新型S-WORKSルーベ買いま……
※一応言ってくけど新型S-WORKSルーベのインプレじゃないよ。貧乏人があんなバカ高いもん買えるわけ無いでしょ
・イントロダクション
はじめましての方ははじめまして、そうでない方はお久しぶり、
しろえです。
さて、今回は私が初めて買った新しいディスクロード、カーボンで出来ていて、ディスクブレーキが付いた特別な自転車の話。
私自身まさかカーボンディスクロードなるハイカラな物に手を出すとは思ってなかったので少々驚きつつこのnoteを書いています。
というのも、ディスク化で重量が増える上、旧来のロードが持ち合わせていた軽快感、一体感はある程度スポイルされる訳です。
ならば軽さや性能を求める必要も無いかなといった感じで、正直次のバイクはクロモリにしようかと思ってました。
バラ完で、ある程度Sタマの部品を受け継ぎつつ、ROTORクランク入れたり、カーボンリム履かせたりとナウい感じに、シマノの油圧紐だとSTIの重さが気になるから思い切ってカンパでも良いかな……でもそこまで行くと100万円コースかーお仕事頑張らなきゃ………
とかいろいろ野放図を描いていたのですが、つい先日それを大きく揺るがす事態が起きました。
そう、新型ルーベの発表です。
まるで研究室から飛び出してきたかのような先代とは対照的に、この上なく洗練されたデザイン
より進化したFeatureShock
新しいD字断面のPAVEシートポスト
それらの要素を兼ね備えながら価格や重量はほぼターマックと同じというチートじみたスペックで多くのライダーを沸かせました。
もちろん私もその一人で、発表されたその週末すぐに販売店へGO!
実物とご対面し、舐め回すようにその造形美を堪能した後、店員さんからローンチイベントでの体験談を交えつつ新型ルーベの話を伺い、検討すること小一時間。
その勢いのまま新型ルーベを購入!
……せずに
隣に吊るしてあった2019年モデルのターマックSL6Discを買いましたw
え?ルーベはどうしたかって?
いやまあ、見に行ったのは見に行ったんですよ。ただデザインが思ったよりマッシブだったので、ちょっと好みじゃないなぁという訳でパス。
あとルーベに関しては人権※1が52sizeからなのに店員さんが執拗に小さいサイズを勧めてくるのもちょっとマイナス点でしたね。
「ルーベはシートポストがしなる設計なので
小さいサイズのほうが良い(キリッ」
と言われた時には流石の私も『おん?喧嘩売ってんのか?表出ろや』とか思いながら「あーやっぱりそうですよねw」と返した一幕があったりなかったり(あった)
てかそもそもシートポストを多少しならせた所でそれは単にしなってるだけで本当に快適性を生み出してるキモは別の部分だし、先代ルーベのプロトタイプとか見てもポストの固定位置下げたのはマーケティングの要請であって、別に快適性とはあまり関係ないよね?という………
まあそれはそれとしてターマックSL6の話ですよ。
知ってる人は知ってると思うけど、私の愛車はS-WORKSターマックSL5の49size
これは地球上で最も優れたロードバイクだと思ってるけど、同じターマックでもSL6には全く興味が湧いてこなかった。
その理由としては49sizeがあんまりカッコよくないという点で、まあ性能が上がってるのは確かだろうけどSL5で十分じゃね?いうのがSL6発表当初の私の見解。
しかし、新型ルーベを見に行った際にふと売れ残りのターマックSL6を見て「あれコレ52sizeも乗れるんじゃね?」と跨がらせて頂いたら結構余裕、色がそこそこ好みだったせいもあり、そのまま衝動的に買ってしまいました。
後から確認してみると49sizeのSL5より52sizeのSL6の方がリーチが短くなってましたね。これはどうやら男女兼用ジオメトリの仕業っぽいらしく、ひしひしと輪界に押し寄せるフェミニズムの影を感じます(ちゃんと確認しろ)
あと一度S-WORKSに乗って自分にハイエンドは不要と分かってたので今回選んだのは一番安価なSPORTグレードです。
新型ルーベに比べて9rFACTとグレードの低い素材を使ってるらしいですが、ルーベの10rもどうせハイモジュラス使ってるのはシートクランプ周りだけっぽいので大した違いは無いですね。
で、そんでもってターマックSL6Discのインプレですが、コレに関してはあまり分からないというのが正直な所だったりします。
というのも私は今までディスクロードに関してあまり良い印象は抱いてなかったし、今回購入したターマックSL6Discに関しても感じたフィーリングも一言で言うなら、『硬質かつ鈍重』
それは従来と何一つ変わりませんでした。
しかし、今回私はその事実にとても満足しています。
とても奇妙ですね。
ですが、この大いなる矛盾を解く鍵は、決してスペシャからのスポンサード等では無く、意外と単純でシンプルな真理だったりします。
その真理とは………
体重が5kg増えましたw
いや、一応言っておくと太ったわけじゃないですよ?
