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72  MCサクセションとDaijoubus かっこちゃんへ


  かっこちゃん、返事が遅くなってごめんね。
今日もまた熊本に飛ぶ空の上で書いています。
毎月一回、阿蘇にある風の丘・大野勝彦美術館で聖書の講義をしているのです。
全国から40名ほどの仲間が集まって、日常を離れ、この世にやってきた意味を思い出す。
そんなひとときを一緒に味わうのです。
とても豊かな時間です。
 あわただしい日々の暮らしの中にあって、僕たちはいつも何かに追われるように急いでいる・・・そんな気がする。
目標や目的を達成することが一番大事なことで、「効率」が優先される。
でもね、かっこちゃんが言うように、サムシンググレートが創造した一切に無駄はなく、
無意味なものもないよね。
「効率」のために切り捨ててゆくことは、実は大切な何かを失ってしまうのではないかと思うんだよ。
だから、目的のない時間こそ今、僕たちが取り戻さないといけない大事なこと。
 4000年前の旧約聖書、2000年前の新約聖書。
どんなに時が流れても、どんなに時代が変わっても、決して変わらない本当のことがある。
時の流れを超えて伝わっている聖書に学ぶのは、とても楽しい。
その学びに仲間が集まってくれるのは、とても嬉しい。

 昨日は、東京でそんな聖書の学びの会があって、また来年も開催されることになりました。
かっこちゃん、また遊びにきてね。
その前日、つまり一昨日は11月11日
そうです、京都で「MCサクセション」のライブがあったのでした。
 かっこちゃん、しあわせな時間やったな。
1年に一度、気の合う仲間が集まって演奏が始まる。
ステージと会場が一体となって、エネルギーがぐるぐるまわって、ひとつになってゆく。
音と光が気持ちを盛り上げ、歌声が届く。
本や講演では届かない、とても深いところに思いが届けられ、笑ったり泣いたり。
いつしか何もかんも忘れて、悲しい気分なんてブッ飛んでしまう。

 兄弟みたいに仲良しのデミっちゃんと17年前に創ったバンドさ。
いつもこう言うんだ、

「デミっちゃん、仕事じゃないんだから真剣に本気でやろうぜ!」って。

 ギターの名手で、ミスチルの桜井さんと共演することもあるシンガーソングライター、ユウサミイさんとDaijoubusu(ダイジョウブス)が今回のステージのゲストでした。

 僕も、ダイジョウブスのメンバーとしても立たせてもらいました。
ギターは弾いたことあってもウクレレはやったことないから、ダイジョウブかな?
と、ちらりと思った。
かっこちゃんはステージで言いました。

「ダイジョウブスは奇跡のバンドです。
 そもそも楽器なんてやったことのない仲間たちです。
 それでもみんな『やろう!』と決めて練習を始めました。
 最初のうちは『できない理由』ばかり言っていました。
 朝、オンラインで練習しようというと、
 『町内のゴミ出しの当番だからダメ』とか・・・
 それで、『はぁっ?』と私は言いました。
 でも、
 韓国の旅や、トルコの旅にウクレレを持ってきて、
 お酒を飲んだりするのを我慢してみんなで練習しているうちに、
 どんどん上手になってきたのです。
 そして今日は、『満天の星』『コーヒールンバ』の二曲を演奏します。」

心配そうに見守ってくれる観客の顔が、
演奏が進むにつれ、明るい笑顔に変わってゆくではありませんか。
ステージの僕たちも笑っていたね。
かっこちゃん、素敵な時間だった。

 かっこちゃんが前回の手紙で書いてくれた。

(引用ここから)「私はいつも「できない」「無理」と私のことを心配してくださっている方に、耳を貸すこともできずに、したいことをしてしまう。赤塚さん、私ね、わがままやなって自分のことを思うのです。
それでもいつも思うのは
「一歩踏み出してみればなんとかなる」ということのように思います。そこにはたくさんの方が力を貸してくださっているからなのだけど、その感謝の気持ちをまず思わずに、「一歩踏み出せばなんとかなる」とどうも私が思っていて、それはなんという傲慢な考えでしょう。周りのみなさんがなんとかしてくださっているのにね。

でも、心の中で思うことは、「したいかしたくないか」と言うことばかりです。「したい」ことは「したい」これはどうしても「したい」です。」(引用ここまで)
 
 かっこちゃんは「したい」と思ったら、「やる」と決めてやる。
僕が今回のライブで新しい曲に挑戦しようと決めたのも、かっこちゃんのそんな姿に勇気をもらったからです。
大好きな斉藤和義さんの「底なしビューティー」
ポップな曲だけど、コード進行が難しくてこれまでだったら諦めたに違いありません。
でも、かっこちゃんのように「したい」ことを「やる」と決めて一歩踏み出せば「できる」
できるまでやればいいんだ。

こんな歌詞がその曲の中にある

「明日どうなろうとも
 やりたいことやるの
 好きなものに囲まれて

 大体の悩みなんて
 大概の愚痴なんて
 他人の評価を気にするからよ

 私は、わたし
 ほかの誰でもないでしょ」

 まったくかっこちゃんだぜ。

何度も何度も練習、バンドのメンバーと音を合わせ、心を合わせ
本番でギター弾いて、歌い終えた時、言いようのない至福の気持ちになった。

 できた!

アンコールのアンコールで忌野清志郎さんの「JAMP」を演奏した。
終演後、ゲストのユウサミイさんが僕に駆け寄りこんなふうに言ってくれたんだ。

「あかつかさん、サイコーだ!!
 客席に自閉症のお嬢さんがいて、
 JAMPの曲で立ち上がって、JUMPしてたんだ。
 自閉症って感情表現が難しいんだ、それなのに笑顔でJUMPしてた。
 そして、僕とハイタッチしてくれた。
 音楽ってすごいよ!!
 僕は音楽やってきてよかった!!」

  それは、みんなでつくりあげた時空が暖かな愛の場になったからなんだね。

かっこちゃん、本当に素敵なライブだった。
また本気で遊ぼうよ。

 かっこちゃんは、
「赤塚さんが連れて行ってくださる旅で私はつくられているのかもしれません。
ありがとうございます。」と手紙に書いてくれた。
そっくりそのままお返しするよ、
「かっこちゃんがいるから、僕はあきらめないことを覚えたよ」

 かっこちゃんが作ったウクレレの曲が本になりました。
来年6月、石川県でウクレレのフェスティバル開催。
また、MCサクセションも京都の700名収容のホールで来年の夏ライブが決まりました。

「もう話しながらでも、歩きながらでもコーヒールンバ弾けます」
と笑うかっこちゃん。

 ダイジョウブスは、希望の花を咲かせて日本の各地を旅することになるでしょう。

 飛行機は着陸態勢に入ります。
熊本に着いたら、この手紙送信しますね。

  じゃあ、またね
            高仁

    PS. かっこちゃん、ライブの感想聞かせて。

                 高仁

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