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気泡絶対殺すマンの奮闘 【R7020を徹底的にブリーディング(エア抜き)してみた結果】




初めての方は初めまして、そうでない方はお久しぶり、

しろえです。


さて今回のNoteはタイトルの通りインプレ記事ではなく整備手記、

私は基本的に整備はショップに丸投げしたい人なので、こういう記事を書くことは無いと思っていたのだけど、残念ながら書く必要に迫られてしまった。


まあ事の経緯は大して面白くないので割愛する。

私としても限られた作業時間と経費でちゃんと仕事をしてくださってる事に理解はあるし、店側に「これが標準の仕様です」と言われてしまってはどうしようもない。


だがしかし、それを考慮しても現状ターマックSL6のブレーキは中々にジャジャ馬なフィーリングだ。

パッドがローターを掴むまでにレバーストロークの半分を消費する時点で?って感じだし、そこから制動力の立ち上がりは二次関数的な感じ、更に握りきった先でグニグニ出来るので、多分エアを噛んでいる気がする。

最初は「言うてこんなもんかな」とか思ってけど、先日ダウンヒルで普通に散りかけたので、仮にこのセッティングが正しいとしても改善の余地はありよりのあり、早速ブリーディングツールを買い込んでLet's tryです。



(本当はもっといい写真を取りたかったんだけど、作業に夢中でこれしか撮ってなかった件。次はもっとうまくやる)



まあ細かな手順はネット上にディーラーマニュアルが転がってるので割愛。

https://si.shimano.com/pdfs/dm/DM-RADBR01-05-JPN.pdf
↑マニュアルのURL

道具は色々あるけど、4mm径のウレタンチューブと30ml横口のシリンジが2本あれば結構便利、タイラップ(インシュロック)でチューブを固定すれば作業中に抜けることはまず無い。

ツイッターとかでは秘技電マ!とかやってる人もいるけど許容範囲までエアを抜くだけなら特に必要なし

下から入れて、ちょっと抜いて、シュッシュッブリュって何回かやったあと、ホイールを戻して10分ぐらいレバーカチカチやってれば大体の気泡は抜けるはず。

外人ニキはファンネルからオイル突っ込んでる人もいるし、まあ日本人だったらエア抜きは誰でも出来るんじゃないですかねという感じ。



ただ、問題はここからだ。

というのもシマノの油圧STI、稀によく気泡が出ないのにレバーがスカスカという現象が発生する。


私も最初その現象にみまわれ「あ、これ詰んだわ」と思った。

ピストンは普通に動くし、一本釣りしても気泡は出ず、最終兵器電マを使用しても効果なし。「どうすりゃエエねん」ってなったけど、その時ある言葉が脳裏に浮かんだ。


『力ずくで上手くいかないのは力が足りないからだ』


これはあるゲームの中で出てくるセリフなのだけど、その通りレバーをドンツキまで握り込んでやったら下の方でスゥーって音がしましたよね。ええ

おや?って思ってレバー離したら、パッドの間隔がよりタイトになってる訳です。

やったか?と思い、レバーを数度握り込むと明らかにフィーリングが変わってました。整備後に軽く走っても特に問題はなく、むしろ感動的なブレーキフィールへと変貌したので、これで勝利です。第三部完。


(フロントのエア抜きが終わった段階の写真?散らかしてる上に色々雑なのはまあ……仕事じゃないから許して)



と与太はここまでにしてちょっと真面目な話。

油圧STIのディーラーマニュアルには幾つかの問題が存在する。

1つ目は粗方のエアを抜いた後、実際のパッドとローターでセッテングを詰める事に関して言及がない点。まあこれはやらなくて良いかもだけど、やって間違いではない。

2つ目は↑で書いてある謎の現象、ピストンリングが悪さしてるんだとは思うけど具体的に何が原因かは分からず、結構ガッツリ握る必要があるので女性だと握力が足りないかもしれない。

3つ目は……特に思いつかなかったので、それらを放置しているシマノの怠慢辺りにしときましょうかね。誰か思いついたらコメント欄に書いておいて下さい。


まあ結局何が言いたいかというと、エアがほぼ完璧に抜けていてもブレーキフィールが良くない場合があるという事です。

ちなみに本当に完璧なエア抜きはバチクソ面倒くさいのでショップに求めるのはやめましょう。

私はフロントだけやってみたけど二度とやりたくないし、キレイにやろうと思ったら片側で1万円欲しいレベルに手間


(本当に完璧なエア抜きのイメージ図、実際の作業は小1時間レバガチャするだけだけど、2台3台同時にやるとか悪夢よねという)


とはいえこれも中々難しいところです。消費者心理としては100%完璧な物を納車して頂きたいのですが、経済的観点からみた場合、それはちょっと無茶がある。

よしんばあなたが坂が性癖な位眉目秀麗な女性であれば、メカニックも頑張ってエアを抜くでしょうが、ただのおっさんに端金でそこまでのサービスが提供されるでしょうか?


答えは残念ながらNoです。


一応、言質を取るとか、店をハシゴしてエア抜きが得意な店を探すとかの方法はあるにはあるけど中々面倒くさい。

そう考えるとForzaの完成車別途工賃4万円スタイル?もまあ悪くは無いんじゃないかと思ったり…………



まあ止まない雨が無いように、抜けないエアもありません。

これからブリーディングをやる人は、十分な量のウエスと、ちゃんとしたメンテンナンススタンド、あとできれば気の長い友達と、くじけない心を用意して望みましょう。


8000円のスタンドをケチって10万以上するカーボンロードをガリッたお兄さんとのお約束ですよ。



【追記2019/08/17】

その後しばらくしてブレーキの効きがまた悪くなったので色々試行錯誤してみましたが、結果としてブリードニップルのトルク不足という事が判明しました。

ねじ切るのが怖いから5Nmぐらいで締めてたけど、正味10Nmぐらい要るね。自家整備を試す人はお気をつけ下さい。



記事の内容に一部、不適切な表現があったことを深くお詫び申し上げ、今後の再発に努めます