経済オンライン 2019/01/18 塩野誠





■「3S政策」の生みの親、日本に原爆投下を命令したトルーマン米大統領の恐ろしさ!「猿(日本人)をバカに変えて我々が飼い続ける」





■ジョン・レノンのインタビュー―世界は狂人によって支配されている
YouTube 2011/10/20





■東南アジアの植民地化【欧米列強によるアジア侵略③】ゼロから世界史67講
ユーテラ授業チャンネル【YouTubeの寺子屋】





■7割超のアメリカ人が「アジア系住民への差別がある」


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