コント#5「スーパードクター①」
とある日の事だった。とある病院の応接室では男性が一人で待っていた。彼は重病を患っており、少し手術が必要なため、その承諾であろう、突然の事だったが応接室に呼び出された。
すると、女性看護師が入ってきて
看護師「こんにちは、お待たせしました」
少し男性は不安げな顔になり
男性「あの、僕の病気は本当に大丈夫なんですか?」
すると看護師が笑顔で
看護師「大丈夫ですよ。必ず治すためにも、今回スーパードクターを呼んでおります」
男性「スーパードクター?」
看護師「はい。では小田原先生お願いします」
そう呼ばれたのか、応接室には一人の男性医師が入ってきた。でも完全に落ち込んでいる様子だった。男性が少し気になり看護師に
男性「あの、どうかされたんですか?」
看護師は笑顔で
看護師「あっ気にしなくて大丈夫ですよ。先生は今離婚調停中なんです。奥さんがお子さんの親権を求めて、それを含めて裁判する予定なんです」
医師「こら、清水君」
看護師は少し言いすぎたのか、恐縮な顔になり
看護師「ごめんなさい」
しかし男性の気持ちは晴れなかった。今にも泣きそうな顔をしている医師に本当に任せて大丈夫かと思いながら、少し不安げな顔になると
医師「大丈夫ですよ。任せてください」
これが詐欺につながる言葉だ。笑顔で言った医師の一言が逆にとどめを刺されたみたいに感じた。すると看護師が
看護師「先生。お子さんには会えたのですか?」
すると医師が泣き始めて
医師「まだ会えてないんだよ。てかあの女会わせてくれないんだよ」
なんて余計なことを言ったんだこの看護師は。少し怒りが込み上げてきたが、そんなのお構いなしに医師が男性に
医師「さぁ行きましょう」
男性「え?どこに?」
医師「手術室ですよ」
男性「はい?!」
そのまま男性は医師に連れられて、手術室に向かおうとする。突然のことに男性は完全に戸惑いながら
男性「ちょっと、誰か助けて―」
可哀想なことに、誰も助けるものはいなかった。
~終~