私がマツコが好き。マツコになりたい。マツコのようでありたい。
マツコ。
マツコ・デラックス。
私がマツコ・デラックスという人をはじめて見たのは、確かナインティナインのお笑い番組「めちゃイケ」だったと思う。
何のコーナーだったかは忘れてしまったが、テレビ局にやってきたマツコが、お笑い芸人たちに突然相撲の組み合いをされるのだが、「なんなんだ、お前らはー!」と次々と投げ飛ばしていく、という内容。
本気で当たっていく芸人と本気の表情でぶん投げていくマツコが面白くて、テレビのこちら側で爆笑していた。
この人、面白い。
そう思ってWikipediaを引いてみたら、雑誌編集者の経歴や数年引きこもりの時期もある。
そしてプライベートでは、仕事と自宅の行き来だけしかしないという。
そのギャップにますます興味を惹かれ、ハマっていった。
・
・
・
「5時に夢中」という番組内でマツコさんが言っていた〈夢〉についての発言を、文字起こしして書いた記事の一部である。
これを見つけた頃の私は、「もっとこうなったらいいのに」という曖昧な期待みたいなものを持ちつつも、日常を送るのに必死でくすぶった毎日を送っていたわけなのだが…
この言葉を聞いて、胸がスーッとクリアになったのを覚えている。
そう。
もちろん目に見えない世界はあると思っているクチだが、私はそちらに傾きすぎていたんだな。
(ワクワクさえしていればいい)
(夢を頭の中に思い描いて過ごしていればいい)
そういう間違った過大解釈をしていたんだ、と気づいたわけだ。
・
・
どう頑張っても、私はココにいる。この、現実っていう目に見える世界に生きているわけで。
夢も希望も悪いとは言わないけど、この現実で動くための〈目標〉とのバランスを取る。
これって大事だよね。
夢とか希望とか。
私が足をつっこみすぎていた世界では、それが声高らかに叫ばれていた。
だから私も同調しないといけないのかな、と思いつつ、それが気持ち悪くてできずにいたんだけど。
ああ、そんなのなくてもいいんだ。
そう、思わせてくれた、マツコ・デラックスという人。
・
・
・
時に強く、時に毒を吐く。
そこに愛を感じたりしている私。
そう、私にとってマツコ・デラックスは愛のかたまりなのである。
毒舌と正論。
憂いと優しさ。
世捨て人のようになったり、強く立ち向かってみたり。
そんなギャップに今日も心を奪われる。
人としての美・美しさを感じるのだ。
…そう。
マツコの友だちの、ナジャ・グランディーバさんや肉乃小路ニクヨさん、ミッツ・マングローブさんあたりもみんな多彩で素敵。
ドラァグクイーンや女装家の方たちは、凛としていて地に足のついた、筋の通った生き方をされている方が多い。
・
・
・
私の夢は、と聞かれたら、
「マツコ・デラックスさんに会うこと」
「オネエのお店に行くこと」
「ドラァグクイーンの方たちに会うこと」
私が好きで、憧れていて、こう在りたいと思う人たちである。
でもきっと、当の本人にそれを言ったら、
「やめなさいよ。ロクな大人にならないわよ」
って言うんだろうな。