最近仕事で外に出る機会が増えたので、このままじゃ体が持たないなと思いタンパク質80g/Dayを数ヶ月、自重トレーニングと併用した結果が↑です。
まあそのおかげか脚質も高ケイデンスから高トルク型に変移し、現在に至ります。
まあという訳でターマックSL6Discが本当に良いのかというのは、本当に分からない。体重63kgの私はSL5とSL6どちらもいいと感じたけれど、体重58kgの私は多分「SL6Discはクソ」とか言い出してたかもしれない。
実際にSL6Discは高ケイデンスで走ってみると加速が全然伸びないし、可能性は結構ある。
なのでこれはあくまで個人の感想なのだけど、まあそんな退屈な但し書きを長々と書くつもりは毛頭ないので細部のディテールに移っていこうと思う。
・デザイン
ん~~~好き、特にここ
写真じゃ分かりづらいかもだけど、前三角の後ろ上端の処理とかもはや芸術的だと思う。S-WORKとか無駄にスペックを重視してD字ポストだからこうは行かない。
他にもカムテール形状のスラッとしたフォークとか、ヘッド周りの微妙な曲線美だとか、語りたいことは山ほどあるけど、長くなりすぎるのも良くないので今回は割愛。また今度語ります。
・剛性感
※以下怪文書
「ターマックSL6Discの剛性感はどう?」と、話題に困ったように、君は特段興味のない話を僕に尋ねる。
「君の言う剛性感が何を指しているのかは分からないけど、一方僕は僕の考える剛性感を君に完璧に伝えることは出来ない。それでもあえて言うなら春の改札口かな」
「そう………」
慎重に言葉を選んだ僕に対して、君の反応はやはりどこか上の空。お互いに会話しながら目線が合うことは決してない、一見余所余所しいそれは、けれども僕と彼女のいつもどおりでもあった。
「改札口……そんな物に季節なんてあるの?」
「あるさ。と言っても、ひょっとしたら無いかもしれない。僕の勘違いかもしれないし、君がまだ見つけてないだけかもしれない。そうだ、今から一緒にそれを確かめに行かないかい?」
「嫌よ。私最速ドグマとパレサイで踊るの、楽しみだわ」
やれやれ、どうやらいつもどおりに行かない事もあるらしい。僕はチェーンの汚れをウエスで拭いながら射精した。
村○春樹先生ごめんなさい……
ちなみにSL6の剛性感はSL5より若干低めぐらいです。フレーム本体は結構柔らかめ
・加速性
これはSL5の方がちょっと上かなと言った感じ、まあ比較対象がS-WORKSなので比べるのが可哀想な感じだけど、それでも同じ土俵に立てるのはすごいぞSL6!
