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Kahoot!と英語授業その4
kahoot!使い倒しております。
今までの実践は以下から!
生徒はkahoot!が大好きです。でもライブ機能を使っているとこんな不満点も生徒から出てきます。
・答えるのに制限時間があるから、落ち着いて考えられない。
・順位がでるので、うれしい反面、良くなかったときに落ち込む。
順位に関しては上位の生徒にとってはうれしいものの、下位の生徒にとってはつらいもの。しかも満点取れないとなるとそれなりにへこむよなあ・・・と思っていました。
それも踏まえて、最近こんな風にkahoot!を使ってみたという実践を紹介します。
1.使用場面
中学校1年生の現在進行形がターゲットの単元です。一応一通り文法の説明はしていますが、ドリル的なことはまだしていません。
2.進め方
最初にkahoot!を使ってテストすることを宣言します。そして、テストの目標は・・・
□ 現在進行形の語順・意味
□ ing形(現在分詞)の作り方
□ 疑問文・答えの文・否定文の語順
ということを伝えました。
そして勉強方法としては何を使ってもよいことを生徒に伝えました。でも何をしたらいいか分からない生徒もいるので、教師側から「これをやるといいよ」というアドバイスをしました。
(1)プリント2枚(こちらで準備したもの)
(2)ワーク(授業で使っているワーク)
(3)今までの板書したノートを再度まとめる・説明をペアに聞いてもらう
(4)kahoot!に挑戦する
(4)のkahoot!に挑戦する、ついては、kahoot!の中に他の方が作成した現在進行形の問題が山ほどあるので、それを紹介します。
座席は自由にするとともに、この学習時間を20分程度にして、授業の目標を「20分間の学習を集中してやる」と設定し、学習中には「みんな集中してるね!」とか「あちこちでいいつぶやきや教え合いの声が聞こえるなあ!いい雰囲気だ!」と称賛します。
生徒は一人で黙々と学習に取り組む生徒もいますし、何人かで集まって教え合いながらやる生徒もいますし、教師に質問しに来る生徒もいます。生徒は自分に合った学習スタイルで勉強する「自己調整学習」をしてます。
教師からは「kahoot!のテストではプリントやワークから同じ問題は出ないよ。だから現在進行形の語順や意味の本質を理解していないと対応できないよ~」と伝えます。そうすると丸暗記では通用しないことを理解するので、生徒はどうしたら見たことがない問題にも対応できるだろうということを考え始めます。
3.テスト
さて、いよいよkahoot!テストです。テスト前に確認の時間を10分ほど生徒にあげます。そうするとものすごい勢いで勉強し始めます。この集中する時間も見逃さず、「すごい集中力だなあ!先生こういうクラスに教えられてうれしい!」と「アイメッセージ」を送ります。
そしていよいよテストです。テストは以下のように行います。
(1)ペアで相談しながらテスト
(2)個人でテスト
(3)チーム戦でテスト
(1)ペアで相談しながらテスト
ペアで1台のタブレットを使って、ペアで相談しながらテストをします。教科書やワークなど何を見てもよいことにします。kahoot!の割り当て機能を使いながらやるので、時間制限は基本ありません。自分たちのペースでできます。制限時間を6分として、満点だったらステッカーを一枚もらえるシステムにしています。ここでもペアのやり取りが発生します。
(2)個人でテスト
次に個人でテストです。ここはライブ機能を使いますので、1問あたりの制限時間があります。生徒はすべての問題の答えが分かっているので、スピード勝負です。よく問題を読むという癖がつきます。
この記事の冒頭で「順位が付くことの弊害」についてお話ししましたが、「順位も大事だけど、正解率が高いことが大事だよね~。もちろん成績は順位で付けていません。正答率で付けてるからね!」という配慮も忘れません。
(3)チーム戦でテスト
最後はお楽しみ的な感じでチーム戦です。kahoot!にはいろいろなチーム戦モードがあるので、その時の気分でいろいろなゲームを楽しんで終わりです。問題がろくに解けない状態でこのチームモードに挑戦しても、全然解けないし、チームに貢献できないのでストレスが溜まります。でももう2回もテストをやっているので、かなりの確率で正解できるし、チームにも貢献できるので自己肯定感爆上がり(!?)というわけです。
4.最後に
何事も完璧な学習方法はないと思います。kahoot!も面白いのですが、こちら側でいろいろ工夫してあげることで、よりよい学習方法になると思います。
また、この活動をやっていて感じるのは、「具体」と「抽象」の往復がより深い学習になるということです。
授業で「現在進行形の語順は『主語+be動詞+動詞のing』だよ」と習います。これが「抽象」です。そして問題を実際に解きます。これが「具体」です。生徒は教わったことを問題を解くことで、「抽象」から「具体」の考え方をします。また数多くの問題を解くことで「具体」から「抽象」の考え方をします。この往復が深い学びになっているなあということです。