レビュー:The Ghost of Sherlock Holmesby Paul Voodini
御機嫌よう。
怪談を聞くたびにどうやってマジックに落とし込めるかを考え続けているお嬢様ですわ。
我ながら変な方向に進んでいってるなという自覚はありますの。
とはいえストーリーテリング系のマジックをやる人って日本では少ないですし、怪談となればなおさらで、加えて私はオカルト関連の拘りが強いので迷走しかしていない結果に……。
というわけで今回は、名作ストーリーテリング(ビザー寄り)なマジックが載った本をご紹介いたしますわ。
・The Ghost of Sherlock Holmes
by Paul Voodini
Paul Voodini様と言えば、イギリスのサイキックエンターテイナーとして有名な方ですわね!
メンタリストとしての本も多く出しつつ、占いや降霊術に関しても造詣が深い、好きなメンタリストの一人ですの。
なんでか翻訳されることはないのですが、実用的で面白いマジックが多いので、ぜひいろんな人にチェックしていただきたい……いやでも広まってほしくない……といった感じの方ですわね。
さて、そんなVoodini様の作品で今回取り上げるのは「The Ghost of Sherlock Holmes」ですの。
時は1922年12月31日、とあるディナー会でホームズにインスパイアされた小話から舞台が始まり、四つのマジックが紹介されていきますの。
まるで小説のように展開が進み、読みやすく理解もしやすい、ストーリーテリング・マジックを学ぶのであれば最適な形式となっておりますわ。
全体を通してですが、演出に全力を注げるようトリックが簡単になっておりますの。ほぼセルフワーキングといっても良いストレスなく演じられますが、ストーリーがその味わいを極限まで引き上げているので、演じていて楽しいものとなっておりますわ。
私もいつか雰囲気ある小部屋で数人の観客の前でストーリーテリングマジックを演じるだけの仕事につきたい……。
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