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すり合わせ文化
いやー、オリンピックでメダルラッシュが続いていますね。
スポーツ好きの私にとっては毎日楽しみが続いています。オリンピック、このままずーっとやってくれたらいいのに🤣しかし、ひと昔前には全然強くなかった卓球やバドミントンなどの競技が強くなっているのはなんでなんでしょうか?
日本流の仕事の進め方の1つとして、
「すり合わせ文化」
というキーワードがあるかと思います。
根回しという言葉で代用される場合もあるとは思いますが、すごく簡単に言うと、みんなで話をして決めていきましょう、という仕事の進め方です。
これがあることによってタマムシ色の結果しか出てこない、
決まるまでの時間が長い、決断力がない、
など、近頃この言葉は否定的な意味合いで語られることが多いのかなと感じています。ですが、すり合わせ文化の代表と言われる自動車業界においては、まだ現時点でも日本は世界でもトップクラスの競争力を持っていると言っても差支えはないと思います。
かく言う私も自動車業界の端くれで働いていますので、すり合わせ文化にどっぷりつかっていることを実感しています。なかなか物事が進まない、というイライラを持ちながらも、やはり有識者を集めて意見を聞きながら最良の選択をするべきだ、という考えが根底にあることは認めざるを得ません。
それに対して欧米の会社はすり合わせ文化になじまない、というようなことを聞いたことがあります。確かめたわけではないので聞いただけの話にはなりますが、ここインドネシアにおいてもすり合わせ文化はなじみがありません。
部下は上司に言われたことをやるだけ。情報を取ってくるのも判断するのも他部署と調整するのも結果に責任を取るのも上司の仕事。たくさんお金をもらっているんだから、それくらいやって当たり前でしょ?と言わんばかり。少し極端な言い方かもしれませんが、概してこのイメージで合っていると思います。
みんなで話をして決めなさい、なんてことを言おうものなら、あの人は決められない人だ、というレッテルを貼られてもおかしくないです。
簡単に言えばボトムアップ型(日本)とトップダウン型(欧米、インドネシア)の違いだと思います。どちらにも一長一短があるので、どちらかが一方的に良いとは思わないのですが、すり合わせを悪いイメージだけで語ることが私にはどうにも解せないんですよね。
というのも、インドネシアにおいては、トップダウンはセクショナリズムと同じで、自分たちの組織に都合の良いように物事を判断するからです。そして、結果が悪かろうがなんだろうが、改善するための話し合いを持たず、自分の部署が担当じゃないから関係ない、と考えがちです。
一つの部署だけが一方的に悪くて問題が発生することはほぼありません。少しずついろんな部署が関係しあって問題が発生します。ですが、俺たちのやるべきことはやった。それで結果が悪いのは俺たちのせいじゃない、という感じになります。
自分たちのやるべきことだってしっかり決まっているわけではないのですが、自分たちで勝手に自分のやるべきこと、責任範囲を決めるんですよね。だから問題の本質には自分の部署は関係ない、とすべての部署が考え、よって、いつまで経っても改善、再発防止が進みません。そうならないようにあらかじめ話をしておくことがすり合わせになると思うのですが、もし本当に欧米がすり合わせを必要としない仕事の進め方をしているのであれば、どうやってこのセクショナリズムを克服しているのか、というのをぜひ教えてほしいと思います。
インドネシアの会社で勤めたことがあるとはいえ、所詮、わたしの経験は日系会社。どっぷりと異国の文化につかったわけではないので断片的な印象にはなると思います。一度どっぷりと違う国の文化の中で働いてみたいなあ、という思いがあります。