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雪国のビカクシダ

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ビカクシダは赤道から南半球の植物で、日本でも温暖な地方での記事が多い。 ……けど、雪国でも問題なく育てられるという話を書いていきます。
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#植物

ビカクシダの徒長を怖がる必要がない

料理のために、イタリアの野菜を使うのだけど 苗が日本で売ってなくて トマト、唐辛子を種から育てるのをループしてる 徒長は怖い トマトも唐辛子も嫌光性種子なので アルミホイルで遮光して、床暖で加熱して発芽させるのだけど 根が出て、芽が出て 双葉が開くまでは、種の中の養分だけで伸びる その後は逆に、光がなければ徒長を始めるので アルミホイルをめくっては、チェックしないといけない NHKに『趣味の園芸』という番組があって プロの農家がレクチャーするのだけど ガチすぎて、

ビカクシダは、家庭用の天井LED照明と、肥料なしの水でも育つ

アガベは 安物でもイイから至近距離でのLEDがないと、徒長する でも、ビカクシダには専用の光は必要ない 珍奇植物が珍しいのは外観であって 育て方としては、珍しいもの(特殊な設備が必要なもの)と 超簡単なものに分かれる ビカクシダは水やりが面倒なだけで 簡単なほうに含まれる 「植物育成ライト」という言葉が デファクトスタンダードっぽい 私はそれを「促成ライト」と同じものだと思ってた Copilotにきいたら、別のものだそうで 「促成ライト」は農業のプロ用 「植物育成

ビカクシダは地震に弱い

「それにしても奇妙な世界だな、珍奇植物は」 「ついこの間まで見慣れてた品種が、あっちで暴落し、こっちで廃墟になり ちょっと目を離すと、キレイさっぱり消えちまってる。 それにどんな意味があるのか、考えるよりも早くだ」 「ここじゃ過去なんてものには、一文の値打ちもないのかも知れんな」 「俺たちがこうして話してるこのP. willinckiiだって、ちょっと前までは低価値だったんだぜ」 「それが数年後には、目の前のこのP. willinckiiに巨大なドワーフ市場が生まれる

我欲が渦巻くビカクシダ界隈が面白い

で、1972年にビカクシダが現在の18原種に分類されてから 2006年にダメ押しで P. hillii P. veitchii P. willinckii は、P. bifurcatumの亜種じゃなくて原種だって 確定するまでの流れを書いた そして、それから現在まで18年が経っても 相変わらず上記の確定が浸透しきってないどころか 本来は園芸の初心者に対して啓蒙する立場にある 販売者が、誤った記述ばかり書いてる無責任さを問題提起した さらにひどい例として P.

P. hillii、P. veitchii、P. willinckiiが原種→亜種→原種に戻った経緯と、P. angolense、P. vasseiと書くのは害という話

の続き ビカクシダの品種には マレー半島-アジア ジャワ-オーストラリア アフリカ-アメリカ の3グループがあり 「ジャワ-オーストラリア」グループの原種から P. hillii P. veitchii P. willinckii が抹消され、亜種に格下げされた時期がある、という話が 中国語版にだけ書かれてた https://zh.wikipedia.org/wiki/鹿角蕨屬 ビカクシダには原種が18種あることや それらの原産地が3グループに分かれるこ

日本語でのビカクシダの情報が、薄くて古くて商売に偏りすぎなので、まとめ直した

ビカクシダに詳しい とは、どんな状態を指すか? 育て方に詳しい? 植物として全体的に詳しい? 私は両方が揃ってないと自己嫌悪してしまうので 品種名の記法とかも正確に書くようにしてる ナーセリーの人たちは、繁殖のための研究職でもあるわけだし 日本語情報だけでなく原文にリーチしてるだろう けど、そこから一般的な園芸家に届くまでの 中間経路の人たち(販売とか)には ビカクシダについての知識が怪しい表記が多くて 30,000円とか値付けしてるのに、なんてテキトーなんだ……

貯水葉でなく巣葉(そうよう)と呼びたい

園芸してる人が、殺人を実行する確率は 園芸してない人よりも低いと思う そのような統計はAIに聞いても存在しなかったけど 演繹はできる 殺人は2人以上の間で起こるけど 園芸してる時間は1人の時間だろうから、殺人する/されるチャンスがない 外出時間も少なくなるだろうから 事故や事件にあう確率が下がる 生き物を愛でる人は、心優しいとか 植物がストレスを軽減させるとか そーゆー精神的な通説は、ウソくささを感じる 植物が好きなぶん、動物(人間)には優しくないかもしれない

ビカクシダには、受精の時点でクローンを作る方法があるはず

ビカクシダを胞子培養すると まず前葉体が現れ、その後で最初の胞子葉が現れる この最初の胞子葉は、成長した大きな株の、垂れ下がった胞子葉と同じもので 単にサイズが違うだけ じゃあ前葉体は、貯水葉と同じものなの? それは違って別のもの 前葉体は受精する前の葉 1つの胞子から、1つの前葉体ができる 1つのジフィーセブンに42個の前葉体を観測できたとしたら まいた胞子のうち、42個がそこまで成長したということ 前葉体1つに、複数の造精器と、複数の造卵器が作られる 造精