「立命」という言葉があります。
多くの人にとっては、「立命館大学」というのがなじみが深いと思います。
この「立命館大学」の名前の由来をご存じでしょうか?
「立命」というのは中国の古典「孟子」の盡心章(じんしんしょう)の一節にある「殀寿(ようじゅ)貳(たが)わず、身を修めて以て之れを俟(ま)つは、命を立つる所以(ゆえん)なり」から採ったもので、「人間には、若死にする人もあれば、長生きする人もあるが、それはすべて天命で決められていることである。だから生きている間はわが身の修養(勉強)に努めて天命を待つのが人間の本分を全うすることなのである」という考えです。
したがって、「立命館」は人間がその本分をまっとうするための場所を意味しています。(立命館大学HPより)
小難しい話になりましたが、私的には、「安心立命」という方が、理解しやすいのではと思います。
安心立命
心を安らかにして身を天命にまかせ、どんなときにも動揺しないこと。
つまり、立命は、良心に従って生き、天寿を全うすること、ということです。
人には、
天命
宿命
運命
使命
などがありますが、人力のすべてを尽くし、いかなるときも他のものに心を動かず、最後を迎える。
そんな生き方を表した言葉が、「立命」ということになります。
天命・運命・宿命・使命については、別の機会でお話したいと思いますが、このかたの記事は参考になるかと思います。
人生を振り返るとき、学生時代とか、○〇会社勤務時代とか、所属した先で時代を切り取れば、色々な思いや、結果があるでしょう。
しかし「人生」というスパンで見ると、その経験をどう生かしていくのか、これが一番大切なことだと思います。
会社員として、自分の運命を全うし、立命を迎えるのも
自分のやりたいことを志、苦労をしながらも、独立し、立命を迎えるのも
それは、個々の価値観でいいと思います。
ただ、一度きりの人生であれば、時には、運命にあらがい、わずかな可能性に自分の使命感を見出すのも、それもまた、立派な「立命」の全うの仕方ではないかと思います。