・巡航性
これはやはり12mmスルー化の恩恵なのかSL6の方が断然良い。
若干クライマー寄りな私だけど初めて平地が楽しいと思えるのは本当にすごい。スタビリティは正義、はっきり分かんだね。
という与太は置いとくとしても本当に良い。数年前多くのメーカーが空力性能の悪化を承知でエアロロードのディスク化に踏み切ったけど、確かにこのスタビリティは小手先のエアロより強い。
どこもやらないけど、多分同じワットでタイムから空力を求めたらリムブレーキの立つ瀬はもう無いんじゃなかろうか。PCのグラボじゃないけど時代の流れって本当に残酷。
・登り
これは慎重に言葉を選ぶ必要があるかもしれない。
単純な速さと軽快さでは、やはりリムブレーキのSL5に軍配が上がる。一方のSL6Discはいまいち伸びに欠ける印象、これは他の諸兄が書いてる事と合致するし、実際乗ってみてもその通りだと思う。
ただ、それは事実の一側面でしか無い
今まで私はそれをディスクロード側の欠陥だと思ってたけど、今回ガッツリSL6を乗り回してみて分かったことがある。
人間が負けてますわコレ………
もっと具体的に言うと効率と引き換えに1踏みあたりの要求トルクが上がった感じ。
だから気持ちいい範囲で登る分には良くなってるけど、リムブレーキの時みたいに重いギアや高いケイデンスで無理に踏もうとしても、キツイし伸びない。
ケイデンス下げたほうがキビキビ登るとか何なん?って感じだけど事実だからしょうがない。これもスルー化の影響なのかもだけど、細かい理由は分かんない。何ででしょうね、誰か教えてくだち。
ただ前述のように緩斜面だったりイーブンペースでの走りはSL5より楽なのでそこはトレードオフかなと言った感じ、デフォはリア30tだけど、レースしないなら32tにしても良いかもしれない。というかする(固い決意)
取り敢えず28t使ってDiscはクソって言ってる人はスプロケット変えた方が良いと思うし、登りの速さはある程度諦めるべき。
心配しなくてもそれを補って余りある程のメリットがディスクにはある。
・ハンドリング
これもどちらが上というより、キレの良いSL5に対してSL6は滑らかでスムーズな感じ、反応性では先代に負けるけど減速→コーナリング→加速の流れが本当に気持ちいい。完成車30万円の性能じゃないですよこれ本当。
・快適性
コレに関しては、本体の性能以上に付いてきたサドルがいい味出してる。
トゥーペスポーツ、特にアナウンスは無いけど詰め物が密かに変わってて数年前のとは全く別物、スペシャさん。これを世に知らしめないのは普通に怠慢ですよ?
あとDTのR470が内側20mmのワイドリムなのもあってか非常に快適。デフォでついてくる26Cタイヤもgood、チューブレス程じゃないけれど、快適性には大満足です。
・その他
これはSL6とは全然関係ないのだけれど、105のR7000……しっかり調整された奴は無茶苦茶良いじゃないですかこれ……体感的には9000デュラと同じぐらいの使いやすさがあって本当にびっくり。
GCNのブラインドテスト動画。
サイが「これ2回ともデュラエースじゃないよね!?」って困惑してるのが一番のハイライトだけど、本当にそんな感じ
あと油圧紐だとSTIが重いっていう人もいたけど、それは特に気にならず。むしろ親指あたりに何か丁度いい出っ張りが付いてて握りやすい感じがグッド。
・総評
やはり新しい物は良い!(そこまで新しいかは少し微妙だけど)
新型ルーベもいいバイクだと思うし、アレスプも大きなサイズ乗れるならアリだと思うけど、やっぱりスペシャライズドのマストバイはターマックですね。
坂道も安心のリア30t(楽とは一言も言っていない)にイカしたデザイン、必要十分な快適性に、お手頃価格、『必要なものは全てここにある』と言っても過言ではありません。
Venge?電動コンポしか使えないフレームとかただのゴミでは?電動コンポとか核戦争後の地球でどうやって生き延びるつもりなんです?
まあ強いて欠点を上げれば、従来のレーシング然としたフィーリングを期待するとちょっと困るかもしれないという話。
多分プロレベルだとこれで普通にアタックしてスプリントも難なくこなせるんだろうけど、味付け的にはグランドツアラー的な風味。短距離のレースとか瞬発力や瞬間的なスピードを求める用途に使えない事はないけど、あまり向かないと思う。
最後に近い価格帯で候補だったモデルと比べてみたい。
ジャイアント TCR ADVANCED PRO DISC SE
BMC Teammachine SLR02 DISC
ビアンキ SPRINT Disc
TRAK Domane SL 6 Disc
キャニオン AEROAD CF SL DISC 7.0
キャニオン ULTIMATE CF SL DISC 8.0
正直このリストの中ならどれ買っても幸せになれると思うけど、私が最終的に選んだのはスペシャのターマック。最終決定のプロセスは多分運命とか呪いめいた何かですね。気づいたら買ってた。
そして実を言うとスペシャはあまり好きなメーカーではないのだけれど、それでも多分、私は核戦争後の地球でもスペシャライズドのバイクを選ぶに違いない。
そのモデルは恐らく、ルーベより軽く、Vengeより安い、コンサバで万能なディスクロード
スペシャライズドのターマックです。
記事の内容に一部、不適切な表現があったことを深くお詫び申し上げ、今後の再発に努めます