フェンシングってご存知ですか?
「好きなスポーツ」でも「やりたいスポーツ」でもなく、「応援したいスポーツ」。
応援する、というのは、自分が実際にやるわけではないけれど、そのスポーツが発展するために力を貸したいという意味になりますが。
私が「応援したいスポーツ」はフェンシングです。
まず、フェンシングといえば「聞いたことがある」という反応がチラホラあるくらいで、ルールを知っている人もやったことがある人も少数派です。
何故私が知っていたかと言うと、通っていた高校にフェンシング部があったから。
当時担任の先生がそのフェンシング部の顧問でした。
彼曰く、「バレーボールやバスケ等と違って、フェンシングはやったことがある人はほとんどいないと思う。そういう意味で、経験の有利不利というのがほとんどないから、一番になれるチャンスだ」とおしゃっていました。
ただ、その学校は自宅から遠く、母には部活をやらないという約束でその高校に通うことを許されていたので、入部はできませんでした。
当時フェンシングを題材にした漫画というのは知らなかったのですが、「マスターキートン」や「バビロンまで何マイル?」等、主人公たちのかっこいいエピソードの一面としてフェンシングのシーンがあったので、何となくフェンシングの存在が気になったまま高校を卒業しました。
それからしばらくして、地元の福岡を出て東京の姉と暮らすようになり、東京オリンピックの開催です。
特にひいきのスポーツもなかったので、なんとなく心にひっかかっていた「フェンシング」の観戦チケットを申し込もうとしたら、何とフェンシングには三種類あるとのこと。
「フルーレ」「エペ」「サーブレ」。
「フルーレ」は「攻撃権がある場合でないと得点にならない」「上半身への突きのみ有効」
「エペ」は攻撃の優先権などはなく、全身攻撃をした場所が得点になる。
「サーブレ」も攻撃の優先権などのルールがあり、「突き」のほか「斬り」がある。
ルールがわかりやすいほうがよかったので、攻撃権というものがなく、体のどこをついても得点になるというシンプルな「エペ」で個人戦と団体戦の決勝戦のチケットを申し込みました。結果、団体戦の決勝戦のチケットが当選!
残念ながら東京オリンピックは来年延期となりましたが、少しでもフェンシングのことを知り、応援する時間が増えたと解釈しようと思っています。
応援したい理由としては…語感も競技もかっこいいのに、何故かマイナーなところ。
ハンサムなのに意外とモテていない人みたいな(笑)。
「あまり知られていないけど何だかかっこいい」というスポーツ界の孤高の貴公子のような立ち居から興味を持ち、ルールブックを買ったり動画を観たりと、オリンピックが始まる前にもっとフェンシングのことが知りたいと思うようになりました。
きっかけがあればもっとフェンシングの認知度は広がると思うのですが…。
あまり人気にならない理由のひとつは、ルールのわかりにくさにある気もしました。
三種類もあって、合図は全てフランス語、特殊な道具も使うという多様性。
とりあえず今、フェンシングを題材にした漫画を描くことで、このスポーツを応援できたらと思っています。
私自身、「アイシールド21」でアメフトのルールがよくわかったという経験があるので、漫画は何かをわかりやすく伝えるには優れたメディアだと思います。
主人公は父親がイスラエル人で母親が日本人の混血、舞台はインターナショナルスクールに設定しました。
動画などを見てもとにかくフェンシングというものは動きが早くて、初めてみる側には何が何やらわからない…って印象なので(これもマイナーな理由の一つなのかも)、人間を超越した存在、「天使」をテーマに描いてみました。
ただこの作品は一度、コロナ騒動の前に描き上げたものなので、マスク云々でアメリカ人の学生と日本人の学生が喧嘩するシーンがあるんですよね…。
今はだいぶマスクへの認識が変わっているし、何かを暗喩されているとか誤解されそうなので、ここは描き直そうと思っています。
本場フランスではフェンシングの新競技に「ライトセーバーデュエリング」等というスターウォーズファンには堪らないものが公式に追加されたりと、今後も色々な変化を遂げそうで目が離せないスポーツです。
高校の時の先生の言葉が脳裏によみがえります。
「フェンシングは経験の有利不利というのがほとんどないから、一番になれるチャンスだ」
競技として出来たばかりで、まだ日本でも情報がほとんどないライトセーバーデュエリングなんてそれこそ、極めれば一番になれるチャンスかもしれませんよ。